2024

第2回ノゾリチャツお散歩ツアー2024-7-13

海の日三連休の初日は、天気予報が良いほうに外れて行楽日和に恵まれました。満開の見頃なノゾリキスゲのうわさを聞き付けた観光客の車が朝からたくさん野反湖へ上がっていきます。いつもより1.5倍の時間をかけてようやく天空の花の楽園と湖、野反湖へ。 お散歩するコースはいつもの半分の時間で一番お花が楽しめるコースをガイドです。皆さん、大感激。 お昼は野の屋さんでお蕎麦ランチ。午後はチャツボミゴケ公園へ。こちらもチャツボミゴケやラムサールの貴重な大自然を体感出来ました。ノリウツギやクロヅル、オカトラノオの白い花が夏の日を浴びて眩しすぎるグリーンに鮮やかに映えていました。 さらに足元に目を凝らせば、シラタマノキとアカモノの実も熟し始めていました。ノリウツギやクロヅル、オカトラノオの白い花が夏の日を浴びて眩しすぎるグリーンに鮮やかに映えていました。 穴地獄を周った後、モネの池へ。 オタマジャクシはクロサンショウウオのようですね。 渋滞に巻き込まれてどうなるか心配しましたが、行程通りガイド出来てほっとしました。ゲストの皆様、お疲れ様&大変ありがとうございました。

偵察野反湖トレッキングガイドノゾリキスゲ満開2024

雨上がりの午後遅い時間、明日のガイドの下見のために野反湖にやってきましたが、これほどまで見事な咲きっぷりだとは想定外でした。 誰もが思わず歓声を上げてしまうでしょう。 富士見峠から正一小屋、丸山から湖畔へ下りました。 そして池平からイカ岩駐車場に上がって富士見峠まで。このコースはノゾリキスゲ鑑賞のゴールデンコースです。 その後反対側のキャンプ場に周って、テン場のお花畑へ向かうと、次の花が満開に向けて準備し始めていました。

