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偵察シークレットkuniうらやま2024-1-9

3連休明けの平日がこれ以上ないバックカントリー日和。偵察なのがちょっと残念です。でも今日は降ったばかりで雪が締まってなかったので今週半ばくらいがグッドコンデョションかもです。 積もった雪は、風や日射、気温などで毎日変化していきます。偵察に来るたびに雪質の変化を感じ、バックカントリーツアーのための様々な情報を収集します。 一本滑って登り返してもう一本、さらに登り返してもう一本。気になる斜面をつないでいきます。純白に雪化粧した白砂山が眺められました。 4本目を滑って登り返したところでビンディングトラブル。もう一本滑っておきたい斜面があったのですが、ここで下山することにしました。 ガイド中でなかったのが不幸中の幸いでした。帰りの滑降は左足のビンディングは歩行モードでした。 今年新しくしたNTNテレマークスキーのビンディングはわからないことばかりなので、とにかく早めにトラブルがあってよかったです。

能登を想う

能登半島・珠洲~輪島 2002,7/20~21 「あんとき、トビウオが1200も網に入ったけど、漁協に電話したら1匹いくらだと思う?」って、聞かれる。まさか海の仕事で命張ってるわけだから、1匹50円なんて答えるのは馬鹿にしてるみたいで失礼かなと思い、返答に窮する。がっしりした体つきからたぶん若い頃は海女だったにちがいない宿の手伝いのおばあさんは、「たった3円だよ!船の油代にもならんよ。」と声を荒げた。たしかに1匹3円じゃあ危険と裏腹の漁師さんの仕事は大変だなあと思う。でもいいときもまれにある。おばあさんは、こんなブリがなあと手をいっぱいに広げて、「ブリが何トンも網に入ったときはすごかったよ。」とうれしそうに話してくれる。「あん時は朝から夜の10時まで水揚げするのに大変だった。いくら稼いだと思う。1000万だよ。1日でなあ。」おばあさんとの海の話はつきなかった。 宿の夕食に出てきた刺身の中にハチメという魚があった。白身の魚で程良く脂がのっていてうまい。どこかで食ったことのある食感。今までもハチメという名前だけは知っていた。どんな魚かって聞いても、よくわからなかった。しかし今回やっと合点のいく答えに巡り会った。ハチメというのはメバルのことだった。 今回能登半島の先っちょよりちょっと富山湾側の小泊という漁港から、輪島まで漕破した。小泊から出発してすぐに、京都から来たカヤッカー2人組に陸から声をかけられる。輪島から漕破してきたらしい。なかなか元気な人たちで、以前能登から佐渡まで横断したりいろいろ冒険してるらしい。またどこかで再会できるといいなあ。昼になると風が強くなり、やや時化気味。にもかかわらず、能登の海女さんたちは漁に出ていた。港の網繕いの老漁師に、「結構風が強いぞ、無理せん方がええ。」と言われたけど、これで海に出なければシーカヤッカーの名がすたる。風に逆らい波しぶきを浴びながら、快調にパドリング。夏は海と一体になれることを実感。出航して良かった。海女さん達に「頑張って!」て励まされる。沖ですれ違った漁師が冷たい缶ジュースを差し入れてくれる。能登の海は、人情も細やかで最高! 能登・輪島~富来 2002,7/29~30 輪島と富来までの海岸線、特に猿山崎周辺はすばらしい。群馬のシーカヤッカーにとっての身近なゲレンデとしては、佐渡の外海府や粟島に匹敵すると思う。それでもアプローチに片道6時間かかってしまうが・・・。輪島から門前町の黒島までは、逆コースで昨年の秋に漕破済みだ。大沢の港の親切にしてくれたおばちゃん、元気かな。  うだるような暑さの輪島の港で、汗をだらだら流しながらへとへとになって出航準備。午後3時をそろそろまわるのに強烈な日差しはちっとも弱まらないけど、いったん海に出てしまえばこっちのもんさ。海風が涼しくて気持ちいい。今日の目的地までは大した距離でもないので、のんびり釣りをしながら進むことにしよう。これもシーカヤッキングの醍醐味だ。 すると運よくジグにつけたワームに大きな魚が喰らいつき、なかなかいいひきで久しぶりに楽しんだ。どうやらスズキかな。もちろんキャッチアンドストマックだ。上陸したキャンプ地の上大沢の港で、漁師さんから「セイゴか。ひっついてきたんか?」と声をかけられる。こちら45㎝のスズキだと今日の獲物に内心得意満面だったのに、漁師さんからのセイゴという言葉にちょっとショック!スズキはブリと同じで出世魚だから、45㎝くらいではまだセイゴなのか。知らなかった。漁師さんにセイゴと言われちょっと意気消沈したけど、それでも、シーヤッカー1人分の夕食にとっては食べきれない大きさ。  ところで、大沢の港はシーカヤッカーのためにあるようなキャンプ地だ。スロープのすぐ脇が小さなキャンプ場で、ちゃんと水洗トイレはもちろん自炊用の施設も整っている。セイゴをさばくのもとても便利だった。(注意;2002年7月当時の様子) パプリカとパセリとアンチョビのオリーブオイルをもってきたのは賢明だった。欲を言えば白ワインがほしかったなあ。さらにバターとニンニクも・・・スズキは白身の淡泊の魚だけど、適度に脂ものっていてデリシャスだった。冷えたビールはもちろん準備してきたので、とても豪勢な夕食になった。能登の漁師の皆さんはシーカヤッカーにとても親切だった。わざわざ近付いてきて、どこまで行くのか聞いたあと、「大変なら引っ張ってやろうか」なんて声をかけてもらったり、ウニ採りの最中なのに話をしてくれて「がんばれ」と励まされたり、何回来ても感じがいい。いい関係をつくっていきたいなあと思う。シーカヤッカーにとって出来ることは、海を汚さないことと、能登の人と自然のすばらしさを宣伝することくらいかな。そういえば門前町は総持寺がある町で、バスの運ちゃんの話では利家とまつブームでちょっとしたにぎわいだそうだ。おかサーファーならぬおかカヤッカーになって、利家とまつの縁の場所を訪ねてみるのも楽しそうだ。 夕飯後は何もすることがなく、ラジオのニュースを聞きながらいつの間にか寝てしまった。翌朝4時頃、漁船が次々と港を出ていく音に目覚めて起き出す。刺し網を揚げに行くのだろう。のんびりと朝の時間を過ごす。我がキャンプ地には野の花が咲いていた。そういえば荒々しい断崖にカンゾウのオレンジの花が点々とあった。コーヒーの次に朝飯の準備。昨日のスズキはまだ半分残っているので、貴重なたんぱく源の食材だ。  7時に上大沢のキャンプ地を出航。昨日の感触がよみがえり、早々に竿を出す。皆月湾を越えて猿山崎を過ぎるまでずっと粘ったが、2匹目のドジョウはいなかった。それにしてもこのあたりが今回のハイライトだ。ほとんど廃道化した遊歩道がますます人跡未踏の雰囲気を醸しだし、すばらしい。上陸できるような場所はほとんどないがいくつかビーチがあるので、そんな場所でキャンプもいいな。猿山崎を越えると断崖を落ちる小さな滝がいくつか。その一つは途中からシャワーのようにはじけていて、そこは小さな野鳥の楽園になっているようだ。カヤックで近づくと小鳥たちの激しいさえずりが、上陸をためらわせた。自然のシャワーを浴びてみたかったけど、小鳥たちのためにもちろん断念した。 11時前に猿山崎を越えて門前町の黒島に上陸。ここは北前船の角海家という船主が栄えた港らしい。北前船資料館があり、入場料300円。さらに足を伸ばして赤神の港へ。午前の部を終了。昼間は暑すぎて熱中症になるので、ここにカヤックをデポしてバスで輪島へ戻り車の回収をすることに。ついでなので回収してさらに赤神から先のゴール地である富来まで車をもっていき、バスで赤神に戻る。そうすればゴール後車の回収はしないですむから楽だ。ところが、富来から戻り赤神からのツアーを再開したのは、もうまもなく午後5時になろうという時間になってしまった。サンセットクルージングは計画していたけど、ナイトクルージングはアクシデントだ。出来れば避けたいなあ。でも、覚悟しなければならないだろう。赤神から、泣き砂の浜も関野鼻もヤセの断崖も、ちょっともったいないけどハイペースで素通り。玄徳岬から海士崎までの海岸線も、素朴でなかなか捨てがたい味がある。  海士崎を過ぎ、千浦の手前で日没。何隻ものイカ釣り船が、けたたましいエンジン音を夕闇に響かせて、富来の港から沖に出ていく。暗闇の中、漁船にぶつけられたくないのでストロボライトを使ったが、大変役に立った。やがて完全に暗闇の海を、さびしいネオンが目印の富来のビーチに向けて進む。ドキドキは漁船の接近以外なかったので、ちょっと残念。午後8時、無事ゴールした。

