チャツボミゴケ探検隊2020


40年に閉山した鉄鉱石の鉱山跡地までの道は現在深い藪に覆われています。 後ろから3人ついてきているはずですが、誰の姿も見えません。お~い、大丈夫か? もちろん大丈夫です。

昭和28年から12年間で約40万トンの鉄鉱石を生産して閉山した後、ここでも鉄鉱石がバイオミネラリゼーションによって今もつくられているようです。もちろん僕の個人的見解です。

露天掘りされた鉱山跡の露頭からいたるところで湧き出す水はPH4の強酸性水で、ウカミカマゴケやチャツボミゴケなどが群生しています。

このコケ類を中心にバクテリア類や藻類がいっしょになって活発に鉄を沈着する働きをはっきり見ることが出来ました。

鉄鉱石の中には植物の葉っぱの化石化したものが混じっていたりするのは、中之条町のチャツボミゴケ公園で見られるものと変わりないです。

淀みには藻類の成長したものも見られました。

帰りもまた深い藪漕ぎで大変でしたが、 とても興味深い様々な発見があったりして大変勉強になりました。今回の調査から発表されるコケ先生の論文の成果が今からとても楽しみです。

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標高差1000mの芳ヶ平湿地群環境学習2020

心配していた天気が予想以上に良いほうにハズレてくれたおかげで、芳ヶ平学校が無事安全にできました。2152mの渋峠から1150mのチャツボミゴケ公園まで下りとはいえ約10㎞余りの登山道を 、中学1年生の子供たち24名全員が歩き通しました。ラムサールの自然環境について吸収してくれたたくさんのことを、今後様々なところで生かしていってほしいなと思います。

渋峠から芳ヶ平湿原までの登山道は、浮石や水たまり、ぬかるみ、傾いた木道、流水で掘れた滑りやすい道などなど、怪我をしやすい危険個所が次から次へと待ち構えています。転倒に気を付けながら、熟し始めた様々な秋の実の色や葉っぱなどの違いを見つけたり、カエルや虫、鳥など小さな生き物たちとの出逢いに驚いたりしながら、標高差1000mのダイナミックな大自然の移り変わりを五感で感じてもらえたと思います。

そして、数日前の雷雨に追われるように下山した下見の時とは違って、今日はカラッとしてとても清々しい秋の風がとても気持ち良かったです。

環境学習午前の部が終了して、広々とした芳ヶ平野営場のテーブルでのお弁当タイム。ちょうど正午に午後の部スタート。芳ヶ平湿原から見晴らしの良い尾根筋の森の小道を抜けると眼下に大平湿原のカラマツの森と笹原が織りなす風景が大きく広がります。滑りやすい急坂に歓声を上げながら下りました。平兵衛池や大池、水池の三つの池巡りでは、突然現れた森の中の宝石の美しさに癒されているようでした。

最後の穴地獄手前の長い下り坂ではさすがに皆さんおしゃべりも消えて辛そうな子供もいましたが、全員が怪我もなくチャツボミゴケ公園にゴールすることが出来ました。

目的意識をしっかりもって参加してくれたので、子供たちは芳ヶ平湿地群の大自然にとても興味をもって環境学習してくれました。チャツボミゴケ君たちも笑顔で芳ヶ平学校の子供たちの到着を迎えてくれました・・・

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青空と雷雨の芳ヶ平湿地群環境学習下見2020

尾瀬学校ならぬ芳ヶ平学校の下見で芳ヶ平湿地群を歩いてきました。朝方は久しぶりの青空に恵まれて最高の山日和かと期待させてくれましたが、天気予報通りみるみる崩れてきました。

渋峠2152mではモリアオガエルが産卵する日本標高最高地点の赤ちゃんカエルがこれから旅立とうとしていました。もっとゆっくり観察したかったけれどいつ雷が落ちるかと思うとそんなわけにもいかずただちに下山開始。

後ろで突然雷鳴の爆音が轟いてスキー場のリフトが緊急停止したアナウンスが聞こえてきました。ちょっとパニック気味になりましたが、そんな中で遅咲きのモミジカラマツがたった一輪だけ咲いているのを見つけて心が何となく落ちつきました。

まるで雷雲に追い立てられるかのように芳ヶ平湿原まで降りてきました。時々降られたりもしながら急ぎ足で来ましたが、いつの間にか天気が回復していました。

木道を時計回りに周ります。木道沿いにヨシが大きく育っているところがありました。ツルコケモモの実が今年は少ないように感じました。イワショウブやハンゴンソウが今見頃のようです。サギスゲの綿毛もまだ見られました。

