深田久弥のエッセイ「鹿沢の山々」から・・・

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文藝春秋1933年12月に深田久弥は「鹿沢の山々」と題したエッセイで、

学生時代にスキーでよく訪れた鹿沢の思い出をノスタルジックに綴っています。

正月元旦に三方ヶ峰に上ったことがあった。一点の雲もなく晴れた日で、

真っ青な空へ、すぐ目の前の浅間から黙々と煙が湧き上がっていた光景は

いまだに忘れられない。

それこそ堀辰雄が形容したように「キャベツのような」煙だった。

僕が見た三方ヶ峰からの浅間からも、

天気はどんより薄曇りでしたが、キャベツのような煙がモクモクと湧き上がってます。

火山活動が旺盛な浅間は100年前の姿とあまり変わりがないようです。

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籠ノ登山へも行った。最近丸山晩霞氏の文章を読んでいたら、

この山にはあすなろうが這松のように地面を這いている、

これは他の山では見られないことだ、と書いてあった。

あすなろうは僕の出世作ともいうべき小説の題だが、

その頃はもちろんまだそういう植物の名前は知らず・・・

籠ノ登山の山頂で地面を這うようにたくましく生きている木は、

ヒノキの仲間のアスナロじゃないでしょう。

ご覧のようにカラマツだったはずです。

こんなどうでもいいような細かいことも一応書き留めておきます。

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それから当時スキーを始めた深田青年は、

鹿沢のゲレンデでテレマークターンの練習に明け暮れていたということも興味深いです。

僕はその滞在間にテレマークターンを完全にものにするつもりで、

(この頃山はこれに限ると聞いていたので)

コールフィールドのスキーイングターン1冊を唯一の師匠にして

毎日飽きもせず同じ事ばかり繰り返していた。

深田久弥の若い頃はテレマーカーで、

鹿沢に籠ってコソ練していたのかな、なんてその様子を想像したら面白いですね。

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ところで、東籠ノ登山頂から三方ヶ峰や池の平湿原、兎平が眺められます。

兎平という地名がいつ誰によって命名されたかも偶然ですが見つけちゃいましたので、

ここに書き留めておきます。

山と渓谷昭和36年1月号臨時増刊「スキーと冬山入門」の125ページに

三方ヶ峰のツアーという文章があって、

34年12月に川崎隆章氏により兎平と命名された兎の遊び場で、

時々野兎の飛び交う姿が見られる。

とあります。

川崎隆章氏というのは当時の山と渓谷編集者自身です。

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現在のグリーンシーズンの兎平は、

貴重な高山植物が咲き誇る池の平湿原の玄関口になっていて、

一面雪に覆われた今の時期からは想像できないほど賑やかです・・・

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