偵察

榛名・水沢山2024-11-19

ボランティアによる登山道の整備が行き届いているという水沢山に登ってきました。冬晴れの榛名山は透き通るような青空で、絶好の登山日和でした。 水沢山は人気のある山だと聞いていましたが、たくさんの登山者に追い抜かれたりすれ違ったりして、なるほどと納得しました。これも長い間ボランティアの方たちでこの登山道整備を地道に行ってきたからでしょう。登山道のすべてに整備の目が行き届いていることがわかりました。 コウモリ穴?を案内してもらえました。穴から暖気が吹き出していて、榛名山が火山であることを思い出しました。 山と高原地図のコースタイムだと1時間40分でしたが2時間かけて山頂です。素晴らしい展望が楽しめました。八ヶ岳から秩父連山、富士山、都心のビル群にスカイツリー、筑波山、赤城山、皇海山、男体山、日光白根山、上州武尊山までが一望でした。谷川方面の上越国境の山は雪雲の中に隠れてしまっていたのは残念でした。 反対側に目を向けると、相馬山と二ッ岳、その間は蛇ヶ岳でしょうか。榛名富士と榛名湖はその奥にあるようです。 そして雪化粧した草津白根山と八間山、さらに白砂山が遠く眺められました。八間山や白砂山から榛名山を眺めていたので、反対から眺めるこの景色はなんとなく感慨深い気がしました。 下山後名物の水沢うどんを食しながらお疲れさん会でした。

E-MTBツアー紅葉の暮坂~八ッ場ダム湖周遊2024-11-11

標高1000mの暮坂高原は今まさに紅葉が見頃です。錦秋色に包まれた静かな林道をのんびり漕ぎながらまずは峠を目指します。 一台の車もすれ違うことなくまったくの無人の林道でした。 美人の湯で知られた古い温泉宿と一日一組限定の知る人ぞ知る秘湯の温泉宿の前を通り過ぎて、八ッ場ダムで新しく作られた国道バイパスに出ました。 吾妻川の橋を渡ります。芦倉山を正面に見ながら橋を渡って道の駅に寄ってみました。芦鞍山は春に地図調査した山です。葉っぱがすべて枯れ落ちる初冬の頃も楽しそうな山です。ただ急坂がある山頂直下は、落ち葉で滑りやすいかもしれません。 観光客でにぎわう道の駅のお土産屋さんを少し覗いてから、八ッ場ダム湖方面へ向かいます。長い長いトンネルを抜けると八ッ場ダム湖に出ました。それほど勾配はきつくなかったですが、トンネルの中は上りだったようです。 ちょうどお昼の時間でお腹も空いてきてました。小さな赤い煙突のあるレストランでゆっくりランチにしました。たまごチャーハンととんかつ定食です。 ここのとんかつ定食はレモン醤油がお薦めのようで、試してみましたが、さっぱりしていてソースよりも美味しくいただけました。 ダム湖は満水でした。湖面に映る紅葉の山々が綺麗でした。 八ッ場ダムにある道の駅にも寄り道して、長野原草津口駅の前を通って帰りました。 帰りはひたすら登りですが、紅葉をゆっくり楽しみながらペダルが漕げました。 帰りの林道沿いでサルの群れに遭いました。罠で仕掛けられた檻の中に一頭のサルがかかっていました。きっと群れのサルたちが仲間を助けようと集まっていたのかもしれません。 これから葉っぱがすべて枯れ落ちる初冬の季節まで、E-MTBやE-BIKEが楽しい季節です。

上信越国境白砂山BC・冬山訓練後編

ヘリによる訓練はエキサイティングな体験でした。メンバーたちの興奮が治まると、山はまた静けさに包まれました。 白砂山は、遠目から見て、稜線の雪庇は大丈夫そうだし、雪質も安定してそうです。ヘリによるアプローチのおかげで、まだ時間的にも余裕たっぷりです。全員で登頂目指します。 ルートは、堂岩山直下から南面台地に滑り込んで、山頂直下までトラバースしました。猟師の沢の頭の稜線ルートは時間がかかり過ぎるでしょう。 雪質が安定していそうなので、白砂山山頂直下の雪壁が稜線上に這い上がれそうでした。 午前中の早い時間だったのが幸いして、キックステップで調子よく稜線上に立つことが出来ました。 ほぼ無風快晴の白砂山山頂に、無事全員が立つことが出来ました。山頂からの360度の絶景をゆっくりと堪能しました。 後ろから続々とメンバーたちも登ってきます。 帰りは山頂直下の大斜面を滑りました。 一ヵ所急なところがありましたが、雪質が安定していたことが本当にラッキーでした。 堂岩山と中尾根の頭との鞍部まで戻って来れればもう安心です。 日暮れ前のちょうどいい時間に全員野反湖に戻りました。その夜は予定どおり、今は無き野反湖ロッジに宿泊して、翌日下山しました。

