自然

2024第3回ラムサール芳ヶ平湿地群お散歩ツアー(2024-5-30)

活火山の草津白根山の影響受けた貴重の生態系がラムサール条約で世界的に認められた芳ヶ平湿地群です。来年2025年で登録10周年を迎えます。 2018年1月23日の本白根山の小噴火以来、白根レストハウスから芳ヶ平湿原までの登山道は相変わらず立ち入り禁止です。渋峠からの登山道はまだまだ雪渓がいたるところに残っていて、芳ヶ平湿原に訪れる人は少なくて静かなことでしょう。 今日は平日なので芳ヶ平湿地群展望台も混雑せず、ゆっくりと景色を楽しむことが出来ました。渋峠にある県境の宿渋峠ホテルには、日本国道最高地点到達証明書があります。 シガヒルというサイクリストのための到達証明書も300円で販売されてました。 横手山のゲレンデの雪はまったくなくなりましたが、芳ヶ平湿原へ下る登山道の入り口にはまだまだ厚い残雪がありました。塔ノ池のモリアオガエルが今日初鳴きしたと渋峠ホテルの方が教えてくれました。池塘の周りには水芭蕉の花がたくさん見られて、クロサンショウウオの卵塊もありました。 お昼の風さんで、今日のゲストさんは山菜てんぷらです。コシアブラにフキノトウ、たらっぺ、山椒、ウド、ギョウジャニンニクと種類豊富でした。 チャツボミゴケ公園はレンゲツツジがまだまだ満開の見頃でした。今週末土日も新緑に映えてチャツボミゴケとともに綺麗な風景を楽しませてくれることでしょう。 時々ゲストさんがモネの絵画みたいと感激される池では、モリアオガエルの鳴き声がさかんに聴こえてきました。ひょっとしてと思って探しますが、まだ卵塊は見つけることが出来ませんでした。 群馬鉄山が閉山した後、日本鋼管は鉱山跡を奥草津鋼管休暇村として自然豊かな森に再生しました。たくさんの種類の木々や花が植樹されましたが、レンゲツツジはそれらの中で最も多く植樹された木だと思います。 ゲストの方々は写真で見るのとは違う本物のチャツボミゴケに感動されてリフレッシュされていました。 明日から6月です。季節はどんどん過ぎていきます。

