2月の大高山・赤石山登山口です。
ここから鷹巣尾根をシール登行します。
今日の夕方までにガラン沢を挟んだ向こう側の熊倉尾根を滑り降りて来れるでしょうか?
不安・・・
このドキドキ感が味わえる心の余裕があるかどうかで、
バックカントリーの醍醐味はまったく違ったものになります。
今回は夏道から大きく外れてミドノ沢経由でオッタテ峠の稜線に這い上がります。
途中、一ツ石からのデブリがありました。
ここの様子によってその年の雪の積もり方を知る一つの参考にしています。
これがローカルならではの持ち味です。
ところで、オッタテ峠とかオッタテ峰とか、これらは昔の天狗様信仰の名残です。
里人たちは山に天狗が棲むと信じ、
天狗様に様々なことを祈願することによって日々の生活が守られると信じていました。
稜線上にあるオッタテ峠からオッタテ峰を経て、
ダン沢の頭でようやく今日のガラン沢一周ルートの全貌が一望できます。
ダン沢の頭は雄高山とも呼ばれていたと確か六合村史に出ていました。
ダン沢は段沢と書きますが、段とは滝のことです。
さてダン沢の頭から稜線は急斜面なので、滑落注意です。
過去に、スキーヤーの滑落事故があり、ヘリ救助されています。
アイスバーンならツボ足(スキーを担いで)で下れば何の問題もないです。
赤石山までの稜線漫歩です。
ウロコテレマークならシールなしです。
シール歩きでも楽しい区間です。
二重山稜というのを聞いたことがあります。
雪倉岳の避難小屋がある尾根だったかな。
湯ノ沢の頭前後もそんな感じの尾根が続きます。
赤石山付近からの横手山はなかなかの存在感を醸し出しています。
リフトで簡単に頂上に行ける山ですが、
僕たちにとっては遠い山です。
彦兵衛尾根はいくつものアップダウンが続きます。
この調子だと時間的に横手山山頂は無理です。
一か八かで横手山を巻くことにしました。
たぶん今まで誰一人そんなことをやろうと考えたスキーヤーはいないでしょう。
ところが矢印の赤い標識があるのです。
やったーってだれでも喜んで近づいてみまよね。
ところが・・・
なんと、引き返してくださいと書いてあるのです。
つまり、ぼくたちは遭難しているのです。
嘘です。
ちゃんとこの辺の地形は知り尽くしてます。
魔の谷ガラン沢と呼ばれている由縁です。
志賀高原から迷い込んだスキーヤーは必ずこの辺にたどりつくのです。
夕暮れの熊倉尾根のハギワ平です。
ここからはゴールまで小一時間もかかりません。
もちろん何の問題もなく予定通り、1日でガラン沢を一周しました。
2月中旬とは思えないグッドコンデョションだったからこそ・・・ですが。