2月のシーカヤック海旅・奄美・加計呂麻島一周

2003年2月

 2月といえば、テレマークスキーでパウダースノーを追っかけてるはずだけど、今回は冬でも暖かい奄美大島の加計呂麻島でシーカヤッキングだ。強い季節風の影響も少なく、全体的には天候条件に恵まれたのではないかと思う。なんとか一周約60キロを完漕することができて、身も心もリフレッシュさ!

一日目

実久~大島海峡~俵小島~諸数

漕行距離約19キロ

 朝一番のフェリーで、奄美大島本島の古仁屋の港から加計呂麻島に渡る。港では今日から5日間お世話になるペンションリキのオーナーリキさんとアシスタントのともちゃんが迎えに来てくれていた。ペンションについて早々、オーナーから「ダイビングのお客さんが一人いて島の反対側の奄美ホールに潜りに行くから、ついでにカヤックも載せていってあげる。」と言われ、奇想天外な旅のはじまりに仰天する。いきなり島の反対側へ乗っけていってもらえるというのはラッキーだけど、ダイビングポイントの海の舟の上で、とてもカヤックを組み立てる自信はない。とりあえずどこかの港に降ろしてもらうということで、宅急便で先に送っておいた折り畳み式のカヤックを第2力丸に積み込んで、島の反対側に出掛けることになった。

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第二力丸に乗せてもらい、島の西端にある実久へカヤックごと運んでもらう。

加計呂麻島は寅さん映画の遺作のロケ地だ。古仁屋の港で、船長のリキさんから、これがあのデイゴ丸だと教えられる。今も現役で海上タクシーとして立派に働いている。ここで、ダイビングのお客さんを1人乗せて、いよいよ奄美本島と加計呂麻島に挟まれたリアス式海岸の狭い大島海峡を北西方向に舟を走らせてもらう。加計呂麻島の北端にあたる実久の港沖にさしかかったところで、イルカの群れを発見。しばらくイルカたちを観察する。みんな大喜び。いきなりのイルカたち登場に、これからはじまろうとしているシーカヤッキングへの期待がますます高まった。岬をかわして加計呂麻島の西側に廻ると、静かな海から一変してうねりがでていた。天気予報の様子から、これからさらに荒れてきそうな感じだ。結局引き返してもらって、さっきイルカたちが泳いでいた実久の港へ下ろしてもらうことにした。

いよいよ加計呂麻島一周をめざして、実久の小さな港を出発。

いよいよ加計呂麻島一周をめざして、実久の小さな港を出発。

小さな船着き場のある実久は、なんとものどかな雰囲気の小さな集落である。カヤックを組み立てて、いよいよ奄美の海に漕ぎ出す。カヤックを組み立てている間に風が吹きだし、波が立ち始めた。あわてて実久の港を後にする。果たして加計呂麻島を無事1周してこの港にもう一度戻ってこれるだろうか。イルカの群れをじっくり探す余裕もなく、風の影響の少ない大島海峡へ逃げ込むように漕ぎ急いだ。

曽津高崎を左の彼方に見ながら、いよいよ大島海峡へ

曽津高崎を左の彼方に見ながら、いよいよ大島海峡へ

大島海峡にはいると、追い風が助けてくれた。デリキョンマ崎でお弁当にする。深い入り江の薩川湾を通り過ぎ、俵小島の右側を廻って乙崎を目指す。潮が動いているらしく、俵小島の周りの浅い海には潮目ができていた。追い風がだんだんときつくなり、やがてサーフィン状態になる。ペンションリキのある諸数を知らぬ間に通り過ぎてしまう勢いだ。気が付いて引き返す時には、今度は向かい風で苦労した。あまりにも早い帰還に、ペンションのみんなが驚いていた。日が暮れるまでに戻れればと思っていたが、ずっと早い時間にペンションリキの前浜にカヤックを引き上げた。

伊勢エビとブダイの刺身にイノシシの焼き肉!毎晩感激!!

伊勢エビとブダイの刺身にイノシシの焼き肉!毎晩感激!!

 二日目

停滞・軽トラで島内観光

漕行距離約0キロ

太平洋戦争の悲劇の遺物・人間魚雷

太平洋戦争の悲劇の遺物・人間魚雷

二日目は西風の影響で海が荒れ、軽トラでの島内観光とする。島を1周するために、しっかり島の海岸線の様子を偵察した。また、安脚場の砲台跡や呑之浦にある人間魚雷艇「震洋」の格納壕など、南の島に刻まれた太平洋戦争末期の悲惨な遺物を見て回った。

三日目

諸数~徳浜~請島水道~佐知克~風崎~大瀬崎~西阿室

漕行距離約28キロ

安脚場の断崖下を漕ぎ進む。

安脚場の断崖下を漕ぎ進む。

砲台跡が残る安脚場の断崖を回り込むと、いよいよ内海の大島海峡から太平洋に躍り出る。今日は凪いでいるけど、それでもうねりの周期がグンと大きくなり、断崖に砕け散る波の大音響から、大海のパワーを感じる。寅さん映画のロケ地である徳浜に上陸するつもりだったが、玉石の海岸に打ち寄せる波は高く、とてもその気にはなれなかった。

前方に請島が見える。

前方に請島が見える。

請島を前方に見ながら崎根鼻を回り込む。このまま請島へ渡ってみたい気がしたけれど、請島水道の沖の方は風の通り道らしく、かなり波が高いように思われた。深い入り江の諸鈍湾の沖を漕ぎ進み先鼻を目指す。このあたりはまだ海も穏やかだったが、先鼻を過ぎると風の影響で波が立ち始めた。先鼻から伊子茂湾の先の風崎まで一直線に進みたかったが、風の影響の少ない湾内を漕いだ方が安全だと判断して、昼食のためにいったん佐知克に上陸することにした。

佐知克に上陸し昼食にする

佐知克に上陸し昼食にする

佐知克から伊子茂湾を横断し風崎を過ぎると、うねりが急に大きくなり、岩礁帯がブレイクしていた。今さら戻るにも勇気がいる。それよりもなんとか大波が砕け散る岩礁帯の隙間をうまく通り過ぎて、おそらく今の状況よりは風の影響を受けないであろう大瀬崎の向こう側に逃げるべく、漕ぎ進むことに心を決めた・・・
西阿室の港に何とか辿り着いたときは、クタクタだった。西阿室の西側に作られた防波堤には、高潮が砕け散っていた。今日はここまでとする。ヒッチハイクで瀬相に出て、リキさんに軽トラで迎えに来てもらう。

四日目

西阿室~モン崎~実久

漕行距離約13キロ

江仁屋離島前方に請島が見える。

江仁屋離島

ペンションリキで軽トラを借り、カヤックをデポしておいた西阿室へ向かう。今日は昨日よりも海況は良さそうだ。西阿室の港からモン崎をめざす。一ツ瀬の磯に寄ってみたい気がしたが、沖は岸沿いよりうねりが高そうだ。海況が悪くならないうちに1周を完了するため、漕ぐことに専念する。徳之島行きのフェリーが江仁屋離島の島影から現れ、少しずつ小さくなっていくのを眺めながら、旅心が大きく広がっていく。実久の港の入り江はとてもきれいなビーチで、天気のいい日に1日のんびりしてみたいところだ。4日前にこの実久の港をスタートしたときには、とても1周して戻って来れるとは思えなかった。いろいろとペンションリキには心配と迷惑をかけてしまったが、目的が達成できて、あとからじわじわと充実感を感じた。

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