旧三国スキー場登山口を午前5時15分スタート。
あいかわらずのぬかるみが多い登山道は歩きにくいです。
水量を心配していたガラン沢は案外大したことなく渡渉。
ブナの森の尾根を気持ちよく登って約一時間で三坂峠に着きます。
四万川の谷の向こうに中之条らしき街並みが眺められます。
いよいよここから野反湖までぐんま県境稜線トレイルが始まります。
不安定な天気の行方が心配ですが、中途半端に戻るわけにいかないので、
大雨が降ろうが雷が落ちようがそれなりの装備と覚悟をもって歩き出します。
ブナの森の稜線をしばらく歩き続けてコメツガの森の急登を過ぎると、
三坂峠から2時間ほどで気持ち良い笹原の広い尾根に出ます。
ここは笹平と昔から呼ばれているところです。
ちょうどガスも晴れてこれから目指す上の間山(カミノアイ)も見通せます。
そして目を凝らせば白砂山も。
笹平の群馬県側は四万川の源頭斜面で、開放的な景色にほっと一息つける場所です。
色とりどりのお花が咲き乱れていました。
ここから黒木の森の尾根を少し上り詰めればセバトの頭です。
この辺りから複雑な地形になってきます。
太古の昔の日本列島が誕生したころからの地殻変動や気象などの様々な力で、
隆起と侵食を繰り返してきた大自然の造形ともいえるでしょう。
セバトの頭を過ぎればすぐに水場入り口の看板があり、
これは貴重な稜線トレイルの水場の一つで白砂川源流の最初の一滴です。
水場から少し歩くと、避難小屋建設予定地のムジナ平です。
今年完成予定だそうですが、まだ工事は始めっていませんでした。
ここから大黒の頭(オオグロ)へのきつい上りを癒してくれるのが、
白砂川源頭斜面のこれまた開放的な景色です。
オオグロから見下ろす景色もいいです。
そして次の稜線の山、カミノクラはもうすぐです。
昨年新規開通した区間のいよいよ最深部に突入です。
白砂山まで原始の香りがプンプンする稜線トレイルの白眉ともいえます。
たくましく咲き誇る高山植物の花々にも出会えます。
そういえば昨年7月に歩いたときは、カミノクラ山頂付近で、
熊さんにばったり出会い頭になって一触即発の出来事がありました。
今回は大丈夫でしたが、
そのかわり遠くから雷鳴のとどろく音が聞こえてきます。
時々雨も降り始めたりして不安にさせられます。
カミノクラから忠次郎山、赤沢山へと晴れていたら本当に楽しい稜線歩きのはずですが、
今回は濡れネズミになりながらビクビクの稜線歩きになってしまいました。
カミノアイをちょうど正午到着。
ここまで7時間弱のコースタイムです。
なんとかゲリラ雷雨に直接やられる心配もなくほっと一息つけました。
そして、カミノアイから白砂山がこんなに近く眺められるようになりました。
ここからもお花畑がいろいろなところで楽しめます。
キンコウカもまた可憐に咲いているのを見つけることができました。
ニッコウキスゲの群落も白砂川斜面の笹原にたくさんあります。
白砂山周辺は何といっても高山植物がいたるところに咲いていて素晴らしいです。
白砂山午後1時通過。
最後のピーク堂岩山が見えてきました。
色とりどりの花々を楽しみながらゆっくり歩きます。
天気が悪くても花がたくさん咲いているので花好きの方なら十分に楽しめます。
堂岩山午後2時通過。
野反湖白砂山登山口には午後4時ゴール。
コースタイム約11時間のなかなか充実したぐんま稜線トレイルでした・・・