野反湖から秋山郷への山旅2020

左京横手の荒砥沢の道脇にまだこの古い道標が残っていました。六合山岳会と書いてあるのがかろうじて読めます。黒木の深い森につけられた左京横手の道は、大倉山を巻くようにしていくつかの沢を跨いでいきます。

野反湖から流れ出る千沢の深い渓谷から大滝の轟音が響いてくると、いよいよ大倉坂の九十九折れが始まる大倉峠です。ここで大休止をして、これから始まる渋沢ダムまでの長い下り坂に備えます。大倉坂は120曲がりとも呼ばれていたほど曲がり角が多くて、ある意味地形をうまく利用して勾配が小さいように道がつくられています。上州と越後との交易に使われた古い道で、牛も歩いたという記録がどこかに書かれてありました。

ブナの原生林の森は、秋が深まる頃のブナハリタケの甘い匂いで充満しています。今はまだ木々は青々としていて深緑の森ですが、僕には幾度かなんとなく甘い香りが漂ってきました。

大倉坂を下りきると朽ちた小屋がまだ残っていて、その先の渋沢にかかるつり橋を渡ると渋沢ダムです。ここまで野反湖からちょうど4時間くらいで、僕たちの歩くスピードは地図のコースタイムよりちょっと速いくらいでした。

ここにはダム関連の施設の他に登山者や釣り人のための避難小屋も設置されています。今日は土日なのに釣り人の気配もなく僕たち以外誰もいなくて静かな時が流れていました。

渋沢ダムからかつてはトロッコ軌道のためにつくられた東電水平歩道を歩きます。すぐに第一トンネルを抜けます。

昨秋の台風19号の被害はここにもありました。幸い通行できるように整備がされていたので難なく通過できました。

馬の背トンネルの山越え道を下るとトンネルから引いた冷たい水で顔を洗えば生き返ります。また元気に歩けそうです。

小黒部谷とも形容される深い渓谷の底から激流の轟音が時々聞こえてきました。そして谷が開けて月見立岩や大岩山、鳥甲山など秋山郷の山々が身近になります。

水平歩道の終点は突然現れました。朽ちかけた小さなベンチが並んでいて、ここで長く休みたくなりますが、虫がうるさくてさっさと降りることにしました。道は深い渓谷の底にかかるつり橋までのきつい坂道ですが、もうすぐゴールの切明の湯が待っていることを思うとまた力が湧いてきます。

切明温泉には三軒の宿がありますが、今夜は雄川閣へ。宿はリニューアルしていて、おしゃれな雰囲気が漂っていました。

僕たちは野反湖から切明温泉まで約7時間で歩いてきましたが、コースタイムはだいたい8時間前後が標準かなと思います・・・

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