2011 バイク&カヤックRISHIRI中編函館~宗谷岬

9月2日 雨 函館観光 朝9時、北海道上陸。小雨がぱらついていて、北海道にもいよいよ台風の影響がでてきた。午前中はどうも自転車に乗る気になれず、函館の朝市を覗いてみたりする。、お昼は今回の旅で初めての外食。500円のワンコイン丼。280円の牛丼となかなかのいい勝負である。午後はさらに雨脚が強くなり、結局1日休養日となる。温泉は戸井ウオーターパークふれいあい遊湯館。道の駅なとわ・えさんにて車中泊。 9月3日 雨 函館市土方・啄木記念館R278~R5~R338大沼公園駅~R5八雲 走行距離 76.9km 北海道にはまだ台風12号の影響は小さく、朝起きると雨も上がり何とか走れそう。函館市街に戻りいよいよ北海道を宗谷岬に向けてペダルを漕ぐ。日本海に沿って国道228号線を走りたいところだったけど、安全そうな札幌あたりで台風をやり過ごしたいと考え、最短の国道5号線を走ることにした。土曜日の朝だからだろうか、車通りも少なく快適である。 大沼トンネルを抜けたところで道道338号線を走り、大沼公園駅で朝食休憩。また国道5号線に戻って、太平洋側の噴火湾までダウンヒル。 八雲に近づくにつれ天気が怪しくなってきた。ついに雨が降ってきて、ちょうどスーパーマーケットがあったので雨宿りに跳びこむ。しかしどんどん雨脚が強くなり今日はここまで。もっと走りたかったけど、ずぶぬれになりながら自転車漕ぐ意味無し。物足らない・・・ 温泉は黒松内温泉ぶなの森。露天風呂のロケーションがなかなかいい感じ。車中泊は道の駅黒松内。 9月4日 雨後晴れ 八雲町R277~雲石峠~熊石町R229~瀬棚町~島牧村道の駅よってけ島牧 走行距離 128km 台風12号は自転車並みの遅すぎるスピードで各地に大きな被害をもたらした。群馬の我が家がある地域でも、なんと3日間も県道が通行止めになるほどの大雨だったらしい。知らぬが仏であった。自転車に乗ってる場合じゃなかった。しかし北海道ではまだそれほどでもなく、午後になるにつれて天気が良くなる予報だったので、小雨になったのを見計らって自転車に乗ることにした。ただ国道5号線沿いに走るのは水たまりが道路わきにたくさん残っていて危険なので、峠越えをして日本海側の熊石町と結んでいる国道277号線を走ることにした。こんなことなら初めから忠実に日本海側の国道278号線を選んでおけば良かった。 峠の標高がそのまま実際のヒルクライムの標高差。しかも、ひょっとして太平洋と日本海を縦断する道路として、日本で最短距離かも・・・だとしたらこの国道277号線は、マニアックな道として有名なのかも知れない。実際、自転車で走ってみても、車通りは滅多になく、勾配も無理なく峠まで続いてるので楽しい。いやはや先ほどのぼやきはどこへやら、この道を偶然走ることが出来てラッキー。 最初、峠からのガスの中の下りは濡れた衣服が冷やされて寒いのを我慢しなければならなかったけど、下るにしたがいガスが晴れると、急に暖かくなって最高に気持ちいいダウンヒル。マリンブルーの日本海にそのまま飛びこみたくなった。奥尻島が浮かぶ海岸沿いの道を快走。道の駅てっくいランド大成からは羆出没注意の看板がいくつもある峠越えの山道になる。そして奥尻島行きのフェリー乗り場のある瀬棚町でまた海岸沿いの道になる。 いよいよ国道229号線は、標高1519.9mの狩場山が日本海からどっしりとそそり立つところの海岸沿いを走るようになって、荒々しい岩肌が剥き出し、冬の日本海の風波のすさまじさが目に浮かぶ。そのためだろうか、トンネルも多くなる。天気も何となく怪しくなってきて、海の色も、いつのまにか飛び込みたくなるようなマリンブルーとはほど遠い、不気味なドス黒さ。沢の土砂が海に流れ出て、いまだに濁りも残っている。寿都まで走れば150km超距離が稼げたけれど、道の駅よってけ島牧で今日はFinish。 温泉は、宮内温泉(ぐうない温泉と読むので注意)が臨時休業していて、千走温泉へ。源泉かけ流しのひなびた温泉でベリーグッド。車中泊は道の駅よってけ島牧。狩場山は、いつかぜひスキーで登って滑ってみたい山である。 9月5日 雨 沈滞 奈良や和歌山の山間部にとんでもない被害をもたらした台風12号が日本海に抜け、いよいよ北海道にも風波の影響が出てきたので、今日は安全な場所に避難である。ここ島牧村は危険なので、札幌方面へ移動することにする。この雨の中でも勇敢にカッパを着て走っているサイクリストを見かける。家内に軟弱サイクリストとなじられるけど、もっともである。札幌のアウトドアショップを2つ梯子してお買い物。今夜が台風勢力の峠なので、最も安全なところと考えたのが、小樽のフェリーターミナルの駐車場。正解であった。道南の山間部は、翌日いたるところで道路通行止めになっていた。温泉は、小樽温泉オスパ。 9月6日 雨 沈滞 今日もまだ台風の余波で雨がやまない。午前中は小樽市立図書館で読書。北海道立図書館が江別市にあって、ここには北方資料室というのがあるらしいのでいつか訪ねてみたい。午後は、余市のニッカ余市蒸留所を見学。 台風の大雨の影響で、ここ余市蒸留所の敷地内が浸水。見学コースが大幅減になってしまったけど、ちゃっかりウイスキーの試飲はできて大満足。また来る楽しみができた。 温泉は、余市市内にある鶴亀温泉。源泉かけ流しでグッド。車中泊は道の駅スペースアップルよいち。明日からはやっと普通に自転車に乗れるかな? 9月7日 曇り後雨 島牧村道の駅よってけ!島牧R229~寿都町~岩内町~泊村~神恵内村~積丹町余別…

