自然

鵜ノ巣断崖~北山崎2024

筑波山から八甲田の酸ヶ湯温泉への移動途中で三陸を寄り道しました。震災後まだ間もない2011年の秋に、宮古で開催された三陸シーカヤックマラソンに参加した忘れられない思い出の地です。 震災前から三陸の海をカヤックで漕ぎたい夢をもっていたのになかなか実現せず、実際に初めて漕いだのが震災直後の三陸シーカヤックマラソンでした。イベントの後、浄土ヶ浜までツーリングしながら、もう一度また漕ぎに来たいと思いました。 再訪は2014年8月に実現しました。鵜ノ巣断崖や北山崎の断崖直下の海を漕ぐことが出来ました。 無数の洞窟をくぐりました。2014年はまだ震災の復興真っ只中で、もちろんそのことはいつも頭に入れて行動する必要がありました。 今回通過するだけでしたが、震災後13年以上の月日の重みを強く感じることが出来ました。一見するとほとんど復興したかのように新しい町並みや道路、漁港、堤防などが目に飛び込んできました。うっかりすると津波の恐怖を忘れてしまいそうになります。でもまだまだ癒やされることのない深い傷痕もあると思いました。 鵜ノ巣断崖の展望台からまたもう一度漕ぎに訪れたいと強く思いました。

八甲田BC2009

八甲田2009年1月9~12日 何年ぶりなんだろうか、八甲田のスキー。10年?・・・久しぶりの八甲田です。寝台特急あけぼのの車窓から八甲田を眺めながら、ワクワクしてきた。 初日は、ドピーカン。酸ヶ湯温泉に着いたのは昼前。せっかくだからとのんびり酸ヶ湯蕎麦のお昼をして、山支度になって歩き出したのは午後1時過ぎ。あわてて地獄沢ルートで大岳を目指すことにした。 ブナ林にはすでにしっかりしたトレースがあり有り難い。小一時間で仙人岱ヒュッテを通り過ぎ、正面に小岳を間近に仰ぎ見てあっちにも行ってみたいと後ろ髪をひかれながらも、時間がないので大岳を目指す。 しかし雲行きが怪しくなってきた。南の空から暗雲が迫ってくる。あっという間に大岳への登路はガスで視界不良となった。大岳から小岳との鞍部への快適スロープの極楽滑降は、視界不良の中に消え去ったのだった。 2日目 昨夜から天気は急に崩れて、朝から吹雪。ロープーウエイは風で動かないらしいが、とりあえず今日は八甲田スキー場へ行ってみることに。結構な新雪が積もっていそうなので、3時間券のリフト券でゲレンデパウダーを楽しむ。 10時過ぎロープーウエイが動き始めたので、早速ロープーウエイ乗り場へ。山頂はホワイトアウト。今日は無理せずダイレクトコースを下山。12時までゲレンデを滑って、午後は作戦変更だ。朝食をたらふく食べたので昼飯は食べない。時間の節約になっていい。八甲田スキー場からバスで酸ヶ湯に戻って、すぐにシールを貼って温泉前の切り開きの急斜面を登る。大岳まで行けるところまでという計画だ。 視界は良くないが、モンスターの間を縫うようにして歩くのは楽しい。2時間半ほど歩いて1350m付近で引き返すことにする。しかし、ちょうどこの時から、いよいよ八甲田は牙をむき出し暴れ始める。風上を向くとまともには息が出来ないくらいの風だ。そのため楽な方へ滑ってしまう。登りのトレースなどすぐに無くなる。いよいよ完全なホワイトアウト。GPSでしっかりルート確認をしないと、すぐに地獄沢の方へ寄ってしまう。焦らずゆっくり確実に下る。酸ヶ湯温泉の切り開きのスロープの上に立った時、ようやく安堵した。最後にフカフカのパウダーを滑って大満足。 そして千人風呂へドボン。翌日知ったが、その頃八甲田スキー場の中で遭難があったらしい。スキー場のコースの中だろうと、遭難してもおかしくない荒れ方だった。雪の洞で一夜を明かしたボーダーは、さぞ寒い夜を過ごしたことだろう。翌朝発見され、無事でなにより。 3日目 天候は回復傾向。ロープーウエイ山頂駅から外に出ると相変わらず視界不良だけど、今日は思い切って行くしかないだろう。登山届けを出して、ウロコテレマークでガイドツアーの大混雑の横をすり抜けて歩き出す。何しろ土地勘がないもので、あらかじめ頭に入れておいた地形図のイメージと、GPSの現在地を頼りに銅像ルートへ。 完全なホワイトアウトの中、恐る恐る田茂萢沢に滑り込む。そして、前嶽の右裾を目指してウロコを利かしながらモンスターの間をトラバース。今日の銅像ルートには1番乗りだ。下部は傾斜が緩いし、道路まで滑ってもピックアップしてもらう手段がないから適当なところで登り返す。せっかくだからと2本滑る。シールを貼って登り返しても大した苦労でもないのだ。今日も朝飯をたらふく食べたので、昼飯どころか行動食もいらない。 午後の部は中央ルートで田茂萢岳から酸ヶ湯温泉へ向かう。昨日のロープーウエイ山頂駅で聞いたガイドさんの話では、今年になってまだ酸ヶ湯温泉へ下った人はいないらしい。少し視界が良くなってきていたけれど、結局そんなに良くはならなかった。大半は横移動のトラバースだけど、いくつかのパフパフ斜面に歓声を上げながら1時間ほどで酸ヶ湯に下った。 もう少し視界が良ければ宮様コースを下りたかったけれど、銅像コースと違って誰にも会わない静かな八甲田を楽しむことが出来た。 スキーの後は、もちろん千人風呂にドボンだ。 4日目 最終日で朝から天気も良さそうなので、ロープーウエイを使って宮様コースとかへ足を伸ばしてみたいと目論んでいたけれど、ロープーウエイは強風で動かないらしい。そうとわかったら予定変更、酸ヶ湯から大岳方面を目指して登ることに。昨日いくつか面白そうなパウダー斜面をチェックしてあったので、寄り道して2つほど楽しむ。 まだ午前中の早い時間なので、その軽いこと!いよいよ毛無岱から大岳目指して登ることに。帰りの時間を考えて正午リミットで登れるところまで。一昨日の猛吹雪の高度よりちょっと上で時間切れ。 今日は視界がいいので、一昨日のホワイトアウトが嘘のようである。視界がないと滑りは楽しめない。今日はリベンジである。久しぶりの八甲田。八甲田の山々に裏山のような親しみを感じた・・・