知床シーカヤッキング1998

シリ・エトクへ(大地の果てるところ) I. 旅のはじまり 知床半島の西の玄関口であるウトロを朝早く出発した。プユニ岬からカムイワッカの滝まで、厳しい気象条件に晒された荒々しい断崖の海岸が続く。海の色は一言では表現できないブルー。小笠原でも佐渡でも豊後海峡でもない、知床のブルーとしか言いようがない。とても冷たくて泳ぐ気なんて起こらないが、北の海流にのってやって来るこの青い海こそ、知床のすべての生き物を育む母だ。 カモメなどの海鳥のけたましい鳴き声が、断崖に囲まれた入り江に響き渡る。そう、ここは海鳥の楽園。気をつけなければならない。頭上を飛び交うカモメからいつ爆弾(くそ)が落ちてくるかわからないのだ。私たちは、おそるおそる断崖に彫り込まれた洞窟にカヤックごと入り込む。入り口はカヤックがやっと通れるくらいだが、中は6メートルあまりのカヤックが方向転換できるくらい広い。ちょっとした探検気分を楽しんだ。 II. 野生 カムイワッカの滝を過ぎると、背後に濃密な森を従えた玉石の海岸線に変わる。なんと野生の臭いがすることか。二度ヒグマが現れた。最初の親子連れは、子供を先に逃がせて悠然と母熊も森に消えた。次の熊は、はじめは音もなく近づくカヤックに気づかないで海岸の草を食べていた。やがて気が付くと、しばらく私たちの様子をうかがうようにしながら、やっぱり悠然と森に消えた。濃密な森に覆われたこの大地は、知床のすべての生き物を守る父だ。 III.番屋 知床にはいくつもの番屋がある。夏から秋にかけてカラフトマスや鮭を捕ったり、ウニや昆布を採ったりするために、漁場の近くで漁師が生活するためにあるのだ。私たちは、6年前に世話になったアウンモイの番屋を訪ねた。船頭さんたちは、私たちのことを良く憶えていてくれて、また快く迎えてくれた。アウンモイの番屋は他の番屋とちょっと違う。断崖絶壁にえぐられた小さな入り江にへばりつくようにあるのだが、正面に切り立った小島があり荒海から入り江を守っている。それはまさに天然の要塞である。ひょっとしたら気付かないで通り過ぎてしまうカヤッカーも多いだろう。漁師は、7月になると漁場に網を張るために、ここへやって来る。8月のはじめの今頃は、カラフトマスが少しやってくる程度でまだのんびりしているが、鮭の捕れる頃になるともっとたくさんの漁師がここにやってきて、大忙しになる。11月頃になると海の荒れ方も今よりもっと凄いから、漁師の仕事は死と隣り合わせといっても言い過ぎではないと思う。そういえば前回の時はカラフトマスが初めて捕れたお祝いの日で、チャンチャン焼きをごちそうになった。今回も漁師達の家族が遊びに来ていて、夜の豪華な宴会に交ぜてもらった。チャンチャン焼きはもちろん、たこ、うに、ヒラメ,鹿・・・ Ⅳ 岬 二日目の昼、私たちは岬に上陸した。岬には私たち三人以外誰もいなかった。知床岬らしい強い風が、台地の草原をなびかせていた。シリ・エトクとはアイヌ語で、大地の果てるところと言う意味がある。とうとう、また、こんなところまでやって来てしまった。岬の沖には強い潮のぶつかり合いがあった。岬は、潮と風が渦を巻くように交わり、まるで心臓が全身に血液を送り出すかのように、海の力の源泉となる。多くの岬を訪れたが、知床岬が放つエネルギーは格別である。三人はそれぞれの想いを抱いて、しばらく静かに岬の時間を過ごした。 Ⅴ 文吉湾の愉快な仲間達 漁師はカモメのことをゴメと呼ぶ。断崖絶壁に無数の巣があるが、文吉湾では沖の防波堤に巣があった。陸から行けないので、狐にやられることはないけれど、気をつけないといたずら好きのカヤッカーにちょっかいかけられるよ。今夜は岬近くの文吉湾にキャンプだ。番屋のおじさんに断りを入れると、「ついこないだまで、よく熊が遊びに来てたべよ。」と、私たちをビビらせる。青ざめる私たち。「でも今は鹿がよく来てるから、熊はこの辺にはいねえべ。」と安心させてくれる。でも怖いなあ。食料は、テントから出しておこう。私たちがのんびりしてると、ピーター達もやってきた。ピーターと辻ちゃんは、昨日カムイワッカの滝の近くの入り江で友達になったカヤッカーだ。焚き火の煙が沖から見えたので行ってみたら、朝漁師がくれたんだと言って、ウニやらマスやらの炭火焼きをごちそうしてくれた。昨晩は一緒にアウンモイの番屋に泊まり、昼間は別行動。彼らは少し戻って、カシュニの滝でカヤックごと滝の水を頭からかぶってきたそうだ。ピーターはジャズドラマー。港からがらくたのバケツを拾ってきて、スイングする。今夜も夜空にタイコとウクレレとリコーダーの音が鳴り響いた。 忘れちゃならない愉快な仲間、番屋の犬、チャッピー! 寂しくなるから行かないでくれと、私たちを名残惜しく見送ってくれた。 Ⅵ オキッチウシ川 私たちは予定を変更して、ウトロに戻ることにした。またまた図々しくもアウンモイの番屋を訪ねよう。途中オキッチウシの沢が流れ込む入り江に上陸した。今までで一番天気も良く波も穏やかな一日となり、私たちは心ゆくまで知床の夏を楽しんだ。この素晴らしい大自然を、いつまでも守っていきたいな。 Ⅶ 漁師体験   漁師のやまちゃんは、朝起きたら船頭さんのご機嫌を伺うようにしてコーヒー代わりにまずビールだ。でも船に乗ったら、人が変わる。海の男は、かっこいい!一日おいて番屋を訪れたら、お客さんである漁師の家族達も帰ってしまい、何となく寂しい雰囲気だ。まだ網をあげる時期ではないので、朝と夕方に網を見回るくらいで昼間の小屋はのんびりとした時間が流れていた。そして、またまた歓待してくれる。最後の日の朝、船頭さんは私たちを船に乗っけてくれた。カラフトマスや鮭を捕る定置網の様子を見に行くのと、スロープの補修のための砂利を採りに行くためだ。海は少し時化ていて、私たちはしっかと船縁にしがみつく。ところが、海の男は、本当にかっこいい。私たちみたいなシーカヤッカーなんて到底足もとにも及ばない。どんなに船が揺れても、しぶきがかかっても、平然と煙草を吸っている。漁師さん達の生活は、私たちなんかにはたぶん想像もつかないような厳しい北の海の自然の脅威にさらされていることを、ほんの少し実体験させてもらった。 Ⅷ またいつの日か・・・ 最後の日、海は時化気味だったがこれ以上アウンモイの漁師さんに甘えるわけにもいかないので、ウトロに向けて旅立った。観光船は欠航のようだ。昨日とは違い、上陸できるところもなく、ひたすら漕いだ。夕方ウトロに着いたときは、くたくただった。でもすぐに心配してくれているアウンモイの漁師さん達に相棒が無事到着を連絡した。