偵察シークレットkuniうらやま2024-1-5

わずかですがコツコツと積もっているので、少しずつですが良いコンデョションへと近付いています。 この斜面を滑るのは今シーズン4回目です。気持ちよく数ターン楽しめます。 ここを滑るのは今シーズン2回目ですが、この斜面の細かい沢地形がすべて埋まるくらいになれば本当にシーズンインと宣言できます。 ロケーションのいい斜面を見つけて数ターンです。 ここももう一度50センチくらいのドカ雪があれば笹薮が埋もれて自由自在にシュプールが描けそうです。 次の大寒波の襲来後がいよいよ楽しみになってきました。 今日のシークレットkuniパウダーガイド偵察は、絶好のBC日和でした。

第1回スノーシューガイド2024-1-3

昨日は北アルプスの山並みが綺麗に眺められました。今日も幸運なことになんとなく北アルプスがわかるくらいの眺めが楽しめる天候で、偵察した甲斐がありました。今シーズンのはじまりは雪不足で、いろいろ偵察してコース選びに悩みました。結果的には勝手知ったるうらやまが、一番安心して楽しんでもらえることを再確認です。 笹薮がまだ埋まっていないですが、かなり締まってきているのでスノーシューツアーなら十分楽しめる積雪量です。山頂付近からの稜線漫歩&ソリ滑りを楽しむことが出来ました。 ところで今回ゲストさんのお一人、スバッツを準備するのを忘れてしまい、急遽ビニールテープで応急処置。 昨シーズン1月6日の偵察の様子です。

偵察2024-1-2

南風が天気予報で予想していたよりも強く吹いていて、大晦日にせっかく積もった雪がみんな飛ばされてなくなっちゃった感じです。 まだかなり笹薮が顔をのぞかせていますが、ベースはしっかりしているのでコースをうまく選べば滑りはなんとか楽しめました。でもこの先どうなるのか心配になってきました。 前回の偵察では小さな表層雪崩の痕が残っていました。今日も注意個所をしっかり確認しておきました。 スノーシューガイドの方も準備万端です。 チャツボミゴケ公園スノーシューハイキングは1月10日から開催です。 上の写真はチャツボミゴケ公園ではなく今日の偵察時のものです。

