2024

芳ヶ平湿地群トレッキングガイド2024-5-25

チャツボミゴケ公園ではレンゲツツジが満開です。新緑の中で鮮やかな朱色を輝かせてくれています。私たちは午前9時始発のバスで上の駐車場へ。穴地獄の木道を一周してから、いよいよトレッキングコースを水池に向かって出発。 エゾハルゼミの初鳴きが聞かれました。騒々しい鳴き声が森中に響いている季節がまた巡ってきたことを実感します。 すがすがしい風が新緑の森を吹き抜けていきます。水池を過ぎると梢越しに県境稜線の山が垣間見えました。渋峠から芳ヶ平湿原へ降りる登山道は、まだ半分くらい雪渓に埋まっていることでしょう。今回はそんなこともあって、チャツボミゴケ公園から神秘の3池巡りコースを選びました。7月のワタスゲの季節になれば、雪渓もなくなり、渋峠からのコースでチャツボミゴケ公園まで縦走するコースがお勧めです。 お昼は八石山山頂で、宿で握っていただいた大きな梅干し入りのお結びがとても美味しかったです。山頂からは草津温泉や榛名山、浅間山が絶景です。草津温泉の正午の鐘の音もちょうどお結びをほおばっている時に流れてきました。 帰りの登山道では、イワカガミやチゴユリの花を愛でながらのんびり下りました。途中1グループの登山者に出逢っただけで、静かな山歩きが楽しめました。

野反湖トレッキングガイド2024-5-24

ちょうど今が見頃なシラネアオイや春一番に咲く花々を愛でながらの、のんびりゆったりな野反湖トレッキングガイドでした。 そして、シラカバやダケカンバが今まさに芽吹きの時期でした。 東京の下界は最高気温28度ですが、ここでは少し冷たい北風に吹かれて肌寒いくらいです。でもシラネアオイたちはいっせいにひらひらと風になびいて、賑やかにダンスしているようでした。 お昼は富士見峠の野反湖が一望に眺められるベンチで、山菜そばをいただきました。今は旬の地元山菜であるコゴミやウド、ワラビ、タケノコなどが美味しかったです。 午後はまだ早春の風景が残っている野反湖畔を歩いて回ったり、野反ダムの奥にあるキャンプ場周辺を歩いたりしました。 シラネアオイとともに今楽しめる花は、ムラサキヤシオやイワカガミ、ミツバオウレン、キジムシロ、オオカメノキなどです。

芳ヶ平湿地群・獣害防止ネット設置作業2024-5-23

芳ヶ平湿地群でニホンジカによる貴重な高山植物の食害が昨年にわかに問題化しました。水芭蕉の群生地ですべてがニホンジカによって食害被害を受けていることが分かったのです。このまま放置しておけば、芳ヶ平湿地群はおろか野反湖のシラネアオイやニッコウキスゲなど貴重な観光資源がある野反湖もニホンジカによって大きな被害を受けてしまいます。尾瀬の二の舞にならないよう関係機関が迅速に動いて、昨日大平湿原で試験的な獣害防止ネットの設置作業が行われました。 今若葉を開き始めた水芭蕉の群生地には、注意して地面を観察するとニホンジカらしき食痕や足跡がちらほら見つかりました。これからニホンジカの群れが頻繁にやってくることが今までの調査で分かっています。 試験的な獣害防止ネットの効果を見ながら、今後ニホンジカのより詳しい生態調査や獣害防止ネットの増設などを進めていけるのではないかと考えます。 ネット業者さんから設置方法のレクチャーを受けながら、関係者のみんなで協力して作業は順調に進みました。 完成です。池塘にはクロサンショウウオの卵塊がたくさん見られ、モリアオガエルの鳴き声も聴こえてきました。 登山道脇でも小さな花がちらほらと咲き始めていました。朝登りの時にまだ蕾のようだったイワカガミは、帰りには皆ピンクの美しい花びらを開いていました。 秋にはここに地元の中学生たちをガイドして、野生動物との共生についてや、さらに様々な地球環境の問題などにも関心をもってもらえるといいなと考えています。

