7月21日 曇り時々霧雨 山口県下関市二見R191~JR下関駅R9~関門国道トンネル~R3福岡県JR門司港駅R199~洞海湾若戸渡船~二島r26~芦屋R495~福岡県宗像市道の駅むなかた全走行距離96km 台風通過の余波で、山陰地方はパッとしない天気。台風の影響をあまり受けなかった替わりに、台風一過の青空はおあずけ。ロードバイクのスリックタイヤでは、濡れた路面は危険なので、マウンテンバイクで走ることにする。レトロな山陰の景色も、下関市街に近付くにつれどんどん都会化していく。山陰本線の1両編成のディーゼルカーも気が付いたら2両編成の電車になって、通勤通学の人でいっぱいだ。ところで、当初は本州の端っこ下関をゴールにしようと思っていたけど、意外とあっけなく終わってしまいそうなので、いつしかもっと先の九州長崎に心変わりしていた。JR下関駅の東口でサポートカーの家内と合流、駅の観光案内所に行って地図をもらったり九州への行き方を聞いたりする。下関から九州へ行くには、車と自転車は別々のルートになる。高速道路の関門橋はもちろん関門国道トンネルも自動車専用道路なのである。徒歩と自転車と原付バイクは、関門国道トンネルの真下を通っている歩道を通行しなければならない。その入り口は関門橋の真下にそれぞれあって、自動車の入り口とはまったく違う場所にあるので、運転に不慣れな家内が道に迷わないよう念入りに打ち合わせをした。 九州へは中学の修学旅行で行ったことがあるけど、その時は新幹線であっという間に関門トンネルを通過しただけなので、今回初めて関門海峡を見た。さすがに狭い海峡は潮の流れが速く、おまけに大小様々な船舶がひっきりなしにすれ違っていく。こんなところカヤック通過するのはドキドキものだろうな。下関側国道トンネル入り口付近には、長州藩が欧米相手に戦争を仕掛けた砲台が展示してあり、激動の時代の名残を感じることが出来る。通行料金は徒歩だと無料。自転車原付バイクは20円。エレベーターで地下約50mへ。県境付近は海面下58mだそう。ちょっとハイテンション気味だったかな?エレベーターを下りるなり自転車に乗ってトンネル内を走り始めたら、即自転車から降りて歩いてくださいと放送されてしまった。スイマセン。注意書きの案内板をまったく見ていませんでした。 門司港フェリーターミナルでサポーターの家内と無事合流。近くの駐車場の木陰でお昼休憩した後、マウンテンバイクからロードバイクに乗り換える。そして、いよいよ九州の道をGO WEST。交通量の多い国道3号線をなるべく避けて、国道199号線を進んでいくと洞海湾を跨ぐ若戸大橋に出た。ところが自動車専用道路だった。他に洞海湾を渡る橋は無し。ちょっと戸惑ったが、かつて大阪の運河をカヤックで漕いだ時に、そういった場所には渡船が公共交通機関として利用されていることを思い出した。信号待ちのおじさんにダメもとで渡船のことを尋ねたら、なんとこの先に乗り場があるよと教えてくれる。一件落着、というより奇想天外な結果になり、自転車旅が面白くなった。人だけなら100円、自転車料金は別に50円で合計150円也。わずかな距離だけど、新たに橋を架けるのは建設費が莫大に違いないが、たとえそうであっても、昔ながらの渡船が残っているというのはなんかいい感じ。九州の大都市でもレトロな香りを嗅ぐことが出来た。 渡船の乗車マナーは、高校生のお手本に習う。乗らずにちゃんと押してました。渡船から下りて、ペダルをガンガン漕いで進むも、本日前半部分はマウンテンバイクだったので距離は伸びず。道の駅むなかたでフィニッシュ。お風呂は、ふれあいの館がすぐ近くに。 7月22日 曇り後晴れ 福岡県宗像市R495~R3福岡市R202~佐賀県唐津市~伊万里市~佐世保市~西海市r43~R202長崎市全走行距離212km 今日は九州の中心都市福岡市を通過しなければならないので、朝の早いうちがいいと思い夜明けと共に漕ぎ出す。しかし、博多駅近くの都心部ではちょうど朝の通勤ラッシュ時と重なってしまった。何が危険かというとバス。車道は歩行者や自転車通勤の人でごっちゃごっちゃなので車道を走らざるおえないのだけど、3車線の一番左側はバス優先レーンで、とにかくバスが多いのだ。間が悪いと、停留所ごとにバスの乗降で待たされ、はたまたバスの中途半端なスピードは、後ろからプレッシャーをかけられたり抜かされたり・・・自分のペースで走ることが出来るようになったのは、福岡市の郊外をさらに抜けて、国道202号線が唐津湾沿いを走るようになってから。サーファー達の車でほとんど埋まっていた二丈パーキングまで、ずっと朝食はお預けで走ってきた。 曇り空だったけど、ようやく晴れだしてくると、また台風前のあの夏のギラギラ太陽が照りつけるようになってきた。今までわりと涼しくて良かったものの、やっぱり天気がいい方が自転車旅にとってはいい。 焼き物で有名な町をガンガン漕いで、7月22日午後1時7分、とうとう長崎県に突入。しかし、長崎市はまだまだ。最短距離で行きたいところだけど、やっぱり海の景色を楽しみながら走りたいので、長崎半島は道の駅がある県道35号線で外海側に出て、国道202号線を進路にとることにした。 長崎県は、山と海と島の自然に恵まれ、不便なことを差し引いてもなんだかのんびりした時間が流れていて、富山県の時に感じた人が住みやすいところだと感じる。途中暑さにバテバテ、紺碧の海に飛び込みたい衝動に駆られたけど、日暮れまでに長崎市にゴールするにはとにかく休んでる時間がなかった。いよいよ長崎市街に入るところで、ルートが何がなんだかわからず迷って長い長いトンネルを抜け出た時の感動。夕方のラッシュアワーの中、人や車やチンチン電車の雑踏を掻き分け掻き分け、大浦天主堂近くの駐車場にゴールした。 島根県境港市から662km。群馬からは1862km。走行日数は14日間だから、1日平均走行距離は133km。とりあえず、今回の自転車旅はここまで。次はもうちょっと涼しくなってから、ここ長崎市から再開である。