上信越国境白砂山BC・冬山訓練前編

白砂山 2006年3月11日 遭対協の冬山訓練の想い出です。ヘリを使った上空からの山の調査と山スキーの実践的な訓練です。 パイロットと副パイロットのすぐ後ろに座って、山の名前の確認と緊急着陸できそうな場所などを探しました。白一色の野反湖上空をあっという間に横切って、堂岩山上空から大きく反時計回りに旋回しました。 八十三山から渋沢を挟んで佐武流山が近くに寄ってきます。薄い鉄板とガラスの箱がガタガタいいながら空を飛んでいることが現実ではないように感じました。 大倉山の上空をさらに旋回していくと、千沢と魚野川の向こうに見覚えのある岩菅山連峰がどっしりと横たわっています。 パイロットたちも奥深い野反湖の山々の名前を私から聞きながら、実際の様子と頭の中の地図を比べているようでした。 大きく一周したところで、堂岩山が一番安全な場所であることを確認して降ろしてもらいました。 副操縦士からの絶妙な指示でヘリから飛び降りることができました。この後何回かに分かれてメンバーたちもヘリで運ばれてきます。 13名全員が堂岩山山頂から最後のヘリが去っていくのを見送ることができました。

第4回群馬県境稜線トレイルCエリア探査2024-10-22

昨日のDエリア探査に続いて今日はCエリアを探査です。夜明け前の野反湖は霧が湖面に発生して幻想的でした。日曜日の大風で登山道上には落ち葉が降り積もっていました。 ドライでクールな気候だから足も軽く感じます。快適に白砂山稜線まで登ってきました。 今日は南風が吹くのでガスが湧きやすいのかなと心配していましたが、結果的には一日とてもクリアに遠くの景色まで楽しめました。 Cエリアの白砂山から三坂峠までの約9㎞の区間は、2018年に新規登山道として整備され藪漕ぎなしに歩けるようになりました。まずは白砂山から上ノ間山まで、笹原が気持ちよさそうに風で波打つ稜線の小ピークをいくつも越えていきます。 Cエリアで一番大好きな場所からの風景です。上ノ間山2,033mから赤沢山を越えて忠次郎山へと続く稜線トレイルです。 次に好きな風景は白砂川源流域の複雑な地形の様子を俯瞰できる場所です。 それは、忠次郎山からムジナ平避難小屋手前までの区間です。 まさに白砂川最源流域のそのダイナミックな光景を眼下に独り占めです。 今日は昼寝でもしたくなるようなうららかなお天気です。それと対称的に、点検に入ったムジナ平避難小屋の室内は、一昨日の土日の悪天候でビバークした登山者が、寒さをしのいで大変だったような気配と匂いがまだぷんぷん残っているように感じました。 セバトノ頭は知る人ぞ知るジャンクションピークです。平らな湿地なので地図上でもとても詠み辛いです。いつの間にか目の前に四万川源流域が広がります。ここが笹平です。 。四万川水系と白砂川水系の分水嶺の向こうに、さっきまで歩いて来た上の間山からの稜線の山々が振り返られました。 もうヤマビルに悩まされることもない季節です。三坂峠からのエスケープルートで下山せずに、稲包山を越えて四万温泉まで足を延ばすこともおすすめです。三坂峠から奥四万湖の登山口まで約3時間くらいでしょう。

第4回群馬県境稜線トレイルDエリア探査2024-10-21

今秋始めての冬の嵐が去って好天に恵まれた1日となりました。2307mの横手山へと向かう登山道沿いには、10センチ近い霜柱や薄氷、霧氷などが見られました。 芳ヶ平湿地群展望台付近の国道沿いには、雲海からのご来光の写真をものにしようというカメラマンが大勢三脚をたてていました。 渋峠からスキー場の中の登山道をゆっくり朝日を浴びながら登る気持ちよさ。手はかじかみますが、ドライな気候で快適です。 空気が澄んでいるので、遠くの山々も綺麗に眺められます。木々の葉っぱも落ちて樹林帯も明るい森に変わりました。忠右衛門新道からは大沼池が見下ろせました。 赤石山から湯ノ沢の頭を過ぎてダン沢の頭までの稜線からは、伽藍谷が右に大きく開けて素晴らしい眺めです。振り返ると先ほど越えてきた横手山が伽藍谷を挟んでどっしりと聳えています。 小高山を過ぎると大高山が正面に現れます。笹原の急登は厳冬期のバックカントリーで楽しめるゲレンデなります。大高山を越えてもまだまだ野反湖までは遠いです。 いったん下ったカモシカ平から三壁山までの最後の登りが待っています。このつらい登りを頑張ると、ご褒美の景色が待っています。 ところで、気がついたらここまでだれ一人登山者に会いませんでした。最高の山日和だったのに、たった一人の静かな群馬県境稜線トレイルDエリアの魅力を堪能した1日でした。明日も天気良さそうなので、Cエリアも探査できそうかな?