素晴らしい青空に出逢えました。このまま天気が持つようならいいなと、ちらっと思いましたが、そんな考えがいかに甘かったかは後で痛いほど知ることになります。

予約していたパスタランチをいただいて午後1時ヒュッテを出る時はまだどんよりとした曇り空でした。

歩き始めるやゴロゴロと鳴り出すと大粒の雨が落ち始めてとうとう雷雲に完全につかまりました。チャツボミゴケ公園まで2時間ずっと雷光と轟音に怯えながら土砂降りの雨の中を降りてきました。おかげで登山道のどの箇所があっという間に沢になってしまうのかもよくわかりました。

午後3時半、チャツボミゴケジェラードで下山祝いです。先日茶色くなっていたチャツボミゴケ公園は、このところの雨と涼しさの影響でしょうか回復して綺麗になっていました。今度また歩くのがとても楽しみです・・・

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リンドウの花が色鮮やかな芳ヶ平湿原2020

9月になって久しぶりに訪れた芳ヶ平湿地群は、リンドウの紫に彩られてすっかり秋の気配が色濃く漂っていました。地元の中学校の環境学習ガイド以来だから2週間ぶりかな。来週の環境学習ガイドではさらに秋色に染まった芳ヶ平湿地群を子供たちに感じてもらえそうです。

今日みたいな霧の日は、木道沿いのヨシが大きく育って全身が露でびっしょりと濡れてしまいましたが、僕たち以外誰もいない幻想的な湿原の風景を独り占めにさせてもらいました。

草津白根山の火山活動はまだまだ静まらないようで噴火警戒レベル2が続いています。芳ヶ平湿原を訪れるには渋峠かチャツボミゴケ公園、または草津温泉から往復最低3時間はかけて歩いてくるしかできないので、ヒュッテでお二人見かけた以外この日は結局誰に逢いませんでした。

今年の芳ヶ平湿原はワタスゲが当たり年でしたが、リンドウの花もとても多いように感じました。そしてちらほらとイワショウブも咲き始めていました。また赤や紫、白のいろいろな木々の実も熟しはじめていました。

森の番人の熊さんもお腹をすかしてはやく秋の恵みの季節がやってこないか待ち焦がれているのかもしれません・・・

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秋山郷の山旅@鳥甲山2020

二日目の朝5時過ぎ、朝食をお弁当にしてもらって宿の車で鳥甲山登山口まで送ってもらう。午前5時45分ムジナ平登山口を歩き出しました。

秋山郷は鳥甲山と苗場山に挟まれた深い渓谷にいくつもの小さな集落が点在しています。渓谷から見上げると首が痛くなりそうなくらいにそそり立つ鳥甲山は、大きな鷲が両翼を開いて威嚇するかのようにあります。鷲の翼に取り付く登山道はもちろん登山者に激坂の試練を課します。

ようやくたどり着いた小水の頭の先には万物岩の岩場が待ってます。こんな場所ではなぜかアドレナリンが体いっぱいにみなぎってくるのが不思議です。ファイト、一発!っていう感じ。

まだまだ急登は果てしなく続きます。足元が切れ落ちているところもたくさんあります。そんな場所は涼風が谷底から吹きあがって気持ち良かったりもしますが、とても生きた心地はしないので足早に通り過ぎます。

標高が上がるに従い遠くの山々が頭を出し始めていきます。昨日歩き出した野反湖も白砂山稜線や八間山もはっきりと姿を現し始めました。

細尾根からやがて樹林帯の中を歩くようになると白嵓の頭までもうひと頑張り。

さすが鳥甲山、大きな丸太の標柱もあまりの豪雪で横倒しになっていました。鳥甲山の看板類がほとんどどこも設置されていないのは、豪雪や崩壊など厳しい山であることを物語っていることに今更気付かされました。

白嵓の頭を過ぎてからも難所は続きます。気を引き締めて進みます。

特にカミソリの刃と呼ばれている細尾根は、わずか5~6歩の距離ですが両側が大きく切れているのでいつも冷や冷やものです。

カミソリの刃を過ぎればようやく山頂まで安心して歩けます。あとは頑張って急坂を登るだけです。いつの間にか谷底の涼風は濃いガスになって周りの山々の景色を奪い始めていました。

標高が上がり登山道脇やザレ場には秋を告げる花々がたくさん咲き始めていました。

そんな中にまだ夏の花が名残惜しく咲いていたりもします。

小さな花に癒されながらなんとか僕たちは鳥甲山に登頂出来ました。

お疲れさま、よくぞ頑張りました!午前10時12分山頂到着。20分ほど休憩して下山です。午後1時55分発のデマンドバスに間に合わせなければなりません。まだまだ試練は続きます。