絶海の孤島 小笠原を漕ぐ1998年

1998年1月1日 カヤックの相棒と小笠原諸島父島へやってきたのは、1997年12月30日。到着した日に、観光バスで父島の海岸の様子を下見した。もちろん小笠原は初めてで、この時期にシーカヤックで島を1周したという話もあまり聞かないので、事前の下見での観察眼しか当てになるものはないのだ。一番気になっていたのは兄島瀬戸だった。下見の時間帯は潮があまり動いていないので穏やかだった。島のほとんどの海岸線は道路から隔絶した断崖絶壁だから、下見といっても一部だけしかできない。出たとこ勝負になるだろう。これまでの経験が大いに試されそうだ。下見なんて気休めかもしれない。ただ島の大きさをなんとなく体で感じることができた。おそらく無寄港で漕ぐことになるだろうから時間的な目安をつけることはできた。一日で一周は可能だ。私たちは、反時計回りがいいということで、意見が一致した。 大晦日の日の夜、前浜では賑やかにカウントダウンパーティーが催された。島の人たちの雰囲気が感じられそうな気がしたので、相棒を誘って出かけた。盛大にコンサートが行われ、屋台ではラム酒のカクテルや年越しそばなどが振る舞われた。観光客よりも地元の人たちの方が楽しんでいるといった様子が観察できておもしろかった。 元旦の朝、前浜を出航。二見港から外海に出るにしたがいうねりが大きくなってくる。しかし今まで体験したことがないようなうねりだ。うねりとうねりの間隔が非常に大きい。ゆっくりと波の底からカヤックは持ち上げられていく。そして波の最高点まで運ばれると、またゆっくりと波の底へ落ちていく。野羊山をかわす頃には、風も脅かす。父島の気象観測所の予報では、午前中に風向きが反対に変わるということなので、私たちは迷わず進むことにした。私たちを追い越していくホエールウオッチングやダイビングなんかの観光船が、盛んにエールを送ってくれる。それに応えたいのは山々なんだが、パドルの手を離すことができなかった。  難関はジョンビーチと南島との瀬戸だ。岩礁帯なので、ものすごい波が立っている。ここを越えれば、おそらく静かな海が待っている。しかし越えられるかどうか。うねりの高さは3メートルはある。まさに川下りでの5級の瀬だ!どうする。風は私たちをどんどん押していく。とりあえず一番安全そうなルートにねらいは定めるが、なかなか決心できない。迷っているうちに荒れ狂う瀬へ吸い込まれるように流される。相棒はすぐ隣に漂っているが、うねりのリズムが違えばお互いが見えない。一旦つっこもうと合図を送ったのであるが、迷いをもったまま進むことほど危険なことはないとふと我に返った。「やっぱりもどろう!」と相棒の後方から声を張り上げた。向かい風に逆らって、ブタ海岸に逃げ込む。ブタ海岸には、サーフィンに良さそうな波が寄せていて、サーファーたちがボードに腹這いになって漂っている。ブタ海岸は風の陰になっていたので、奥の片隅には上陸できる所があった。とりあえず様子を見ることにしたが、今日はここまでかなとちょっと寂しい気持ちになった。しかし相棒はもう絶対つっこむ気持ちになっていたので肩すかしを食らったと言う。朝の相棒の様子からは想像もつかない強気な言葉にびっくり。ひょっとしたら今日はまだチャンスがあるかもしれない。  浜でしばらくのんびりした後、タコの木の疎林をかき分け饅頭岬に登り上がって海の様子を見た。風の向きが変わった。相変わらず岬の北側の海岸にはものすごい波が打ち寄せてくる。しかしそのパワーは先ほどよりも弱まってきていることが感じられる。ジョンビーチの辺りの岩礁帯に砕け散る波頭も何となく先ほどよりも小さくなってきている。相棒に確かめてみたら、「じゃ、行くか。」ということになる。  ボードに腹這いに寝そべって、波に漂うサーファーの横をすり抜け、湾の中からまたうねりの大きい海に出ていく。今度はどんなことがあって通り抜けるぞという気持ちがわき上がってくる。迷いは禁物だ。岩礁帯には波が炸裂している。しかし、やはりさっきよりも状況はずっと良い。私たちが通るべきルートがはっきりわかる。うねりのために見え隠れする相棒となんとかルート確認をして、岩礁帯を突っ切った。全力で漕いだ。  南崎をかわすと途端に海の様子は一変した。あれほど荒れていた海が、打って変わって穏やかな海になった。そして断崖絶壁の海岸は知床の断崖よりも迫力があると思った。断崖は剥き出しの荒々しい地形である。亜熱帯の島だからジャングルのような森に覆われていてもいいのかなと思うのだが、激しいスコールは根付こうとする一粒の種子も洗い流してしまうのだろうか。  ここまできたらもう後には引けない。太平洋に浮かぶ絶海の孤島の海を漕いでいく。天之浦に入り込んでみたかったが、先を急がなければならない。少し波がブレークしている巽崎をかわして、西海岸に廻ると追い風だ。調子よくパドリングして、初寝浦まで順調に進む。この辺りの海岸でキャンプを張り、釣りやシュノーケリングをしてのんびり旅をしてみたいものだ。しかし、小笠原はキャンプ禁止である。今日はなんとしても1周して宿に帰らなければならない。  いよいよ兄島瀬戸に入り込む。海の様子が変わる。うねりがなくなり、海面が妙になめらかになる。流れている。どうやら私たちは潮の流れに乗っている。大河のような太く大きな流れだ。少し不気味だが、何もしなくても私たちをどんどん運んでくれる。しかし、問題は瀬戸の出口だ。一昨日のウエザーステーションからの様子だと、大きな三角波が立っているはずだ。釣浜や宮之浦を過ぎていくと、遠くに返し波が見えた。まさに川下りという感じだ。川の瀬のように漕いで突っ込めば、抜けられると確信した。相棒と行くぞという合図をかわして、激しい瀬の中へ漕ぎ進む。大きな返し波を一回頭からかぶった。  東海岸に回り込むと、向かい風になった。もうその頃には疲労がたまってきたのか、進みが遅くなってしまった。ここまでの進み具合を考えると、ゴールまでの距離はわずかだが、漕いでも漕いでも進まないという感じである。相棒はさらに私からどんどん遅れていく。後ろを振り返ってもうねりのせいで相棒の姿がすぐに見つからなくなるので、時々相棒を待ちながら進んだ。  二見港に入港すると、やっと一息つけた。1周することができたという感動が湧いてくる。もう夕方である。ホエールウオッチングやダイビングの船が次々と帰港してくる。私たちも前浜へ上陸した。すぐにビールを買ってきて、海岸に腰を下ろして乾杯した。次は母島かなと冗談を言い合いながら、ビールのうまさに感動した。

