
今日は下北と青森を結んでいる高速船と、平舘海峡をはさんだ下北と津軽を結んでいるフェリーで、蟹田に置いてある車の回収をする。朝早い高速船に乗り遅れないように、宿の方が6時過ぎにはまたもや豪華な朝食を準備してくださる。佐井を出航した高速船は、この福浦と牛滝の小さな港に立ち寄るのだが、お客の連絡がなければ素通りしてしまうらしい。古く小さな切符売り場に行ってみると、
誰もいなかった。でも宿の方が連絡を入れてくれているので、やがてバイクに乗ったおじいさんがやってきた。無愛想かと思ったらだんだんと愛嬌たっぷりなおじいさんだった。たまにはカヤックを下りて、ローカルな船やバス、鉄道の旅も楽しいなぁなんて気分にさせてくれた。

昨日1日かけて漕いできたところを、1時間弱で戻る。迫力の海岸線の景色は、
高速船の航路がかなり沖合なのとガラス越しなので、やっぱりカヤックからの景色と比べれば、迫ってくるものがない。ほとんどの観光客は大した魅力もなく通り過ぎてしまうのかもしれない。私たちは昨日の航跡を辿ろうと、ガラス越しに食い入るように外を眺めていたけれど・・・

平舘海峡を横断するフェリーは、車やバイク、観光バスでかなり賑わっていた。
その理由をこの後思い知らされる。ぐるっと陸奥湾に沿うようにドライブしてカヤックのある福浦へ戻っても、大したことないだろう判断してしまった。ところがどっこい、遠かった。大した寄り道もしていないのに、大間に着いたのは夕方近い時刻。おかげでお祭りの目玉でもあるマグロの解体ショーには間に合わなかった!悔しい。

今晩は自分で魚を釣って食べることにした。福浦に戻り、港でテトラポットの穴釣り。すぐにメバルとクロソイをゲット。夕食はメバルとクロソイ入りのラーメンだ。

お世話に福浦の港は、北前船が立ち寄った古い歴史がある。漁村歌舞伎が今も伝承されていて珍しいらしい。翌朝、そんな福浦の港を大間に向けて出航。まだまだダイナミックな断崖絶壁の海が佐井まで続く。天気は下り坂の気配。まだ晴れ間はあるが、強い風が出てきた。どうも海旅は今日と明日午前中までだろう。

港から大海原に漕ぎ出ると、山の端から朝陽が射してきた。なぜだか全身に力がみなぎってくる。早起きして良かったと感じる瞬間だ。潮の流れは複雑で味方にも敵にもなるが、今は時速7kmで進んでいて順風満帆。ゴロタ石が4km近く続く長浜を右に眺めながら快調に漕ぐ。まだまだ続く下北の海旅。

津軽~下北海旅2007 プロローグ
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