2018年1月23日午前10時頃、草津・本白根山は突然の噴火を起こしました。この記録は、2018年よりもずっと前の、まだシズカスキー場が営業していた頃の当時の本白根山の様子がわかってとても興味深いです・・・

本白根~シズカスキー場 2001年1月
昔の山スキーのガイドにこんな文章がある。 「白根山は小白根と本白根の二峰に分かれ、振り子沢を登ると、その鞍部に出るのである。小白根は絶えず噴煙を上げている派手な活火山で、登山者が多いが、その隣の本白根は、その昔噴火した火口を冷たく雪に被われて静まり返っている白衣の死火山で、地味な山だから登山者は至って少ない。草津から白根へ登るには、芳ヶ平から夏道を登るのが最も普通で、最も安全であるが、この振り子沢をつめるコースも、悪場はなく、比較的安全である。」
この文章が書かれた当時は、草津志賀道路も殺生からのロープーウエイもなく、スキーはリフトやロープーウエイに頼って滑るスポーツではなく、人力で登っては滑るのが当たり前であり、草津白根山は山スキーのメッカだったことが伺い知れる。

本白根は白衣の死火山だなんて言ってるけど、その表現がすべてを言い表してるとは思わない。山頂の西側は針葉樹の林に被われた実にメルヘンチックな所なのである。夏場は遊歩道があるし、百名山でもあることから、結構ハイカーで賑わっているに違いないが、積雪期はひっそりとあった。このことは昔と変わっていないかもしれない・・・

のんびり小春日和の1日、本白根山頂付近で過ごすことも楽しいだろうな。そんな本白根の自然の素晴らしさに後ろ髪を引かれながら、山麓のシズカスキー場に向けてスキーで滑ることにした。一昨日の湿った雪のせいで、上部の沢筋でどうにか粉雪の滑降が楽しめたが、なかなか手強かった。今日のクラストした雪質は、山足を前に出して、押しつけるように体重を掛けながら強引にターンすれば何とかなることが、何回かの転倒の試みから体得した。これはきちんと整備して圧雪されたバーンをいくら上手に滑っても得られない快感である。

シズカスキー場は今年閉鎖されていた。誰もいないかと思ったら、一人雪掻きをしているおじさんがいた。話しかけると、今年は休業したが、来年は営業を再開するということだった。デポしてあった車に戻り、帰り支度をしていると、営業のワゴンがやってきて、運転手が怪訝な顔で聞いてきた。「スキー場やってないんですか?」私は、「スキー場の関係者らしい人がいましたよ。」と教えてあげたら、「やってないならいいです。」と言って引き返していった。
20世紀、原始の山に人の手が加わっていろいろなものができたが、今その行きすぎの反動がきているのかもしれない。シズカスキー場の、人のいない建物と動かないリフトが、なんとなくバブル崩壊の行く末の哀愁を感じた。

ところで、2018年1月の本白根噴火は、火山学者も予想することが難しい水蒸気噴火による災害でした。さらに本白根山の火山観測体制も未整備だったようです。現在本白根山は、白根山とは別の火山として噴火警戒レベルが設定され、火山観測体制が整備されているようです。ということは、噴火警戒レベルが1でも、火口から半径500m以内は立ち入り禁止ということです。
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