芳ヶ平ネイチャーラーニング研修会2024-7-9

遠くの山が見渡せるくらいの高曇りの天気だったので、蒸し暑さも和らいで逆に研修会にはもってこいの一日でした。渋峠の塔の池では孵化したばかりのモリアオガエルのオタマが泳いでいるのを確認しました。今年は雨が少ない年のようで、芳ヶ平湿原までの登山道は水溜りやぬかるみが無く久しぶりに歩きやすく下れました。希少な花にも巡り合えてラッキーでもありました。 今回の研修のメインテーマは、5月23日に行われた獣害防止ネット設置作業の現地視察とニホンジカ対策の現状と課題についてです。他にも新しい木道整備の取り組みのことや笹刈整備の植生への影響などについて学びました。 今年の芳ヶ平湿原のワタスゲは数が少なそうでしたが、大きく成長した綿毛が風に揺られて綺麗でした。代わりにツルコケモモの花がこんなに咲いているのを見たことが無いくらいでした。ニッコウキスゲが満開の野営場でお弁当を食べて、いよいよオムスビ山登山道を下って大平湿原へ。 設置作業をした5月23日から1か月以上たつと、様子はガラリ変わっていました。ヤマドリゼンマイの草原の藪漕ぎでやっとこさ現地へ。 やはり新しいニホンジカの足跡はありました。獣害防止ネットの効果は歴然で、柵内の水芭蕉は被害に遭うことなく無事でしたが、柵外の水芭蕉は今年もほぼ全滅のようでした。 でも芳ヶ平湿地群のニホンジカの生態調査では、まだ生息数は多くないようです。手遅れにならないうちにニホンジカ対策の先進地の成果を生かした試みをこれから進めていくようです。芳ヶ平ネイチャーラーニングでも探求素材として取り入れていけたらいいなと考えています。 偶然ですが、5月23日の設置作業の記事が上毛新聞に出ていました。

ぐんま県境稜線トレイルDエリア探査2024-7-6

ノゾリキスゲが満開の見頃な野反湖から歩きだします。昨夕からの激しい雨も朝方にはすっかり止んで穏やかな朝です。 歩き始めると、草藪の露がすぐに足元をびしょ濡れにさせてくれました。まだそれほどまで伸びていなくてスパッツだけで大丈夫かなというのは甘い考えでした。たまらずレインパンツを履きます。宮次郎清水は枯れていました。ホソバミゾホウズキの花を楽しみにしていましたが、どうだっけ?これから咲くのだったかな。通い慣れた道を歩くのは、なじみの花に逢えるかどうかも楽しみの一つです。 ふだんは珍しくない小さな花も、雨に濡れた姿はどれもびっくりするような美しさを見せてくれることを発見しました。 でも三壁山を超える前にもうこんなに下半身はびしょ濡れになっちゃいました。登山靴の中にも浸水が始まる感じがしてきました。 Dエリアは意外とその良さが知られていません。ところどころ展望が開けるピークや草原などもありますが、シラビソやコメツガなどの針葉樹の深い森の中を歩く区間が多いのが地味なイメージなんでしょうか。苔生した森の小道ではゴゼンタチバナの花が咲き乱れているところは、なかなかのいい雰囲気でした。 大高山を超えると、天狗平とも細野平とも、もしくはミドノ平とも呼ばれている湿原が眼下に現れ、これから目指すDエリアの深い稜線の山々も現れます。 五三郎小屋の水場にも寄ってみました。荒れ果てた小屋ですが、しぶとく立ち続けています。内部の地面にはヒカリゴケがなんとなく薄気味悪さを醸し出しています。もう30年くらい前の厳冬期の2月に、この中にテントを張って泊まった思い出があります。 オッタテ峠からオッタテ峰、ダン沢の頭と過ぎると、赤石山がやっと近く感じます。ここはガラン沢を左に大きく俯瞰できるDエリアのもっともディープな区間です。両側が根曲がり竹に覆われているところは、クマの気配を常に警戒しながら歩かなければなりません。 赤石山への登りでは振り返ると魚野川源流のはるか向こうに苗場山や白砂山稜線が眺められました。 仙人池には大きく成長した水芭蕉が出迎えてくれました。ここまで来ればもう赤石山はすぐそこです。赤石山からは極端に人の気配が感じられるようになり、これまでの張りつめた緊張感が和らいでいくように感じました。