尾瀬・富士見峠散歩2024-5-22

午後、尾瀬高校で尾瀬ネイチャーラーニングのガイド講習会が開催されるので、せっかく尾瀬の近くまで行くのだからと午前中は懐かしい思い出がいっぱいある富士見峠へ。雪解けが早くて林道には思ったより残雪は残っていませんでした。途中、オオカメノキやイワナシの花とニホンジカ一頭が見られました。 富士見峠にちょうど正午到着。ようやく天気が回復してきて、青空が見え始めました。アヤメ平まで行っても景色は楽しめそうにないとあきらめていたのですが、期待できそうです。でものんびり行動だったので、アヤメ平まで行ったら研修会は遅刻です。せめて峠からすぐ先の富士見田代へ。残雪で滑りやすい木道をほんの2~3分の距離です。 景色が広がって、燧ケ岳の頭だけ雲の中から垣間見えました。来た甲斐がありました。でもこれでは桧枝岐側からの燧ケ岳北面も残雪はかなり減っているでしょうね。 2018年4月19日にBC偵察で訪れた時のアヤメ平からの絶景です。 景鶴山と平が岳です。 至仏山です。 尾瀬ヶ原です。 相棒ともいえる一番古いテレマークスキー仲間と偶然再会して一緒に下山したのが、彼との最後の滑りになってしまいました。 これから始まるグリーンシーズンのガイドに向けて研修会は盛会のうちに無事終了。尾瀬高校の先進的な学習施設を見学できたのも良かったです。

トレッキングコース探査・嵩山2024-5-21

古から霊山として信仰されてきた中之条町のシンボルともいえる山、嵩山に登ってきました。標高は789mなので周りの山々と比べると低いですが、中之条の町を見下ろすようにそびえる堂々とした風格の岩山です。戦国時代の山城でもありました。山頂からの景色はすばらしいの一言で、吾妻八景の一つでもあるそうです。 親都神社登山口からまずは小天狗へ。山頂から足下に不動岩が見えます。今度はそちらに周ってみます。 不動岩からも展望が素晴らしい。 先日登った吾儒山や薬師岳、岩櫃山などがわかります。 不動岩から天狗の広場に戻ると、毎日のように嵩山に登って登山道整備をしてくれているという人たちに出会えました。そんな方々だからこそのいろいろと面白いお話を聞かせてもらえました。 小さな山ですがたくさんの見所があって、すべてをじっくり満喫しながら寄り道すると丸一日かかりそうです。弘法の筆跡というのもありました。 中天狗からの景色です。 最後に大天狗。こちらに山名標柱が立っていました。大天狗の山頂までの鎖場が一番長く続きましたが、怖いところはないのでご安心を。 烏帽子岩と五郎岩が足下に眺められました。 たぶん白砂山稜線かと思われる山々もわかりました。白砂山山頂から中之条方面はよく見えるのですが、嵩山も頭だけ見えてたんですね。

偵察乗鞍岳BC2022-4-28

今シーズンは残雪がどこも少なそうで先日の鳥海山が滑り納めかな。2022年の乗鞍岳BCです。 標高1800mちょっとの三本滝バス停からスタート。かろうじてつながっているスキー場ゲレンデの残雪をシール登行です。 樹林帯の中に切り開かれたツアーコースを抜けると位ヶ原です。大雪原の向こうに乗鞍岳の絶景が広がっています。今日はどこの斜面を滑っても楽しそうですが、剣ヶ峰山頂からの雪渓がまだ綺麗につながっていて良さそうです。目を凝らすと前方にちらほらとスキーヤーの小さな人影がいくつも見つけられましたが、とにかく雄大すぎて距離感とか斜度とかが麻痺した感じになりました。 斜度がきつくなりぐんぐん高度を上げると、摩利支天岳の観測所の建物が眼下に見えました。その向こうには北アルプスの山並みが続いています。 周りに肩を並べる3000m級の山々をこんな風に間近で眺められるところは、さすが乗鞍岳です。 反対側には御獄山。 やがて位ヶ原が眼下に広がります。迷路のような雪渓ですが、まだかろうじて何とかどこも雪が切れてないので安心です。 祠のある最後の山頂まではスキーをデポして雪が融けて現れたガレ場の登りをもう一息です。山頂は風も弱く穏やかです。平日とあって静かな時間を過ごしました。 雪渓がつながっているか登りで確認しておいたので安心して滑り込みます。天気に恵まれて今日はいいコンディションのザラメ雪が楽しめました。 私の前に一人滑ったシュプールもありますが、振り返って自分のシュプールが眺めて満足感にちょっぴり浸ってから足早に下山。 三本滝の駐車場に戻ると、すっかり初夏のような陽気でした。