2011 バイク&カヤックRISHIRI前編中之条~竜飛

8月28日 晴れ時々曇り 中之条r53~大道峠~たくみの里R17~三国トンネル~JR石打駅~魚沼市小出R290~道の駅とちお 走行距離167km 三国トンネルを越えて新潟県に入ると、まだまだ残暑が厳しいと実感。群馬北部はぐずついた日が続いて、湿気が多いものの涼しい毎日だったので、もう夏も終わりかななんてチョッと寂しさを感じていたものの、いざこの蒸し暑さに直面すると前回の自転車旅が思い出されて、やっぱりうんざりである。しかし今回は北に向かって走るので、だんだん涼しくなっていくに違いないと勝手な希望を持つことにする。久しぶりの自転車旅で、車通りの少ない県道の田舎道を気持ちよく走る。県道から国道17号線に入って三国トンネルを抜けると、いよいよ新潟県に突入。 ここからは一部上りもあるが湯沢まで長い下り。苗場スキー場では、バイクの大規模なイベントが行われていた。どうりで今日の国道17号線はイージーライダーに出てくるような改造バイクが多いわけだ。途中三俣付近のトンネルで突然ハンドルバーに装着していたGPSが落下するアクシデント。追い抜いていく車に踏まれなくて、かすり傷程度で済んでほんと良かった。トンネル内の路面の凸凹がひどすぎて、プラスチックのジョイント部分が欠けたらしい。GPSは高価なので、アクセサリー部品を無闇に信用してはいけないという今後のための教訓になった。 R17号線は関越高速道が昔から併走しているので、道の駅というものがない。お昼休憩するのにいいところはないかなと考えたら、そうだ!JR石打駅が頭に浮かんだ。駅内の畳敷の待合室は、時々風が通り抜けて気持ちいい。やっぱり上越新幹線が併走しているからだろうか、旅行者はもちろん地元の人の利用すらなく、おかげ様でずっと私達だけでのんびりさせてもらった。 小出から旧入広瀬村方面への道に入る。途中玉川酒造の酒蔵ゆきくら館に寄って玉風味の特別本醸造2本購入。酒造の人は盛んに吟醸を勧めてくるが、冷蔵庫で保存できるわけでもないので醸造酒でなければ困るのだ。渋川という交差点で左折。まっすぐ進めば只見へ抜けて福島県に突入できるのだけど、7月下旬の新潟福島豪雨でR252は只見線共々今だに不通だった。そして、道の駅とちおで本日Finish。温泉は少し戻って寿和温泉ひめさゆりへ行ったが、やはりここも新潟福島豪雨の被害が大きかったのだろうか閉館していた。なので、守門温泉SLランドへ。車中泊は、道の駅いりひろせ。道の駅とちおのあぶらあげ300円が美味かった! 8月29日 晴れ 新潟県長岡市道の駅とちおR290~萩掘r331~東三条R403~新津R460~新発田R7~岩船港R345~勝木R7~山形県温海立岩海底温泉 走行距離173km 道の駅とちおを朝6時頃Start。やたらブヨが多く、自転車で走っていても吸い付こうとするのもいて、やはり昨夜は道の駅いりひろせで車中泊したのが正解。ブヨから逃れるように、田舎道の国道を飛ばす。東三条あたりからギラギラ太陽が肌を刺し蒸し暑くなってくる。昨日はススキの穂が残照に輝いているのを見て、秋の気配を感じたところだけどまだまだ暑い夏である。途中のセブンイレブンの駐車場で家内のサポートを受けて朝食。そして新津、新発田と平坦で景色も単調な国道をひたすら走る。広い阿賀野川の河川敷は、1ヶ月たった今でも洪水で流された残骸の片付け作業が行われていて、テレビで見たゲリラ豪雨の被害の甚大さを思い起こさせる。 灼熱の国道7号線を離れ、ようやく海沿いの岩船の港まで来ると、木陰に入れば風が涼しい。ムムム、やっぱり暑い夏は過ぎ去ろうとしているに違いないのだ。 今までの退屈な国道7号線の走りから一変、海岸沿いを走る国道345号線は景色が良くて楽しい。海上に浮かぶ粟島や笹川流れの変化に富んだ地形を眺めながら、ガンガン飛ばして一気に山形県へ突入。 山形県に入るとすぐに鼠ヶ関。昔から重要な関所があったことを偲ばせる地名であるが、県境に大きな川があるとか、長いトンネルがあるとか地形的にはっきりした境を感じさせるものもなく、うっかり通り過ぎてしまうところだった。 今日は温海温泉の先の立岩海底温泉でFinish。源泉かけ流しの熱い湯がベリーグッド。 8月30日 晴れ 山形県温海立岩海底温泉R7~由良峠r336~R112加茂~酒田市~道の駅鳥海~秋田県にかほ市道の駅象潟~羽後本荘~秋田市r56~潟上氏道の駅てんのう 走行距離172km 目覚ましのコーヒーを飲んで6時前にStart。