野反湖トレッキングガイド2024-5-26

台風1号の影響で今日の野反湖は湿った南風が入り霧が予想される天気予報でした。富士見峠まで上がってくると、残念ながら予想通り。初めて野反湖にお連れするゲストさん達の中には外国から来られた方もいます。視界不良のホワイトアウトから始めるのは、きっと不安いっぱいに感じることでしょう。急遽トレッキングコースのスタート地点を、さらに車を走らせてダム側の白砂山登山口に変更です。思った通りダム側は霧が切れて、モノクロームながらどこか日本離れした山と湖の景色が開けていました。 反時計回りで湖畔一周コースを4時間かけて歩きました。野反湖の南半分は霧のベールの中に隠れていましたが、ときおり切れることがあってハッとさせるような美しい表情を見せてくれたりもします。 まだ芽吹き前のダケカンバもたくさん見られて、新緑が始まったばかりです。道脇にもこれから開花の準備をしている小さな花々にもたくさん出逢いました。 ヨーロッパの地中海と大西洋に面した国からのゲストの方は、野反湖の木々や草花を自国の自然と比較しながら興味深く観察されていました。 今回、自然が大好きな方であれば、言葉は通じなくても不思議とコミュニケーションがとれることがわかりました。思いがけず貴重で楽しいガイドの経験になりました。

芳ヶ平湿地群トレッキングガイド2024-5-25

チャツボミゴケ公園ではレンゲツツジが満開です。新緑の中で鮮やかな朱色を輝かせてくれています。私たちは午前9時始発のバスで上の駐車場へ。穴地獄の木道を一周してから、いよいよトレッキングコースを水池に向かって出発。 エゾハルゼミの初鳴きが聞かれました。騒々しい鳴き声が森中に響いている季節がまた巡ってきたことを実感します。 すがすがしい風が新緑の森を吹き抜けていきます。水池を過ぎると梢越しに県境稜線の山が垣間見えました。渋峠から芳ヶ平湿原へ降りる登山道は、まだ半分くらい雪渓に埋まっていることでしょう。今回はそんなこともあって、チャツボミゴケ公園から神秘の3池巡りコースを選びました。7月のワタスゲの季節になれば、雪渓もなくなり、渋峠からのコースでチャツボミゴケ公園まで縦走するコースがお勧めです。 お昼は八石山山頂で、宿で握っていただいた大きな梅干し入りのお結びがとても美味しかったです。山頂からは草津温泉や榛名山、浅間山が絶景です。草津温泉の正午の鐘の音もちょうどお結びをほおばっている時に流れてきました。 帰りの登山道では、イワカガミやチゴユリの花を愛でながらのんびり下りました。途中1グループの登山者に出逢っただけで、静かな山歩きが楽しめました。

野反湖トレッキングガイド2024-5-24

ちょうど今が見頃なシラネアオイや春一番に咲く花々を愛でながらの、のんびりゆったりな野反湖トレッキングガイドでした。 そして、シラカバやダケカンバが今まさに芽吹きの時期でした。 東京の下界は最高気温28度ですが、ここでは少し冷たい北風に吹かれて肌寒いくらいです。でもシラネアオイたちはいっせいにひらひらと風になびいて、賑やかにダンスしているようでした。 お昼は富士見峠の野反湖が一望に眺められるベンチで、山菜そばをいただきました。今は旬の地元山菜であるコゴミやウド、ワラビ、タケノコなどが美味しかったです。 午後はまだ早春の風景が残っている野反湖畔を歩いて回ったり、野反ダムの奥にあるキャンプ場周辺を歩いたりしました。 シラネアオイとともに今楽しめる花は、ムラサキヤシオやイワカガミ、ミツバオウレン、キジムシロ、オオカメノキなどです。