2024第2回ラムサール芳ヶ平湿地群お散歩ツアー(2024-5-19)

標高500mの吾妻渓谷ではもうすっかり初夏です。八ッ場ブルーに映る木々は濃い影を映しています。そして草津温泉付近まで来ると、まだまだ新緑の森が鮮やかです。さらに志賀草津高原ルートで標高2172mの芳ヶ平湿地群展望台へと高度を上げると、やがて雪渓も目に付くようになります。まだ芽吹き前の岳樺の木々が現れると、まるで季節が逆戻りしていくかのようです。風が冷たいのでウインドブレーカーくらいの上着があると安心です。 渋峠スキー場にはまだ残雪もありましたが、営業はクローズしていました。その代わりにあちこち残る雪渓でスキーヤーやボーダーが最後の滑りを楽しんでいる様子が見られました。 薄曇りの天気でしたが谷川連峰など遠くの山々も眺められたので、ゲストさんたちも展望台からの絶景をゆっくりと満喫していらっしゃいました。 渋峠から芳ヶ平湿原へと続く登山道は例年通り6月中旬くらいまでは雪渓が残っていそうです。塔の池のモリアオガエルの鳴き声は7月頃になれば聞こえてくることでしょう。 今日は日曜日なのに交通量が少なくて快適でした。お昼は風さんでいつもの手打ちそばランチです。ゲストの皆さんも追加で天ぷらセットです。 午後はチャツボミゴケ公園へ。ちょうどレンゲツツジが見頃でした。蛍光グリーンのチャツボミゴケとレンゲツツジのピンクが新緑の中で鮮やかに映えてとても綺麗でした。 5月いっぱいくらいまでレンゲツツジの花は楽しめそうです。六合エリアの花の名所である野反湖では、今シラネアオイが見頃のようです。開花が例年よりかなり早いですね。 2024シーズンも中之条町観光協会主催のお散歩ツアーは、誰でも参加できるお気軽なツアーとして参加者募集中です。ランチで地元手打ちそばが味わえるのも大好評です。天空の湖を歩く!野反湖とチャツボミゴケ公園散策ツアーとラムサール条約地を歩く!芳ヶ平湿原&チヤツボミゴケ公園散策ツアーの2コースがあります。お問い合わせ・ご予約は、中之条町観光協会へよろしくお願いします。

トレッキングコース探査・有笠山2024-5-18

良い天気が続くので、昨日の吾儒山~薬師岳に続いて今日は有笠山へ。午後は昨日の調査やさらに岩櫃山調査でも不十分で気になっていたところの確認です。 有笠山は30年くらい前に数度登ったきりで久しぶりです。いつの間にか今ではフリークライミングの山として全国的にも有名なようで、遠く離れた他府県ナンバーの車はだいたいクライマーたちのようです。 西登山口から樹林の中を登山ルートらしき踏み跡と古いピンクテープを探しながら登っていきます。踏み跡が錯綜しているところや薄くなっているところは登山道がはっきりしていなくて、ちょっと迷いやすいところもあります。案内板も朽ちてしまったものばかりで頼りにはなりません。 森の奥からクライミングをしている人たちの話し声が聞こえてきます。登山道奥の駐車場に何台も車が停まっていましたが、みんなクライマーの車だったようです。 東登山道からの合流地点から少し登ったところに、新しい山名標識が設置されていました。この先のハシゴと鎖場の通過が危険だから山頂には担いで登れないのは当然でしょう。 この危険個所を通過すればもう特に肝を冷やすところはないです。岩崖に付けられた細道を反時計回りに巻くように登っていけば山頂です。途中で景色が開ける展望岩があって、昨日登った吾儒山や薬師岳も眺められました。向こうの山頂からは樹林が濃くて見えなかったはずです。 下を覗くと新緑の森が鮮やかで目に眩しいです。くらくらしそう。 山頂からはまったく展望なしなのが残念です。 登頂後いったん西登山口に下山して、今度は東口の登山口からのコースも調査してみました。 東登山口からのコース上には、自然の要塞のような岩壁が立ちはだかっていました。ここには縄文人の住居跡と言われている遺跡があります。 最近はヤマビル被害があるそうですが、今回は晴れて乾燥してたからでしょうか、まったくヤマビルを見ることもないし被害もなかったです。有笠山は群馬百名山の一つです。