旅の3日目、ペダルを漕ぐ足がますます軽やかに感じられてきた。日が昇るにつれて刻々と表情を変える朝の海とともに走るのは、気分爽快である。カシミールの5000mの不毛の峠だろうが、キリマンジャロがそびえるサバンナの大地だろうと、どこへでも、どこまでも、漕いでいけそうである。 ところが・・・由良からさらに県道50号線で加茂へと続く海沿いのファンタスティックな庄内夕陽街道を楽しむつもりだったが、土砂崩れの復旧工事で通行止め。これまた新潟福島豪雨の仕業か?自転車だったら担いで通れるかと思って途中まで行ってみたが、なんと道路警備の人が立っていて厳重に進入を断られた。気分を変えて、かなりの回り道になってしまうけど一旦国道7号線に戻って由良峠まで走り、県道336号線から国道112号線に入って加茂に向かうことにする。快調に走っていよいよ加茂の手前の峠のトンネルで、今回の初めてのパンク!前回の長崎旅の時と同様、リアである。どうやらタイヤの方に原因があるかも。とりあえず使い古しのスペアチューブと交換する。そんなこんなで、家内が朝食を作って待っていてくれる秋田山形県境に近い道の駅鳥海には、かなり遅くなって9時到着。 国道7号線は、山形県吹浦からは立派なバイパスができているが、もちろん海沿いの旧道を走る。山形秋田県境もうっかりしていて知らない間に通り過ぎてしまい、気が付いたら秋田県を走っていた。6月初旬に吹浦から象潟までカヤックで漕いだ海を左に見ながら道の駅象潟へ。ここでサポートの家内と待ち合わせて、名物の岩ガキを食べる。300円、350円、400円、450円、500円と大きさによって50円ごとに値段が上がるキッチリさ。50円の差はどんなものなのか?素人じゃとても見分けられないので、300円のを注文。デリシャス。そして、最近のノンアルコールビールの味の良さにも感心する。 陽が高くなり、国道7号が内陸部を走るようになると、灼熱に苦しめられる。次の道の駅西目でアイスクリームを食べて、その次の道の駅岩城で昼食休憩。秋田県は観光に力を入れているからだろうか、道の駅が充実していて快適である。 大河雄物川を渡って、夕方渋滞が始まっている秋田市街地を通り抜け、男鹿半島へ向かう県道56号線に入る。今日は朝のアクシデントのおかげで夕陽を見ながらペダルを漕ぐことになってしまったが、これまた気分爽快である。まだまだ走って行けそう?だったけど、男鹿半島の付け根、潟上市道の駅てんのうでFinish。温泉は、道の駅にあるてんのう温泉400円はグッド。小笠原付近にある台風12号の進路が気になる・・・ 8月31日 晴れ後曇り一時雨 秋田県潟上氏道の駅てんのうR101~男鹿市r55~入道崎~R101八竜R7~能代R101~青森県深浦町大間越 走行距離150km ぐずついてパッとしない関東地方とは裏腹に、ここまで3日間、天気に恵まれてきた。が、しかし今日あたりから東北地方北部も雲行きが怪しくなってきた。どんよりとした曇り空の朝、男鹿半島の入道崎を目指してペダルを漕ぐ。さっそく全然怖そうでないユーモラスななまはげがお出迎えである。男鹿市から国道101号線を離れ、県道55号線に入る。次第にダイナミックな海岸を縫うようになり、今までの単調な秋田の海岸線とは異なって、男鹿半島はまさに大海に突き出た山脈の如きである。江戸時代の偉大な旅行作家であり民俗学者の祖と云われる菅江真澄も、きっとこの男鹿半島の自然に圧倒されながらの旅だったにちがいない。 戸賀の水族館で朝食休憩。今日の海は凪で透明度も高いようで、グラスボート屋さんは、こんなに良い日なのにお客さんがいなくて気の毒である。戸賀から男鹿半島の先端入道崎へ。相変わらず演歌がけたたましい音量で流れている。カヤックで海からこの岬に上陸したのは何年前の夏だったっけ? 北緯40度線が横切る入道崎に立って、北極点の方向を眺め、地球のでかさを感じた。男鹿半島を廻り、今度は平らな八郎潟の干拓地に作られた単調な道を走る頃になって、雨がぽつぽつと来た。本降りにならないことを願いつつ能代の町までやって来ると、また晴れ間が出てきて一安心。 道の駅みねはまで昼食休憩。しかしまたまたいつ降ってくるかも知れないような怪しい空模様で、なんとか青森県に突入してJR大間越の駅まで。温泉は秋田県に戻って八森いさりび温泉ハタハタ館。 9月1日 晴れ 青森県深浦町大間越R101~鰺ヶ沢r12~車力~R339小泊~竜飛崎…