赤嵓の頭も赤嵓の肩も標識がないので場所がはっきりしませんが、これも細尾根に加えて豪雪や登山道崩壊など環境が厳しいためなんでしょう。屋敷山鞍部の標識を見て納得です。

こちらも倒れていました。ここからさらに激坂の下りです。落石など起こせば大事故になってしまうので前に歩いている人がいたら注意が必要ですよ。

ブナの木の根曲がりの曲線美からも、豪雪を感じますね。ひたすら下って雪崩防御のための大堰堤までくれば、もうひと頑張りです。

午後1時15分屋敷登山口に無事下山。デマンドバスのバス停まで20分ほどの歩き。見玉まで300円。デマンドバスだから前日5時までに予約が必要です。見玉で路線バスに乗り換え津南まで。津南から越後湯沢行きの急行バスに乗って順調に帰宅できました。

越後湯沢の駅でお買い物。いつもと違う電車の旅も楽しいです・・・

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野反湖から秋山郷への山旅2020

左京横手の荒砥沢の道脇にまだこの古い道標が残っていました。六合山岳会と書いてあるのがかろうじて読めます。黒木の深い森につけられた左京横手の道は、大倉山を巻くようにしていくつかの沢を跨いでいきます。

野反湖から流れ出る千沢の深い渓谷から大滝の轟音が響いてくると、いよいよ大倉坂の九十九折れが始まる大倉峠です。ここで大休止をして、これから始まる渋沢ダムまでの長い下り坂に備えます。大倉坂は120曲がりとも呼ばれていたほど曲がり角が多くて、ある意味地形をうまく利用して勾配が小さいように道がつくられています。上州と越後との交易に使われた古い道で、牛も歩いたという記録がどこかに書かれてありました。

ブナの原生林の森は、秋が深まる頃のブナハリタケの甘い匂いで充満しています。今はまだ木々は青々としていて深緑の森ですが、僕には幾度かなんとなく甘い香りが漂ってきました。

大倉坂を下りきると朽ちた小屋がまだ残っていて、その先の渋沢にかかるつり橋を渡ると渋沢ダムです。ここまで野反湖からちょうど4時間くらいで、僕たちの歩くスピードは地図のコースタイムよりちょっと速いくらいでした。

ここにはダム関連の施設の他に登山者や釣り人のための避難小屋も設置されています。今日は土日なのに釣り人の気配もなく僕たち以外誰もいなくて静かな時が流れていました。

渋沢ダムからかつてはトロッコ軌道のためにつくられた東電水平歩道を歩きます。すぐに第一トンネルを抜けます。

昨秋の台風19号の被害はここにもありました。幸い通行できるように整備がされていたので難なく通過できました。

馬の背トンネルの山越え道を下るとトンネルから引いた冷たい水で顔を洗えば生き返ります。また元気に歩けそうです。

小黒部谷とも形容される深い渓谷の底から激流の轟音が時々聞こえてきました。そして谷が開けて月見立岩や大岩山、鳥甲山など秋山郷の山々が身近になります。

水平歩道の終点は突然現れました。朽ちかけた小さなベンチが並んでいて、ここで長く休みたくなりますが、虫がうるさくてさっさと降りることにしました。道は深い渓谷の底にかかるつり橋までのきつい坂道ですが、もうすぐゴールの切明の湯が待っていることを思うとまた力が湧いてきます。

切明温泉には三軒の宿がありますが、今夜は雄川閣へ。宿はリニューアルしていて、おしゃれな雰囲気が漂っていました。

僕たちは野反湖から切明温泉まで約7時間で歩いてきましたが、コースタイムはだいたい8時間前後が標準かなと思います・・・

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渋峠to野反湖@ぐんま県境稜線トレイル2020/8/20

横手山山頂2307mからの絶景。ここはリフトで誰でもが簡単に立てるぐんま県境稜線トレイルのピークの一つです。

北アルプスも今日はスッキリと惜しみなく稜線の姿を見せてくれていました。渋峠を午前5時52分歩き出して、静かな早朝の横手山山頂で絶景を一人楽しみます。

そして横手山頂からスキー場のコースを次のピークの鉢山目指して下っていきました。ガラン沢を挟んでいくつもの山並みの一番向こうに苗場山が見えました。

ゲレンデを下るに従いこれから目指す群馬県境稜線トレイルの山々が果てしなく続いていく展望が広がります。

ゲレンデの途中から登山道に入ります。赤石山までは笹刈りはしっかり行われているので心配ないです。鉢山7時20分頃休憩。その時近くでドスンドスンと響くような小さな物音。休憩後歩き出すと登山道に真新しい熊さんの落とし物があって目ん玉が飛び出ました。今の物音は熊さんだったのか・・・