芳ヶ平湿地群・獣害防止ネット設置作業2024-5-23

芳ヶ平湿地群でニホンジカによる貴重な高山植物の食害が昨年にわかに問題化しました。水芭蕉の群生地ですべてがニホンジカによって食害被害を受けていることが分かったのです。このまま放置しておけば、芳ヶ平湿地群はおろか野反湖のシラネアオイやニッコウキスゲなど貴重な観光資源がある野反湖もニホンジカによって大きな被害を受けてしまいます。尾瀬の二の舞にならないよう関係機関が迅速に動いて、昨日大平湿原で試験的な獣害防止ネットの設置作業が行われました。 今若葉を開き始めた水芭蕉の群生地には、注意して地面を観察するとニホンジカらしき食痕や足跡がちらほら見つかりました。これからニホンジカの群れが頻繁にやってくることが今までの調査で分かっています。 試験的な獣害防止ネットの効果を見ながら、今後ニホンジカのより詳しい生態調査や獣害防止ネットの増設などを進めていけるのではないかと考えます。 ネット業者さんから設置方法のレクチャーを受けながら、関係者のみんなで協力して作業は順調に進みました。 完成です。池塘にはクロサンショウウオの卵塊がたくさん見られ、モリアオガエルの鳴き声も聴こえてきました。 登山道脇でも小さな花がちらほらと咲き始めていました。朝登りの時にまだ蕾のようだったイワカガミは、帰りには皆ピンクの美しい花びらを開いていました。 秋にはここに地元の中学生たちをガイドして、野生動物との共生についてや、さらに様々な地球環境の問題などにも関心をもってもらえるといいなと考えています。

2024第2回ラムサール芳ヶ平湿地群お散歩ツアー(2024-5-19)

標高500mの吾妻渓谷ではもうすっかり初夏です。八ッ場ブルーに映る木々は濃い影を映しています。そして草津温泉付近まで来ると、まだまだ新緑の森が鮮やかです。さらに志賀草津高原ルートで標高2172mの芳ヶ平湿地群展望台へと高度を上げると、やがて雪渓も目に付くようになります。まだ芽吹き前の岳樺の木々が現れると、まるで季節が逆戻りしていくかのようです。風が冷たいのでウインドブレーカーくらいの上着があると安心です。 渋峠スキー場にはまだ残雪もありましたが、営業はクローズしていました。その代わりにあちこち残る雪渓でスキーヤーやボーダーが最後の滑りを楽しんでいる様子が見られました。 薄曇りの天気でしたが谷川連峰など遠くの山々も眺められたので、ゲストさんたちも展望台からの絶景をゆっくりと満喫していらっしゃいました。 渋峠から芳ヶ平湿原へと続く登山道は例年通り6月中旬くらいまでは雪渓が残っていそうです。塔の池のモリアオガエルの鳴き声は7月頃になれば聞こえてくることでしょう。 今日は日曜日なのに交通量が少なくて快適でした。お昼は風さんでいつもの手打ちそばランチです。ゲストの皆さんも追加で天ぷらセットです。 午後はチャツボミゴケ公園へ。ちょうどレンゲツツジが見頃でした。蛍光グリーンのチャツボミゴケとレンゲツツジのピンクが新緑の中で鮮やかに映えてとても綺麗でした。 5月いっぱいくらいまでレンゲツツジの花は楽しめそうです。六合エリアの花の名所である野反湖では、今シラネアオイが見頃のようです。開花が例年よりかなり早いですね。 2024シーズンも中之条町観光協会主催のお散歩ツアーは、誰でも参加できるお気軽なツアーとして参加者募集中です。ランチで地元手打ちそばが味わえるのも大好評です。天空の湖を歩く!野反湖とチャツボミゴケ公園散策ツアーとラムサール条約地を歩く!芳ヶ平湿原&チヤツボミゴケ公園散策ツアーの2コースがあります。お問い合わせ・ご予約は、中之条町観光協会へよろしくお願いします。

鳥海山BC2024-5-9鉾立口

早朝の山居倉庫を散歩しました。霧雨の中の新緑がまだ人影のない静かな時間に楽しめました。藤の花も咲いていてとても綺麗でした。 最上川を往来した古い川船は、おしんが奉公に出された時のシーンを想い出します。 その後、酒田港で朝食。朝見てきた府屋海岸の日本海は荒れ狂っていたから、今日の飛島汽船は欠航間違いないでしょう。 午前8時の鳥海ブルーラインの開門時間に合わせて鉾立口へ。出発しようとする頃、ちらっと晴れそうな気配を見せてくれただけで、結局午前中いっぱいは雲の中の鳥海山でした。 天気の回復を期待してホワイトアウトの中を彷徨ってはみましたが、お昼前に早々下山。今日のスキーは残念でしたが、その代わりに美しい風景にも出逢えた一日でした。 もう午後も3時近い時間、祓川口へ移動する途中で雲の中から鳥海山が現れました。 そして雨上がりの新緑のブナ林。鳥海温泉郷から登山口まで標高が上がるごとに季節が逆回転していく様子が観察できるのも楽しいです。 いよいよ全貌を現した鳥海山です。