広島県・宮島~江田島シーカヤック2006

全漕航距離約23km 2006年9月16日~17日 台風が九州地方に接近中。明日には、上陸するらしい。それとは関係なく今日は秋雨前線の通過で、雨が降ったり止んだり。こんな気象状況で出航していいものだろうか。実は宮島で同窓会をするという計画があり、それではと宮島にはシーカヤックで渡って、厳島神社の大鳥居をくぐりそのまま瀬戸内海の小島へ漕ぎ出してみたいと考えた。ソロで漕ぐつもりだったけれど、幹事のTさんがカヤックに興味があり。2人艇のK2で一緒に漕ぐことにした。やる気さえあれば、初心者でも大丈夫。 同窓会当日、今回のカヤックパートナー、Tさんが広島空港で出迎えてくれる。地元のカヤックショップで海の情報を尋ねる。このショップ主催の2泊3日のツアーは、台風の影響で中止されたとのこと。宮島はベタベタ凪の宮島海峡の向かいに目と鼻の先。カヤックを組み立てた私たちの出航に合わせるかのように雨が止む。海峡には、牡蠣筏がいくつも浮かんでいる。初めての瀬戸内の海。カヤックで漕ぎ出す瞬間は感動である。 世界遺産の宮島・厳島神社と大鳥居。神の島だ。原生林に覆われ、海に注ぎ出す小さな沢は、無垢の透き通った流れ。もちろん、島を1周する道路などない。すぐ対岸の国道やJRや民家が密集する文明とは対照的だ。漁師が、20年前までは、スナメリが泳いでいたと教えてくれた。同窓会のみんなを順番に乗せて、7回くぐった。 翌朝、厳島神社に航海の安全を祈願する。そして、今宵の宿がある江田島に向けて漕ぎ出す。気象条件が良ければ宮島を反時計回りに廻るコースを漕ぐ計画だったが、台風がどんどん近づいている状況なので、最短ルートだ。 初心者Tさんは、調子よくパドリング。追い風にも助けられて、最大瞬間スピード10.5kmを記録。 途中2度、大型船の通過で海上待機。台風の雨による河川の氾濫で、海面は浮遊物だらけ。追い風は、まさに神風だったかもしれない。この海旅は、すべてミラクルだった。宮島から平均時速7キロで、ゴールの江田島にあるサンビーチ沖美の着く。午後台風の風向きはめまぐるしく変わり、やがて逆の向きに変わった。台風をやり過ごすために港に停泊できない大型船が次々と沖に浮かび始めた。 島から島へ渡る旅はシーカヤックの醍醐味でもある。いつかまた瀬戸内海の島々に訪れてみたいと思った。カヤックをたたみ、宿のレストランで嵐の前の不気味な静けさを漂わせる海を眺めながら、この海旅の成功をTさんと祝杯した。 翌日台風は通過したが、海は荒れていた。江田島の海軍兵学校は亡き叔父が終戦を迎えたところだそうで、見学をして帰路に着いた。

