川バカってだれ?(那賀川リバーカヤックツーリング)

43nいったい誰のことだい?

 蕩々とした流れの那珂川は、御前山大橋を過ぎるとさらに大河のゆったりした流れになる。そして、抜けるような青空の昨日と違って、今日は心が陰鬱になるような空模様だ。でも、この陰鬱さは、心を内面へと向かわせ、何故だかノスタルジックに少年の日々を想い起こしてくれる。川に運ばれる心地よさに身を任せながら、眼を瞑って記憶の自由な旅にでる。どうしてこんなに少年時代のことを想い出すのかなと、ふと我に返ってみると、この川の匂いは紛れもなく、日が暮れるまで川で遊んだ少年が嗅いだ匂いと同じだ。

38n川の夕暮れ、時間が止まる・・・

 川旅は久しぶり。数年前に越後魚沼、魚野川を下って以来だ。那珂川は以前下ったことがある。今回の相棒と。もう13,4年も前の話だ。そういえば、途中から雨にやられ、ウイスキーをちびりちびりやりながら、びしょぬれになってぶるぶる震えながら川下りをしたっけ。まだ若かったし、そんな旅がとてもいい思い出だ。

ところで十数年ぶりだから、那珂川の自然が今でもちゃんと生きているか心配だった。でも、記憶に残っている那珂川とそんなに違ってはいなかった。川沿いに住む人たちの生活と密接につながっていることが窺われて、安心した。頻繁に見る川船や魚を捕る梁が、川と人の共生をものがたっていると思う。

33n器用に棹を動かして川船を操る。

 那珂川は鮎のシーズンも鮭のシーズンも終わったのに、結構釣り人が多い。川を進むカヌーから、釣り人達の様子を眺めるのもおもしろい。夢を捨てきれず、鮎や鮭を狙っている釣り人だけでなく、いろんな釣りがあった。もっと上流の方だけど、流れの深みに脚立みたいなものを立てて、それに座って撒き餌をしながら浮き釣りをしている人達もいた。寒バヤ釣りだろうか。水はかなり冷たいので、深みで繊細な仕掛けの浮き釣りをするには、こんな釣り方が考え出されたのだろう。また流れの緩い深みでは、リール竿の仕掛けをぶっこんで、のんびりその脇で穂先を見つめている人たちもいた。鯉だろう。ぶっこみの鯉釣りは、子供の頃よくやったなぁ。吸い込み針に練ったサツマイモの団子を仕込んで、投げ込んでおき、ひたすら待つのだ。サツマイモは自家製のふかした特製だ。他にも、投網を投げているおっちゃんもいるし、流れの中に魚を捕る籠が仕掛けられていたり、いろんな魚の捕り方がこの川にはあった。

子供の頃、メダカやドジョウ、ザリガニ捕りに夢中になったけど、特にフナやオイカワの釣りは私を夢中にさせた。餌は、うどんにさなぎ粉をまぶしたのをつかったり、赤虫やサシ(ウジ虫)を使った。さなぎ粉は、頭の芯を刺激する独特のくさい匂いがした。学校が終わると一目散に出掛けたり、休みの日、まだ暗いうちから川岸に立ったりしたものだ。子供なりに仕掛けに工夫をして、意気込んだ。あの頃の、川の匂いが懐かしい。那珂川の匂いは、まさに少年の頃嗅いだ川の匂いと同じだ。上流のいろんなものを呑み込んだ川の匂いは、自然の流れで浄化されながらも、ちょっとドブ臭い独特の甘酸っぱい匂いに熟成する。今の子供達は、川の匂いを知っているだろうか。

6n人生を漕ぐ、いろんな流れに巻き込まれながら・・・

 川下りをしながら少年時代に想いを馳せるうちに、自分を振り返らずにはいられない。人生を、川下りに例えるとどうだろうか。大きな流れに身を任せ、どこまでも流れ落ちていく。これはちょっとデカダンスっぽいけど、禅な感じもしないわけではない。どっちだろうと、大きな歴史という流れの中で、ちっぽけだけどかけがえのない人生を漕いでいるのだ。

25n

川がある生活はいい。今年は、折り畳みのカナディアンを引っ張り出して、どこか出かけてみようかな・・

logonozorikourayamagaido

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