フィルムクラスト、マーブルクラスト、腐れ雪・・・

パウダーサーチ2017-4-11

4月11日だというのに午後2時現在パウダーサーチ12Hのランキングは、

全国第2位の積雪です。

実際は17㎝ではなくて湿雪なので降ったそばから締まって、

見た目10㎝弱の積雪です。

せっかく安定してきているザラメコンデョションがこれで吉と出るか凶と出るか。

でもホワイトシーズンがこれから始まるような季節感を錯覚してみるのも楽しいし、

こんな日はあえて外出しないで、ふだんゆっくりできない読書三昧ができました。

野反湖うらやまガイドIMG_3451

偶然三浦敬三さんの本の中で、マーブルクラストの記述を発見して、

今まで疑問だったことが晴れました。

野反湖うらやまガイドIMG_2756

以下、三浦敬三さんの著作からの引用です。

難しいのはクラスト(積雪の表層が固結すること)した雪質である。このクラストには2種類ある。風によってできるのがウインドクラストで、日照によってできるのがサンクラストである。この2種類のクラストが難しいのは風圧の強さと雪の量と質が関係するからであり、その変化が計り知れないところに一層難しさを伴う。ウインドクラストの場合、思い切り力を込めて回転しなければならない雪質と、力を入れ過ぎるとまわり過ぎる雪質、少しでもエッジを立てるとひっかかる雪質とがある。強風が極度に強く締めてスキーが上の層を破れないほど硬くて厚い雪質の場合、スキーは沈むことはなく安心して回転できる。これをマーブルクラストというが、そういう雪質の時と、これが一転して壊れやすくなり、しかもエッジが引っかかっても微動もしない雪質に変化することもある。サンクラストは暖かくなった春山に多い。気温が上がって暖かい昼頃、表面の雪が融け、その融けた表面が午後の気温の低下によって硬化して堅い雪の層となる場合、こういう雪質は回転を難しくする。それと同じような現象だが、夜中の寒さで底まで凍った場合、雪面全体が硬化するが、翌日日が当たると、硬化した斜面の表面が融けだす。その時風によっては雪の表面に薄く張られたような氷の膜ができる。これを私たちはフィルムクラストと称しているが、山スキー最高の雪質である。回転は楽で、思い通りのカーブを描くことができ、しかもコントロールは自由自在、山スキーの醍醐味を存分に味わうことができる雪質である。春スキーで困るのに腐れ雪というのがある。別に雪が腐るわけではないが、スキーが滑らなくなり前にのめるようになる雪質をいう。春に新雪が降ることもあるが、この新雪は降っている最中は滑るからいいのだが、この雪に日が当たると軟らかくなってスキーが滑らなくなり、どうしても前にのめる状態になってしまう。人が滑ったところは滑るけれども、そうでないところがこの状態になると、突然滑らなくなるので回転どころではなくなり始末に困る。だから春山で新雪が降ると、それが消えるまでスキーが楽しめないことになる。風が強い時に新雪が降った場合、尾根筋には新雪がつかないか、ついても薄い所は早く消えるが、風がなく、しかも厚く積もった場合には1週間も悪い状態が続く場合がある。「百歳、山スキーと山岳写真に生きる」三浦敬三著より

野反湖うらやまガイドIMG_7121

今週末の尾瀬至仏山MTB&スキーですが、腐れ雪になりませんように・・・

irasuto2

 

 

カテゴリー: エコツアー的, バックカントリースキー, , 野反湖うらやまガイド パーマリンク

コメントを残す