2004GW黒部源流BC3日目

2004年5月3日(3日目) 双六山荘~大ノマ乗越~大ノマ谷~新穂高温泉 昨夜、双六小屋は登山者で込み合っていて、私たちの夕食の時間は7時半だった。おかげで、遅い到着にも関わらず談話室でのんびりビールやお酒で到着祝いができた。初めは、この談話室で寝ることになると聞いていた。「ストーブの利いた談話室の方が暖かくてむしろ歓迎だよ」などと話していたが、予約していた人のキャンセルがあり、どうやら部屋で寝ることになった。 小屋には、この双六小屋主催のスキーツアーが今日から3泊の予定で来ていて、私たちも1992年頃から数回参加してお世話になっていた。そのリーダーのS先生に久しぶりに再会できた。双六小屋の主人は、若い息子さんに代わっていた。かつての教え子達が、こうやって今は自分たちの力でこの小屋へやって来たんだと、S先生が若主人に私たちを紹介してくれる。そういえば小屋も新しく改装されたし、小屋の主人が若くなって今の時代を反映しているのか、いろいろと新しいサービスが工夫がされているようだ。若主人をはじめ小屋の人たちの登山者への対応は、とても気持ちよい。 夜半から雨風が強くなり、どうやら天気は予報より早く崩れだした。朝になって雨は弱くなったが、風が強くガスで視界も悪い。昨日の強行軍もあり、私たちは西鎌尾根を縦走して飛騨沢を滑るルートをとうにあきらめていたが、双六岳に登って三段カールを寄り道することさえも断念せざる負えなかった。小屋の出発を遅らせ、沈滞を余儀なくされていたS先生と、かつての懐かしい思い出などを交えながら近況を語り合う。私たちももう一泊できればいいなあと思うけれど、家内は明日から仕事なのでどうしても下山しなくてはならない。S先生は、わざわざ外に出て私たちの出発を丁寧に見送ってくれた。 双六谷の滑り出しは、ガスで視界が利かなかったが、下るに従い風がなくなりガスも晴れた。標高差300mの大ノマ乗越への急斜面は、つぼ足で登る。稜線近くまで高度を上げると、またガスに閉ざされた。何人かの先行者を追い抜き、大ノマ乗越に立つ。後はもう下りだけだ。大ノマ谷大斜面の滑りは、ガスがなかなか晴れずもったいなかったが、標高差250m程滑り降りたところでようやく視界が広がった。山の上部は少雪だったが、下部は残雪が多いようで、雪はワサビ平小屋の先まで続いていた。3日目は天気が崩れたけれど、双六谷の滑りと合わせれば標高差1400mの滑りを楽しんで無事下山することができ、3日間のスキーツアーのフィナーレを迎えられた。黒部源流域への想いは、確実に心の中に芽生えていて、これから大きく夢が膨らんでいくような気がする。

