
一昨年の夏に調査して以来です。その時もひどい荒れ方でしたが、昨年10月の台風19号の被害でさらに荒廃しているかもです。そして滅多に歩く人がいないようなので、御覧の通り熊さんのやりたい放題な野生の楽園です。今回は途中で出始めたタケノコを食べたであろう真新しい糞が一つ落ちていましたよ

林道歩き1時間で馬止登山口の先の林道入り口にやっと辿り着きます。僕たちはMTBでアプローチしましたが、行きは40分くらい、帰りはその半分でした。この登山道はガラン沢遡行のための入渓ルートとして使われることが主でしょうが、そのほかに宗吉地蔵やピーコック碑、幻の秘湯ガラン沢温泉が目的の人もいるかもしれません。いずれにしろ歩く人は少ないので、いきなり歩き始めから迷いやすいです。とりあえず赤布をいくつか結んでおきました。

途中オオカメノキの花が見頃でした。まだ淡い新緑の中で清楚な純白の花が心地よい春風とともに僕たちを迎えてくれました。トウゴクミツバツツジやムラサキヤシオツツジはこれからいよいよ開花しようというタイミングでした。

そんな中でこんなかわいいピンクのボンボンを見つけました。ちょっと調べてみたらブナハアカゲタマフシという虫こぶのようです。前回は7月末の深緑の季節だったので、また違う季節に歩くと様々な発見があり楽しいですね。

林道入り口から2~30分でキノコ沢通過。この沢はガラン沢の酸性な水質と違ってイワナが泳いでいてもおかしくないような綺麗な流れです。ところでここから2か所登山道が崩落していて滑落注意な場所があります。一つ目は、キノコ沢を渡渉してすぐの場所。もう一つはさらに5~10分ほど歩いた先の小さな沢上地形の場所。それ以外の場所も、急傾斜の山腹をへつるように付けられた踏み跡薄い登山道は、厚い落ち葉で滑りやすくて危険でした。キノコ沢から2~30分ほどで宗吉地蔵通過。

古い看板の文字は雨風で褪せて全く読めませんでした。なので20年前に来た時の写真を探してみました。その時のものはまだよく読める状態ですね。

宗吉地蔵からいよいよガラン沢への急な下り道です。古いロープが残っている場所もありますが、気を付けて下りないと落石や滑落事故を起こしてしまします。

ガラン沢の対岸に熊倉尾根が現れました。右端はおそらく山と高原地図志賀高原の中に峨乱と書かれている1817mの小ピークです。その直下の台地上の地形の森の中に雨水の池があるはずです。

ガラン沢も見えてきました。雪代が入っているので勢いのある川音が渓谷に響いています。ちょうどお昼頃に到着。気候的に今が一番気持ちいいですね。河原でゆっくりランチタイムにしました。

20年前の秋、紅葉が真っ盛りな頃、大勢の仲間とガラン沢温泉へ行ったことを想い出します。その時は林道終点の発電用の取水ダムからガラン沢を遡行したので、もっと下流から歩いてきてこの場所を通過しました。この先にピーコック碑があります。

ガラン沢は昔から遭難が多くて魔の谷とも呼ばれ恐れられています。最近は少なくなりましたが、昭和時代は世間を賑わせた遭難が幾度もあったようです。

ガラン沢温泉へはピーコック碑付近で左岸から流れ込んでいる湯の沢へ入ります。通過が難しそうな滝には鎖が付けられていました。当時はだれが運んで整備したのか源泉から塩ビ管でポリの浴槽まで温泉を引いてあり、狭いけれど大人が2名が入浴できるようになっていました。

もちろん今は大雨や雪崩で流されて跡形もないでしょう。湯加減といい泉質といいなかなかのいい湯でした・・・
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