偵察レイクカヤック奥利根湖奈良沢2024-7-5

梅雨明け?って勘違いするようなカラッとした猛暑。こんな日は奥利根湖でレイクカヤッキング。 今日の目的地は奈良沢バックウオーター。追い風だったので風を感じずちょっと蒸し暑さを感じながらのパドリング。岸沿いの木陰の中が涼しい。 お昼のお弁当も木陰でゆっくり味わいました。今年は空梅雨とまではいかないですが、渇水かなと思うような雨の少ない梅雨なのに、湖の貯水率は100%近いコンディションです。 帰りは向かい風が涼しくてとても心地よかったです。知床の海を漕ぐために琵琶湖のファルトピアさんで作ってもらったレットマンパシフィックは、奥利根湖でも快適なパドリングでした。

志賀高原・四十八池トレッキングガイド探査2024-7-4

ワタスゲが見頃な四十八池を巡るコースを歩いてきました。7月1日に志賀山で山開きも行われたそうで、いよいよ夏山シーズンが本格的に始まる志賀高原です。今週末にはトレイルレースも開催されるとのことで、登山道上にコース板などがすでに設置されているところもありました。 ワタスゲの他にもヒオウギアヤメやハクサンチドリ、ヒメシャクナゲなどの花が綺麗に咲いていました。 帰りに渋峠に寄りがてら塔の池のモリアオガエルの様子を見てきました。まだ鳴き声が聴こえてきました。水芭蕉の葉の中に卵も産み付けられていました。 来週は研修会でガイドさんたちと芳ヶ平湿地群を歩くのが楽しみです。芳ヶ平湿原のワタスゲは今年はどうでしょう?

ノゾリキスゲが咲き始めた野反湖トレッキングガイド2024-6-30

毎年恒例になった初夏の野反湖畔一周トレッキングガイドです。昨年参加してくれたお客様もいらっしゃいました。途中で少しポツポツ雨にやられましたが、なんとか午後も天気が持ちました。何より、今回もノゾリキスゲやその他たくさんの花々や小鳥、美しい風景との出逢いがたくさんあって、ガイドの私にとっても大変楽しい一日でした。 前回の湖畔ガイドはレンゲツツジが満開の6月14日でした。山の緑や花の種類などから、季節の移ろいがどんどん進んでいることを実感できます。 テン場のお花畑では、ノゾリキスゲもまだ1~2分咲きです。今度また12日後のガイドでここを訪れた時、どんなお花畑になっているのか楽しみです。 東岸湖畔道から大空堀駐車場を経て池平、丸山、そして富士見峠へと続くルートは、ノゾリキスゲを鑑賞するための絶好のコースです。カラマツソウやハクサンフウロが色を添え、まだ少し寂しいお花畑を華やかにしていました。 最後にコマクサ畑に立ち寄りました。こちらは今まさに見頃です。最後に鮮やかなピンクの花々に癒されました。

偵察レイクカヤック奥利根湖奈良沢2024-6-19

例年より梅雨入りが遅いようで、今日もカヤック日和でした。カラッとした北風が奥利根の山々から吹き下りてきて肌に心地よいです。 陰なイメージの本流に対して奈良沢は広くて明るい陽なイメージがあります。今日は奈良沢を漕ぎました。 コツナギ沢から奈良沢、最後に幽ノ沢を周りました。今は禁止ですが、昔はよくカヤックでキャンプしました。コツナギ沢のバックウオーターが一番のお気に入りでした。 幽ノ沢バックウオーターに向かう途中、湖面を見慣れぬ怪しげな生き物が泳いでいるのを見つけました。テンかな。 今日もアークティックウインドパドルで3時間ほど気持ちいいパドリングを楽しみました。 奥利根湖は群馬で一番お気に入りのカヤックフィールドです。いつまでも漕げるように安全第一のマナーとモラルで楽しみたいです。

イワナの夏2024

渓にエゾハルゼミの大合唱が響き渡ります。木漏れ日が眩しく光る谷間には涼しい風がいつも吹き抜けています。 イワナと出逢うことのできる夏の沢歩きは、最高に贅沢な時間です。 目的の沢へのアプローチの途中で、すぐ前の笹薮から突然獣が飛び出して逃げていきました。子鹿でした。驚かせてくれます。 昨年、ゲストさんが針を切られたイワナがまだいるのか確かめにきました。大丈夫、元気に泳いでいきました。