偵察GWのレイクカヤック奥利根湖2024-5-5

海がない群馬のシーカヤーカーにとって奥利根湖はパラダイス。GW後半4連休の3日目も最高の青空。豊富な国境稜線の山々の残雪とブナをはじめとする木々の芽吹きが透き通るような5月の青空に映えて最高のロケーションを楽しんできました。 今の時期は雪解けで湖は満水状態です。ダム湖であることを忘れてしまうくらい水線が上がるので、剝き出しの地肌が現れているところがありません。ちょうど花々も色とりどりに咲き始めていて、岸沿いをゆっくりパドリングしながら観察できました。 遠くから一番最初に白い花が目立ったのはオオカメノキでしたが、他にもコブシも咲きていました。ピンクっぽい鮮やかな花はムラサキヤシオツツジ。あとアズマシャクナゲも咲いてました。一番感動したのは、岸沿いの水際の木陰をよく見ると、イワウチワのかわいい花が満開の見頃。誰にも知られずひっそりと咲いていました。山桜は少し盛りを過ぎていました。 フィッシングボートも盛んに往来していて、ちょうど大きな魚と格闘している釣り師の船の近くを通り過ぎました。その頃から、風が出始めました。嫌な予感がしましたが、奥利根源流バックウオーターまで半分のところまで来ているのと追い風だったので、そのまま漕ぎ進みました。 紅葉真っ盛りの頃に来ると素晴らしい割沢手前の右岸の滝です。ブナも根付かない雪崩に磨かれた大岩壁です。ツツジの低木が秋の頃赤く染まっていたのでしょうか。 小穂口沢出合を過ぎてバックウオーター近くまで来ると、流氷にも出逢えました。 地図で見たらこの場所はすごいところなんですが、源流バックウオーターは今までのワイルドな風景からすると拍子抜けするような平凡な河原の風景です。上陸しやすい中洲が出来ていたので、大きな流木の上に腰かけて日向ぼっこして休憩しました。 ちょうど10時だったので、約2時間で漕いできました。帰りは向かい風が予想されるので少し緊張します。案の定、気まぐれな向かい風とそれだけでなくもっと厄介な突風に苦労しました。つむじ風みたいな突風はラダーでは制御しきれないくらい船が回されるので、時々片方のパドリングだけで修正しながらです。速度が落ちると風に流される影響も大きくなるので、ほとんど手を休めることはできませんでした。 知床の海を漕いだ時のあの気まぐれな突風を想い出しました。ダムのすぐ近くまで来て安心したのかパドルの手を緩めてしまい、突然の大風が吹いてカヤックが一回転してしまったのには参りました。でも空はずっと一日透き通るような青でした。上陸したらちょうど1時半でした。帰りは3時間漕ぎっぱなしでした。今シーズン最初のカヤッキングはトレーニングになりました。

E-MTB新緑に輝く六合の里散策2024-5-4

GW後半は毎日好天に恵まれて、新緑に輝く六合の里を今日もE-MTBで散策してきました。かつて盛んだった養蚕農家の建物が今も大切に保存されている赤岩集落には、江戸時代の蘭学者高野長英が一時隠遁していたという湯本家があります。 当時の村人が盛んに歩いたであろう廃道同然の古道を下っている途中で二つの石仏に出遭いました。一つは道の真ん中にうつ伏せになって転がっていました。 苔にびっしりと覆われた石仏の台座らしきものも近くに見つけたので、すぐそばにあった境界標のところへ置いておきました。続六合村史で調べると、嘉永4年(1851年)のものでした。 もう一つは「右山みち左さわたり」と記された文化8年(1811年)の石仏です。 風雨に長い間さらされた古い石仏は、どれもじっくり見ると味わいのあるお顔をしています。 こちらはひょっとしたら逃亡する高野長英も(この石仏と)出逢ったかもしれないという歴史ロマンを感じます。 赤岩集落を通り抜けて旧太子駅へ。かつて群馬鉄山の鉄鉱石を輸送するために繁栄した六合村の産業遺産の一つです。観光や体験学習のためにリニューアルされていて、鉄道マニアにも大人気なようです。 旧太子駅から廃線跡のかつてのトンネルをくぐってみました。 最後のゴールは暮坂高原花楽の里です。山桜がまだ楽しめました。暮坂高原にある三つのオートキャンプ場もキャンパーで大賑わいでした。