2025年は、熊による人身被害が未曾有の年となりました。登山者だけでなく、地域で暮らす人々にとっても、熊の存在が生活を脅かす身近な問題となった一年です。26年前の1999年に自分が記録した熊についての文章を読み返してみると、そんなこともあったなと思い出されて興味深いです・・・

吾妻新聞社昭和53年発行の「ガラン谷史話」に熊と戦った男の話がある。いくら猟師さんといえども、頭をかまれて耳たぶがちぎれそうになっても、熊をしとめてしまうのだ。本当の話である。凄すぎる!
ところで山歩きを一人ですると、熊に逢ったり熊の気配を感じたり、熊の痕跡を見つけたりすることが多い。まだ湯気が出てるような大きな熊の糞や先ほど横切ったような新しい足跡に出会うくらいならよい方である。私の前を突然横切って行った熊がいた。尾瀬の平ヶ岳へ山スキーに一人で出かけたときの話だ。尾瀬ヶ原からススヶ峰の稜線に出る尾根の途中かな。突然の出来事で、パソコンではないけどフリーズ状態になってしまった。しかしこんなことで撤退するようでは、やっぱり情けないではないか。その時の私は、山男としての威厳をかけて、最大限の勇気を振り絞って前進した。平ヶ岳のピークからの滑降は、とても楽しかったけれど、神様は帰りにもう一度試練を与えた。またもや熊に会わせてくれたのだ。朝がたの熊さんと同じかどうかわからないが、何となく朝の熊のような気がした。強い気配を感じてそちらの方向に顔を向けると、私と熊は2,30メートルの距離だった!数秒後、私の目と熊さんの目があった瞬間、奴はゴムまりのように斜面をかけ下っていった。私も一目散に反対方向へ逃げた。スキーを履いたまま走る様子は、きっと滑稽だったに違いない。その後大白沢山でキャンプを張ったという人と出会い熊の話をしたら、夜中に熊がテントのそばまで遊びに来たとうれしそう語ってくれる。それきり私は平ヶ岳には行ってない。(注:実は行った。2025年12月現在)

春、穴から出たばかりの熊に唸られた話はどっかに書いたが、まだまだ熊に出会ったり見かけたことはいろいろある。湖を泳ぐ熊をカヌーから見つけたことがある。深夜、奥利根方面にドライブしていて、民家が切れた辺りで子連れの熊に出会い、運転席から至近距離で対面したこともある。雪倉岳に山スキーに出かけたとき、向こうの山の斜面を逃げる熊をビデオに撮ったこともある。大勢の仲間と一緒で、私が発見者だったので、得意になってみんなに教えた。そういえば北海道の知床で、シーカヤックからヒグマを観察したりビデオ撮影したこともある。ヒグマはさすがに本州の熊とは比べられないくらいの貫禄がある。いくら熊と戦った男でもヒグマにはかなわないだろう。

2回遭遇した。もう一度は、親子連れだった。
なんだかんだ言っても、熊が住んでいる日本の山は、素晴らしい。熊が住めるような山をこれ以上破壊しないでね。
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