1日目(2004-12₋25)
クリスマスの朝、羽田を飛び立ち那覇へ。季節風の影響だろう、富士や南アルプスがまるで白波立つ海洋に浮かぶ島々のようだ。慶良間の海ではそんなことがないように祈るばかりだ。
予定より15分遅れで那覇空港に無事着陸。空港からタクシーでホテルへ。タクシーの運転手さんの名前は、島袋さん。まぎれもなくここは沖縄だぁ。荷物を預けてさっそく国際通りへ出かける。スナック菓子やら泡盛やらガラス製品やら、原色が色とりどりの商品をところ狭しに並べたお土産屋さんが、えんえん軒を列ねている。陽射しも眩しくて、いかにも南国って感じ。
2日目(2004-12-26)
泊港を9時出航の高速船で座間味島へ。外海は結構うねりがある。でも慶良間諸島の内海に入るとさすがに島影になるので穏やかだ。富士山の雲海のような白波でなくてホッとする。
宿でさっそく先に送っておいたファルトのカヤックを組み立てる。1月の奄美以来の組み立てなので、手順がわからない。ああでもないこうでもないと、たっぷり1時間45分もかかってしまった。
ラフティー丼とソーミンチャンプルーの昼飯の後、さっそくケラマブルーの海に浮かぶ。
3日目(2004-12-27)
天気は下り坂だ。南国の燦々と降り注ぐ太陽が恋しい。でも、たくさんの島々で囲まれる座間味の海はベタ凪だ。外海もそれほどでもなさそう。カヤックで海に出られるだけでも良しとするか。ただし、天気予報では沖縄地方に波浪注意報が出ていたので、無理はしないことにしよう。宿で朝食をとった後、あわただしく出発の準備を終え、午前9時に美しい白砂の阿真ビーチから出艇する。
カヤックから海をのぞき込むと、珊瑚の回りを色とりどりの魚たちが泳いでいて、目を楽しませてくれる。このエメラルドグリーンの透明な海は、燦々と降り注ぐ太陽の輝きがあればさらに魅惑的だろうが今の私たちには十分過ぎるほどに素晴らしい。やや追い風に乗り、時速7km以上のスピードにのって阿嘉島に進路をとる。右に阿嘉島のニシハマビーチを見ながら、とりあえず慶留間島との間に架かけられている阿嘉大橋をくぐってみよう。
「マリリンに逢いたい」という映画があったらしい。シロという犬が座間味島とこのニシハマビーチの間の海を泳ぎ渡ったという実話に基ずいているらしい。座間味港と阿真ビーチの間の道路沿いに、マリリンの銅像があった。他にも琉球王朝時代の大陸との交易の中継点としての海洋文化など歴史も興味深い。
阿嘉島にオリオンビールを仕入れるために上陸。サクバル奇岩群の向こうに見える外海は、それほど風の影響もなさそうでうねりも大きくない。フェザークラフトのk2なら恐れるほどでもないが、初めての海で無理は禁物である。サクバル奇岩群付近から慶留間島の外側を一周して見たい衝動がわき起こったが、往路を引き返すことにする。向かい潮なのか往路の時速七キロはとても出ず、時速五キロで安室島を目指す。安室島の突端にある外白崎に上陸する。ここは座間味島との狭い海峡をつくっていて、干潮時にだけ現れる。大きな船舶は水深が浅く航行不可能である。沖縄ならではのソーキとカツオ味のカップ麺で昼飯にする。今日のような天気の日は、南国といえども温かい食べ物はありがたい。
昼食後、この外白崎から古座間味ビーチに向かってカヤックを漕ぐ。このビーチも白砂が美しくとても魅力的だ。夏のハイシーズンの頃はかなり賑わうそうだが、今日はポツンと二人の人影を見るのみだ。真珠養殖場のある阿護の浦を過ぎて、島の東側の岬付近には数隻のダイビング船が停泊している。私たちもカヤックで乗り付け海に潜ってみることにする。
海の中を覗くと、色とりどりの熱帯の魚たちが眺められた。オニヒトデも二匹発見。珊瑚の海を食い尽くそうとする悪者だ。駆除したいが、南の海がド素人の私たちは無力だ。おっと、突然ウミヘビ発見。攻撃的な種類だと襲われるかもしれないので、用心に越したことはない。さっさと退散。
2に続く