野反湖~三壁山~白砂山
2007年2月24日~25日

山岳会の冬山合宿の想い出です。1日目は、霧に巻かれてホワイトアウトの野反湖を横断しました。GPSが頼りの綱。まずはベースキャンプ地を目指しました。突然霧が晴れて、湖面を取り囲む山々が白一色の世界から浮き出た時は、気分が一気に上がりました。

1日目は三壁山を滑りました。その年は少雪でブッシュが煩わしいところもあったけれど、2月のパウダーの浮遊感は十分に楽しむことが出来ました。

翌日は大快晴でバックカントリー日和。二つの班に分かれて、私たちは白砂山を目指します。長丁場だけれど、うろこテレマークの機動力が発揮できれば山頂から滑ることができるだろうという計画です。

茅の尾根からハンノ木沢に滑り降り、タカンボウ尾根をシール登行。高度を上げると背後に野反湖とエビ山が見え始め、エビ山へ向かった仲間と無線交信。彼らのトレースがはっきり見え、ひとかたまりになって休んでいる人影もかすかにわかります。

予定時刻の10時半、約2時間で白砂山が目前に眺められる堂岩山と八間山を結ぶ稜線に出ました。昨年の3月よりもずっと積雪が少なくて、新雪の下にはクラスト面があって雪崩れやすい条件です。慎重にルートを決めなければなりません。

昨年の冬山訓練では白砂直下の雪壁を直登して効率的なルートで山頂に立ちましたが、今年は猟師の沢の頭直下から金沢レリーフ付近までの間で一ヵ所ルンゼ状の沢をトラバースするところが雪崩れそうで、横断は危険と判断。

登山道がある尾根を忠実に辿るルートに切り替えます。シール登行からブーツアイゼンに履き替え、午後12時49分山頂に立ちました。

無風快晴。360度の大パノラマが広がっていました。北アルプスまでが綺麗に眺められ、横手山の右ギリギリに槍ヶ岳がはっきり見えたのは、新しい発見でした。

たくさんの山々の眺めを楽しませてもらい、ゆっくりと過ごしました。そして、いよいよ滑降となると、緊張してきます。気を引き締めて、猟師ノ沢源頭斜面の様子を窺います。

それでもみんな歓声を上げて白砂山直下の大斜面に飛び込んでいきました。

午後をとっくに過ぎた時間だったので、高度を下げるにしたがい雪はどんどん腐り始めていました。

漏斗状に吸い込まれていく斜面の滑降を見極め、早々にトラバースして下山ルートを探します。登りで雪崩の危険を感じた沢も難なく通過でき、ウロコテレマークの機動力が発揮できました。午後3時半、タカンボウ尾根へと下る稜線に戻ることができました。

ハンノ木沢へ滑降し、シール登行で茅の尾根に這い上がります。一度緩んだ雪面が、日が陰り急激に氷化していたので、野反湖畔からはスキーが予想以上に走り、午後6時に下山。富士見峠でアーベントロート色っぽく輝く野反湖の景色にしばし見とれてしまいました。
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