粟島シーカヤック2001

2001年 8月 山北町府屋~粟島一周

ルーフにダブルのシーカヤックを積んで、家内と二人、とりあえず深夜の関越を走り、夜明けの七号線を北上した。津軽半島の七里ヶ浜から小泊を経て竜飛岬をかわして今別まで行ってみようという計画だったが、山北町の府屋海岸を通り過ぎるときに、穏やかな日本海の沖に浮かぶ粟島を見て、心変わりをしてしまった。粟島へ渡ってみたらおもしろそうだ。何キロあるか知らなかったが、そんなに遠くではないだろう。

粟島へ最短距離で渡るには、今川というところかららしい。府屋からは何キロくらいあるのだろう。地図がないので知る由もなかったが、30キロ以内かなと見当をつけた。今日の天候なら平均時速5~6キロだとして、5~6時間で行けるはずだ。西表の海と比べれば少し濁っていたが、それでも十分すぎるほど透き通っている。穏やかな海面を滑るように、ダブルの白いカヤックが進む。ファルトは波に対して柔軟性があり、なんとなく安定感があるが、船足はFRPのリジットに比べると鈍い。リジットは、海のエネルギーを繊細に感じることができる。体力がみなぎっている最初の2時間は、小さな波頭をやわらかく乗り越えていく感じで大海原を気持ちよく漕ぎ進んだ。 

単調なパドリングだけど、時々心をときめかすことがある。ウミネコかカモメ(どっちかわかんない)が、低空飛行で獲物を探しながら飛び回っている。本当に海面すれすれに気持ちよく飛ぶもんだ。漁港での残飯アサリをしている時の情けなさは微塵もない。精悍で威厳に満ちた顔つきをしているではないか。浮いてるのか泳いでいるのかわからないけれど、プカプカしている2匹のカニにも出会った。泳ぎ方がユーモラスで、笑いを誘う。これがホントのワタリガニか?突然、前部シートからが悲鳴が上がった!前方から大きな魚がジャンプを繰り返してこちらに向かってくるのがわかった。とっさに進路を左によける。数メートル手前で、大きな魚は海に潜ってしまった。何だったのだろう。7~80センチはあろうかというくらいの大きな魚だった。大海原のど真ん中では何が起こるかわからないという不安が、頭によぎる。2時間を過ぎると、粟島が近くに感じた。5分ほど休憩をして、コンビニのサンドイッチとおにぎりを食べる。さすがに穏やかな海も、少しうねりが出てきた。カヤックが島に向かって右から左へと漂いはじめる。これは潮流のせいか、それとも風の影響で流されるのか。いずれにしろカヤックで進むにはまったく問題ない。 

30キロ近い距離の島渡りだと、地球は丸いんだということが実感できる。海面から1m以内の視線は、見えない島の部分が少しずつ明らかになっていく様子が実感できた。山しか見えなかった粟島に、ようやく家並みらしきものが確認できたとき、さらに1時間経っていた。この時はまだ余力十分だと思っていたが、ここからが遠かった。漕いでも漕いでもまだまだなのだ。あと30分位で着くだろうなんて、甘くみたのがいけなかった。急に肘やら首の付け根やら腰が痛くなってきた。おまけに船酔いか気持ち悪い。午後12時30分、粟島の港に辿り着いた。漕行時間は4時間30分だった。翌日はのんびり島を一周。翌々日はフェリーで戻った。


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