中之条町六合地区の自然と歴史を訪ねて2024-10-2

六合地区の自然とともに先人たちの足跡を辿る歴史を偵察したり下見することも楽しいです。9月30日は、吾妻線のルーツを探るというテーマで、チャツボミゴケ公園と旧太子駅を下見してきました。 視点を変えると今までの概念がひっくり返って新鮮な驚きや発見があります。今までのガイドの流れや話の中身も変わります。当日どんなガイドをしようかと、文献のページをめくりながらあれやこれや調べ直します。 群馬鉄山の歴史を改めて紐解いてみると、今までばらばらだったことがつながったり、先人たちの苦労や熱い思いが伝わってきたりして興味が尽きません。 ガイド当日は太子線の廃線跡も生徒たちと訪ね歩く計画です。 10月1日は、道の駅六合からE-bikeで白砂渓谷ラインを漕いで野反湖までの紅葉の様子も偵察しました。 野反湖は数日の間にどんどん色付きが進んで秋らしくなっていました。ススキの穂が大きく伸びて風に揺られる風情がなんともいえずのどかです。 白砂渓谷ラインもなんとなく木々が黄色くなっていて、真夏の陽ざしがきつかった頃の濃緑の森が懐かしく感じます。 白砂川源流の盟主白砂山も今日は綺麗に遠く輝いています。 E-bike&トレッキングガイドも、ちょっと視点を変えてチャレンジしてみる新しい試みです。 ところで10月2日は青空に恵まれて、吾妻線のルーツを訪ねるテーマで楽しいガイドの一日でした。

第3回ぐんま県境稜線トレイルDエリア探査2024-9-24

スカッとした秋空に恵まれなかった3連休明けの24日、天気予報は晴れマークで草津白根山の山の天気もAランクが並んだので早速歩くことに。ところが夜明け前の志賀草津道路は小雨。山田峠付近から雲を抜け出して芳ヶ平展望台は雲海の景色が広がっていました。しばらく絶景を楽しんでいたらご来光です。久しぶりの朝日を拝むことが出来ました。 少し寄り道してしまいましたが、6時前に渋峠をスタート。横手山から雲海をもう一度楽しんだ後、ジャイアントコースのゲレンデを下りながら野反湖までの長いトレイルの様子を思い浮かべます。 長野側はよく晴れていました。群馬側は厚い雲の下です。のぞき分岐から雲の下に潜り込んでいきます。草津峠から鉢山、四十八分岐を過ぎて赤石山まで、ずっと白い霧が立ち込めた根曲がり竹の切り開きを歩きました 赤石山でようやく空が青っぽく見えました。虹も現れて岩峰に立つとブロッケンが眺められたようです。少しあとから登ってきた登山者が喜んで教えてくれました。私も写真に撮ろうと岩峰に立とうとしたらすぐにガスってしまいほんのわずかの出来事だったようです。 さてここからダン沢の頭までが笹や草の刈払い整備が済んでいるかどうか心配な区間でした。もし笹薮だったらあっという間に全身がびしょ濡れになることを覚悟しなければなりません。渋峠の今朝の気温は6度でした。もう夏ではないので、衣服を濡らすことは避けたいです。赤石山から5分ほどの距離にある仙人池まで歩きながら笑みがこぼれます。つい最近笹刈りが行われたようで、高速道路のように歩きやすく整備されていました。 ルンルン気分で歩き始めましたが、すぐに大きなクマの落とし物が調子に乗んなよ!って感じで登山道の真ん中に落ちてました。前回はまったく熊の痕跡は見当たらなかったし、ここまでなかったので安心していました。気を引き締めて歩くことにします。 ところで、整備してもらった登山道はなんと快適なことでしょう。湯ノ沢の頭も順調に過ぎてダン沢の頭の急登も藪を掻き分ける苦労に悩まされず歩けました。整備していただいた方に感謝です。 そしてオッタテ峰も小高山といくつもの峰を越えて五三郎小屋入り口まで順調です。 廃屋と言われようがいざという時は天国にもなる避難小屋と水場の様子を確認してから、大高山への登りです。野反湖までのいくつかつらい上りがありますが、ここを頑張れば気持ちが楽になります。 最後の登りがカモシカ平から三壁山です。カモシカ平は濃い霧の中で幻想的でした。 渋峠から8時間ちょっとでバンガローの赤い屋根が可愛い雰囲気の野反湖キャンプ場にとうちゃこです。 朝白砂山稜線が雲海の上に島のように浮かんでいるのがわかりましたが、昼間は青空に恵まれていたのでしょうか。Dエリアの稜線はずっと雲海の下に沈んでいたようです。