2004GW黒部源流BC 2日目

2004年5月2日(2日目) 太郎小屋~北ノ俣岳~黒部五郎岳~五郎沢~源流出合~鷲羽乗越~弥助沢~樅沢~双六山荘 朝食をしっかりとって、7時前に小屋を出発した。今日も絶好のツアー日和だ。弁当をたのんで早立ちしたパーティーがあるようで、すでに北ノ俣岳近くの稜線には、いくつもの登山者の点々が認められる。北ノ俣岳方面へ縦走する人は、おそらくほとんどが黒部五郎小屋や双六小屋を目指す人だろう。先になったり後になったりしながら、これからの長い稜線を行くことになるだろう。1時間ほどで北ノ俣岳山頂に着いた。さっそく空身になって、薬師沢源頭の大斜面を一本滑り、昨日滑れなかったうっぷんを晴らす。もっともっと滑り降りて、源流の出合まで行ってみたいが、そんなことを考えれば人間の欲望は際限がないので、いい加減にしておかなければならない。 北ノ俣岳を越え、黒部五郎岳へと続く稜線を斜滑降で進む。今日の稜線伝いもウロコ板は快調に歩を進めることができる。何といっても、ささやかな下りをテレマークターンで滑ることができるというのがうれしい。シールを貼ったままの板では、そうはいかない。黒部五郎岳直下の急斜面に取り付くまで、そのような場所がいくつあったろう。 陽射しはあるが、風は昨日より冷たく頬に気持ちいい。遙かな山並みの向こうに、白山が勇壮に聳えているのがはっきりと見える。日程の都合で参加できなかった仲間の一人が、今日はその白山に登っていることだろう。 赤木岳をトラバースして、中俣乗越を過ぎ、いよいよ黒部五郎岳直下の急斜面では、板を脱いでつぼ足にせざる負えなかった。雪は以外と堅く、途中からシールの板も難しそうで、全員がスキーを担いでつぼ足になった。左足下には、山頂から馬沢への大斜面が広がっていた。ここもいつか滑ってみたいなあと思う。 11時頃、黒部五郎岳山頂に着く。途中一度遊んだだけなのに、やはり意外と時間はかかるものだ。360度さえぎるものもない大パノラマ。北アルプスの盟主ともいえる槍ヶ岳がはっきり見える。大きくえぐり取られたかのような大カール側には巨大なセッピが発達していて休んでいる場所もあまり安心できない。風も冷たく、せっかくの山頂だが、記念写真を撮って早々に出発することにする。 山頂から北方稜線をやや下り、大カールの北端から滑り降りる。雪が腐っていて、急斜面なので滑り辛い。だんだんと斜度が緩み始めると、気持ちよくテレマークウエーデルンでスピードを上げる。カール下端の大岩で大休止とした。私たち以外のパーティーはカールを途中からトラバース気味に黒部五郎小舎へ向かっていた。 ここで、進路の大きな決断をする。この大岩から広がる五郎沢の大斜面を前にして、三俣蓮華岳へと進んでこのまま素通りすることができようか。黒部五郎乗越から三俣蓮華岳への登りを考えれば、この五郎沢を源流出合まで滑り降りて、源流を遡って鷲羽乗越へ向かうのもそれほど遠回りではないのではないか。樅沢の標高差500mの登り返しはきついが、鷲羽乗越から弥助沢の標高差500mの滑降も楽しめる。双六小屋には日没までになんとか辿り着くことは出来るだろう。私たちは、ほとんどのパーティーが選ぶ三俣蓮華岳への稜線ルートを変更して、この五郎沢を滑ることを選んだ。 五郎沢の広大な斜面は、適度な斜度で本当に気持ちいい。やがて漏斗状になって、源流出合に降り立つまでは、今回の山行のハイライトな時間だったに違いない。 ここにやってくるまで1日半もかかったが、それだけに今までに味わったことのない山々の存在感を感じることができる。昨日神岡新道を歩き始めた時点で、そのような気分にはなっていたが、ここにきて私は確信した。野反の山々から黒部の山々へと、自分の山の世界観が新しく広がっていくようだ。永遠に続くかのような五郎沢の大斜面を滑り、雪渓の切れ目から清冽な水がほとばしる黒部源流を登り返し、周囲の名だたる山や谷を眺め回しながら、別天地のような黒部源流域の美しさにとにかく圧倒された。 源流出合から鷲羽乗越への登り返しは2時間ほどかかった。ここでもウロコ板は快適だった。流れはかなり上流まで行かないと雪渓の下にはならないが、広々とした谷なので困難な場所は全くない。雪渓上には、私たちと逆ルートのパーティーのシュプールが残されていた。三俣蓮華岳の北側にある沢筋の急斜面を滑り降りてきたらしい。またさらに進むと、源頭の二股にはテントがあって、彼等と挨拶を交わした。2泊して、この辺りを滑りまくると話していた。とてもうらやましい気もするが、明日から天気が崩れることがわかっているので、そのように思い通りにはいかないのではないか。しかし彼等も怪訝に思ったことだろう。こんなに遅い時間に我々の前を通り過ぎて、日が暮れるまでに双六小屋にたどり着けるのだろうかと。 岩苔乗越からの大斜面や祖父岳の急斜面にも、シュプールがつけられていた。祖父岳を登って雲ノ平へ足を伸ばしてみたら、もっともっと楽しいだろうなと思いながら、やっとのことで三俣山荘に辿り着く。時刻は3時半を回っていた。ゆっくりはしていられない。早々に弥助沢を滑り降りることにする。 弥助沢の本筋より一本西の小沢を滑る。弥助沢本筋には鷲羽岳からのシュプールがあった。標高差500mはあっという間だった。樅沢の出合午後4時。6時まで2時間あるので、この標高差500mの登りは何とかなるだろう。例年になく少雪で、樅沢を遡ってすぐ、小滝が雪渓から割れて出ていた。先行者の足跡に従って危なっかしいスノーブリッジを渡り、難なく越えることができた。 谷間は日も陰り、ただ黙々と登る。途中でウロコ板では歯が立たない斜度になったので、つぼ足に切り替える。予定の6時を数分過ぎて、双六小屋に無事到着した。小屋のある稜線には濃いガスが立ちこめ始め、雷鳥たちが盛んに活動していた。