ところで志賀高原エリアはほとんどの区間が背の高さ以上の根曲竹が繁茂していて、展望が楽しめるところが少ないので、こうして時々見られる小さな花には癒されます。

でも根曲竹の壁が切れて突然展望が開けるところもあります。目指す赤石山が見えました。

誰もいない赤石山に午前8時42分到着。大沼池を眼下に見下ろしながらゆっくり休憩できました。

横手山頂が見えます。下ってきたゲレンデコースもわかります。

岩菅山連峰と右奥に苗場山。

大高山の向こうに白砂山です。

赤石山を8時57分出発。仙人池にチョコっと立ち寄って先を急ぎます。ここから野反湖まではまだ笹刈り整備は入っていないので、どれくらいの藪に悩まされるのかが今回の調査の一番の目的です。

一か月前のモニタリングの時はまだ梅雨の真っただ中だったので、全身びしょ濡れ状態で不快な藪漕ぎでした。今回はこのところの晴天でドライなコンディションの藪漕ぎだったのがラッキー。精神的にはそれほど苦ではない藪漕ぎでした。 ただ笹薮ですからマダニとかいないとは限らないので、心配な方はマダニ対策もお忘れなく。

また台風19号による倒木の整備もまだなので、倒れた木を乗り越えたりくぐったりしながらの場所がいくつもあります。

湯の沢の頭を過ぎると、コケ庭園のような湿地があります。

そしてすぐその先に、先日8日間でぐんま県境稜線トレイルを踏破した方が泊まった湯の沢の頭のビバーク適地です。水場は近くにないですが、携帯電波は通じるの貴重な切り開きです。赤石山~野反湖間を歩く方は知っていてほしい情報です。

ビバーク適地の森を抜けると右に大きなガラン沢の谷の展望が広がります。そして行く手にダン沢の頭も見えてきます。

ダン沢の頭への登りはきついので、時々振り返ってはガラン谷を囲む山々の展望に癒されます。

横手山と草津白根山。

ガラン谷。

ダン沢の頭10時15分通過。

ここからも深い笹薮が登山道を覆い隠していました。目指す大高山と白砂山が小さく見えるのがささやかな希望の光です。

そしてオッタテの峰の手前にも倒木被害がありますが、ここは整備されて歩きやすくなっているので安心してください。

オッタテの峰を過ぎてオッタテ峠を10時49分通過。誰が見つけてくれたのか以前僕が貼っておいた山名表示がくっつけてありました。これでこの場所がオッタテ峠だと初めての登山者にも確認できるので安心です。

オッタテ峠からも笹薮は続きます。小高山への登りです。

小高山11時5分通過。そして小高山から五三郎小屋分岐への下りも深い笹薮です。

五三郎小屋の水場の確認にも行ってきました。水場までの登山道もかなり笹薮が伸びていたので、ここは初めての方はちょっとわかりにくくて迷いやすいかもです。水場は小さいですが冷たそうな湧水が流れていました。往復20分くらいかかりました。

五三郎小屋分岐から大高山までの登りも笹薮です。また標高差もあるので約30分の頑張りどころ。かなり上ったところで眼下に天狗平と枯れてしまった天狗池が見えました。天狗平にはもちろん登山道がないので、眺められる場所は限られています。この場所は一番の絶景ポイントです。大高山に正午頃到着。ここではじめてお二人の登山者に出逢いました。野反湖からの方と開善学校から鷹巣尾根を登ってこられた方とそれぞれ単独行の方々です。大高山でそれぞれのルートでちょうど同じ時刻に集結したようで面白い出逢いでした。大高山を12時10分出発。ここからはカモシカ平の下り以外はそれほど藪に悩まされることなく歩けました。

カモシカ平12時45分到着。カモシカ平で正一清水と呼ばれている水場の確認です。

水場までのルートも笹刈りされていました。ところが残念なことにこのところの晴天のせいか水が枯れていて水場まで行きつきませんでした。

往復20分かかりましたが、水が流れているところまでいくにはまだまだ涸れ沢を下っていく必要があります。またこの辺りにはたくさんのトリカブトの花が咲き乱れていました。花自体はとても綺麗なんですが、ちょっと気味悪いかもです。

カモシカ平から野反湖までは草刈り整備が綺麗に済んでいてとても歩きやすく進めました。三壁山13時30分通過。

眼下にゴールの野反湖を眺めながら午後14時5分とうちゃこ。

渋峠から野反湖までの群馬県境稜線トレイルは、獣臭さ&笹薮漕ぎのワイルド感と秘境ムード漂う上級者向けの区間です。

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