トレッキングコース探査・吾儒山~薬師岳2024-5-17

一昨日の岩櫃山山頂から眺められたお隣の山、吾儒山と薬師岳に登ってきました。 地図を見るとルートがわかりやすそうです。でも実際は分岐点がわかりにくくて、初めての登山者はコースの目印である古いピンクテープを見つけながら歩かないと道迷いしそうな感じでした。 全国的に有名で登山道がしっかり整備されていた一昨日の岩櫃山とは違って、登山ルートがはっきりしない低山の代表みたいなコースです。 しかしながら新緑に彩られた尾根道が主体のコースは、静かな山歩きが十分に楽しめました。ヤマツツジが少しまだ見られましたが、トウゴクミツバツツジは終わっていました。あと1~2週間早い時期に歩くのがベストシーズンでしょう。 山頂手前で中之条町側からの登山道コースと出合います。山頂からは中之条盆地の家並みが眼下に広がりました。 2020年の11月の終わり頃、中之条町側の登山道で吾儒山に登ったことがありました。今回これで両方向から登れたので、ようやくこの山の全貌が把握できたように感じました。 今度は薬師岳に向かいます。送電線の鉄塔の下を通過します。 この鉄塔から右へ林道に降りていくコースも登山マップに書かれていますが、案内板等ないので初めての人は知らずに通過してしまいます。 中之条町側のコースにある奥の院です。2020年11月下旬の頃に歩いた時のものです。 いったん林道峠に降りて向かい側の薬師岳へのコースに入ります。 薬師岳は標高1000mに満たない山なので、山頂まで上り下りの多いコースです。最近営林署が境界標の整備をしたようでピンクテープの目印とともに山頂までわかりやすく導いてくれました。 山頂からはかすかに白砂山が垣間見えただけで、樹林に囲まれて展望はほとんどありませんでした。 薬師岳のコースも気持ちいい新緑の森の中を歩けました。林道峠から林道を30分ほど歩いて、登ってきた岩島側からの吾儒山登山口のコースに戻れました。

トレッキングコース探査・岩櫃山2024-5-14

5月の透き通るような青空と新緑に彩られた岩櫃山を歩いてきました。2年前に登った時は、郷原側の古谷登山口から密岩通りで山頂に登り赤岩通りで下山しました。 今回は原町側の平沢登山口から尾根通りを歩いて赤岩通分岐から十二様通りでいったん赤岩登山口に下山。そこから密岩登山口に周り、密岩通りを登ってようやく岩櫃山山頂へ。下山は沢通りで平沢登山口へ戻りました。 岩櫃山は大まかに5つの登山コースがあって、初めての人はどのコースで登ったらいいかちょっと戸惑ってしまうでしょう。二つの登山口には登山案内所があって、岩櫃山の登山マップも無料で配布しているので安心です。 登山道も大変よく整備されていて、道迷いしないように案内板も親切すぎるほど設置されていて、とても歩きやすかったです。 新録の森の林床ではひっそりとササバギンランの小さな白い花が輝いていました。山頂近くの日当たりのいいい断崖で、ニッコウキスゲの黄色い花が一輪咲いているのには驚きました。 山頂からは360度の絶景です。今日は富士山はわかりませんでしたが、赤城、榛名、妙義の上毛三山が眺められました。 吾妻谷も眼下に一望です。戦国時代の武士たちがここから眺めた浅間山は、江戸時代の大噴火の前だから違った形をしていたかもですね。 今日は平日とあってか山頂付近で1グループだけしかすれ違わなくて、とても静かな山歩きが楽しめました。 山麓にはもう一つ平沢登山口と古谷登山口を結んでいる真田道という登山道コースがあって、こちらも登山者の中で利用する人がいるようです。険しい岩山ですが難易度的に分けられた登山道が選べるので、登山者の体力やその日の天候に応じて何通りにも登山コースがアレンジして登れる山です。