FM群馬中之条つむじ風ラジオの第39回放送日記から


冬の野反湖で遊ぶ、というとみなさんはどう思いますか?
雪もたくさん降るし、自動車で行けるの?と考えますよね。
でもガイドさんと一緒なら、安全に冬の山を楽しむことができるんです。
今回はおもに六合エリアで活動する
「山雨海風 野反湖うらやまガイド」の木村正臣さんに
冬山の魅力についてうかがってみました。
木村さんは野反湖とその周辺の山々、またチャツボミゴケ公園や
芳ケ平湿原などで一年を通して大自然の中で楽しむためのうらやま、
つまりバックカントリーのガイドを行なっています。

今はスノーシーズン。冬のアウトドアというとスキー場か
スケートリンクくらい?とたずねる私に木村さんは、
「そんなことはないんですよ。スキー場がなくてもテレマークスキーや
スノーシューといった道具を使えばどんなところへも
出かけることができます。」ときっぱり一言。
スノーシューとは日本で言う『かんじき』のことですが、かんじきより
浮力があるので、ふかふかの新雪でも沈まずに歩いていくことができ
気持ちいいとのこと。
夏には道が無く入ることのできない山にも、雪が降ることで
障害物がなくなり平らになるので登ることが可能になります。
またテレマークスキーなどを使えば上りは歩いて、そして下りは
歩きの何倍の速さで滑って移動することができます。夏よりも
長い距離を遊べるのが冬の特徴の1つです。


木村さんのお気に入りの1つに野反湖周辺のスキーツアーがあります。
夏は自動車で行ける野反湖も、今年は11月29日に
和光原ゲートが冬期間道路閉鎖によって閉じられ
ゲートからおよそ8キロはひたすら歩くしかありません。
しかしたどり着いた先には湖面が全面結氷し、
雪の積もった野反湖が待つ白銀の世界です。
さらに今は使用されていないマサイチ小屋に1泊するツアーなども
行っています。
冬の山は、私たちの想像を超える美しさだといいます。
風雪紋であるシュカブラ、そして樹氷の一種であるかわいい
エビのしっぽ、さらにモンスターと言われる蔵王にあるような
大きな樹氷も見ることができます。
木村さんは、冬山が初めての人はもちろん、雪山の経験のある人でも
ガイドのもとで行くのがベストだとおっしゃっていました。
確かに安心感が違います。

元々は学校の先生をしていた木村さんが六合の小学校に赴任したのは
今から22、3年前のこと。それから六合の大自然に魅せられ、
転勤してからもスキーやマウンテンバイクを趣味として楽しんできました。
3年ほど前に先生を辞め、去年から本格的にツアーガイドとして
1年を通して案内をしています。
グリーンシーズンはトレッキングやマウンテンバイク、沢登りや
シーカヤックの体験などが用意されています。
特に人気なのは、昔の村人たちが歩いた現在使われていない古道を
マウンテンバイクで走るツアー。
「今は誰も歩かないので、すでに消えかかっている道も多いんです。
そんなところを発掘しながらたくさんコースを作っています」
今まではあまり冬に観光客が訪れなかった中之条・六合エリアにも
バックカントリーでの冬の楽しみ方があることを広めていきたいと
おっしゃる木村さん。
たくさんの写真を見せていただき、こんな素敵な景色を私も
自分の目で見てみたいと思いました。

1月には野反湖周辺やその奥の大高山(おおたかやま)への
スキーツアー、そして長野との県境にある渋峠などへの
スキーツアーも用意されています。
『東京から一番近い大自然』でリフトやロープウエイに頼らない山遊び、
みなさんも木村さんのガイドとともに楽しんでみてください。

【野反湖うらやまガイドのお問い合わせ】
TEL:080-1002-9752
Email:nozori@yamaame.com
http://yamaame.com/