ぐんま県境稜線トレイルEエリア鳥居峠~四阿山探査2024

登りは的岩コースから古永井分岐へ。今日は朝から青空で絶好の登山日和のようです。浅間山が勢いよく噴煙を上げていました。なかなか壮観な眺めです。 先日歩いた七千尺コースの籠の登山や水の登山の稜線もハッキリとわかります。 古永井分岐で花童子の宮跡コースと合わさって2144m小ピークを目指します。途中にある見晴らしのいいガレ場にはマツムシソウが咲いていました。 2144m小ピークからいったん下がる木道の階段が非常に危険なことを再確認しました。つるつるに滑るのですぐ脇の踏み跡を辿ることをお勧めします。木道は貴重な植生保護のために設置されたのだと思いますが、ここは例外です。過去、転倒した登山者が遭難救助された事例もある場所です。 途中で嬬恋清水に寄ってみます。相変わらず冷たい湧水が出ていて登山者の喉の渇きを癒してくれています。 山頂から根子岳方面が綺麗に眺められました。根子岳の大隙間の草原は、今年はまだ整備が入っていないらしく藪っぽいそうです。そちらから来た登山者が露でビショビショですと話していました。 山頂で少し休んでから浦倉山方面の茨木山登山道分岐まで下ってみました。 本峰と合わせてこの小ピークが、方角によっては四阿山が双耳峰に見えます。三角点から振り返る本峰もピラミダルでかっこいいです。 茨木山登山道分岐から山頂に引き返して少し休んだ後、今度は根子岳分岐と長池分岐を探査。結構笹が伸び放題で藪っぽかったです。笹が濡れていないのが救いでした。四阿高原ホテルルートは冬季のスノーシュー登山者に大人気なコースですが、夏季は登る人が少ないです。四阿高原ホテルルートで登ってきた人は、この長池分岐で下山道を見過ごすことがよくあるようです。 長池分岐から鳥居峠分岐まで引き返して、下山は花童子の宮跡コースを選びました。登りの時にはまったく見過ごしていましたが、こんなに立派なマスタケを発見しました。

左京横手偵察2024

毎年必ず一度は野反湖から秋山郷へ抜ける山旅を楽しんできたのですが、コースの一部が立ち入り禁止になってもう3年も過ぎてしまいました。すっかり登山道の整備が入らなくなったので、どんなふうに荒れているのかわかりませんが、藪のひどさに困り果てて引き返してきた登山者もいます。 今回は無理せず左京横手の入り口くらいまで笹の伸び具合などを偵察するために歩いてみました。北沢までは6月のある雨上がりの日にサンカヨウの花を見に歩いています。その時よりもだいぶ笹が伸びた印象を受けました。 北沢から左京横手へと続く九十九折れの道からは3年ぶりです。ブナも混じる美しい森の面影を想い出しながら歩き始めましたが、少し歩くと深い笹薮が始まりました。 樹林の中の日が当たらないところになると登山道がはっきりわかって安心できますが、日当たりのいい南斜面は初めて歩く人は様子がわからないくらいの藪です。だいたい把握できたので、荒砥沢まで歩いて引き返しました。もう何十回と歩いた道だから、切明温泉まで個人的に迷うということはないでしょうが、この先イタドリ沢からに大倉峠まで相当笹薮の濃いところがあるに違いないです。 帰路クマの痕跡を見つけながら歩きました。最初サルかなとも思いましたが、糞の落ちていた場所から頭上の木を観察すると熊棚らしき痕を発見しました。細い木ですがウワミズザクラでまだ赤い実を残していました。 それからというもの、登りの時はまったく気が付かなかったのに、下りでは熊棚があちこちに目に入ってきます。毎日白砂山に登る人もみんな熊棚の痕に気が付かないのだなぁと納得です。 白砂山登山口まであと50mくらいのところで、クマ棚から落ちたウワミズザクラの大きな枝が落ちていました。登山者から熊はいますか?と良く尋ねられますが、もちろんいますよと答えているのは正解ですね。