シークレットkuniBC偵察2024-12-10

昨シーズンのBCは雪が少なくて、2月とは思えないコンディションの日もありました。今シーズンはどうなんでしょう?今週末から10年に一度の大雪になるという予報が出ています。もし当たれば、とりあえずはクリスマスパウダーやお正月パウダーに恵まれそうです。 酸ヶ湯から帰ってきて、ウラヤマの様子を偵察です。八甲田との微妙な植生の違いを感じながらハイクアップを楽しみました。こちらでは今秋、ナナカマドの実が不作でした。八甲田ではたわわに実った赤い実を下げたナナカマドをたくさん見かけたので、地域差が大きいと感じました。 あとやはり八甲田とウラヤマの違いは、今日のような青空の穏やかな天気に恵まれる日は、八甲田ではかなり少ないかもです。日本海や陸奥湾からの風がもろにぶつかるので、天気の急変も激しそうです。 もちろん共通点もたくさんあります。八甲田山も火山です。硫化水素の噴出している場所の通過は非常に危険です。通い慣れた草津白根山とは違って知らないルートを無暗に踏み込むことは危険です。 2009年の1月に酸ヶ湯をベースにして八甲田大岳の頂に立ったことがありました。シークレットkunうらやまの風景を眺めながら、山頂からの陸奥湾の景色がちらり見せてくれたことをしみじみと思い出します。 2009年1月の八甲田大岳山頂からの一枚です。 昨年の12月に見かけた飼い猫探しのポスターがまだ残っているのを見つけました。1年以上たっているので、どうなったのでしょう。このポスターの張ってある場所は、クマの生息地域なので、クマの気配を感じた飼い猫さんがパニックになるのもわかります。そうえば昨年はウサギに遭いました。 BCツアーやスノーシューツアーではたくさんのウサギの新しく付けられた足跡に出逢うことが出来ます。でも生きているウサギさんと逢えることは、本当にラッキーです。

シークレットkuniパウダーガイド2015-1-13

一つ石は、群馬県境稜線トレイルDエリアのエスケープルートである鷹巣尾根登山道にある標高1825mの小ピークです。一つ石と呼ばれる石がどこなのか、山名の由来がはっきりしませんが、一つ石ボウル勝手に呼んでる地滑りの大きな崩壊地形に見られる岩塊のどれかのことを指しているのかもしれません。 冬の時期の山頂は葉っぱが枯れ落ちて周りの山々の眺めがとても良くて楽しめます。群馬県境稜線トレイルの大高山やダン沢の頭も眺められます。 ガラン沢を挟んで横手山や芳ヶ平の山々もいつもと違った方向から楽しめます。 目を凝らすとヘリシュートもわかりました。 ハイクアップしながら雪質が安定していることを判断して最高の一本を楽しみました。 南面なので雪質の変化も激しいところですが、日の短い1月ならいい雪のことが多いです。

チャツボミゴケ公園までサイクリング2024-11-30

明日から冬季閉園になるので、今年もたくさん訪れてお世話になったチャツボミゴケ公園までペダルを漕いで行ってきました。 日中でも気温7度と低めなので、空気が冷たくて気持ちいいのを通り過ぎてちょっと凍えました。 今朝のチャツボミゴケ公園は、白一色に雪化粧していたそうです。私たちは閉園ぎりぎりの午後2時半だったので、教えてもらわないと気付かないくらいに日陰に少し残っている程度でした。 すっかり紅葉シーズンも終わって、完全に冬枯れな穴地獄のチャツボミゴケ公園を歩けました。今年最後の観光客の方の後ろから周りました。 陽が落ちるのも早くなった穴地獄ですが、相変わらずチャツボミゴケは蛍光グリーンの輝きで元気に迎えてくれました。 マリモみたいにこんもり丸くなっているチャツボミゴケがたくさん見られました。ビロードの絨毯と形容されることが一般的ですが、こちらのマリモなイメージのキャッチフレーズもなにか考えたいです。 そして、さすがにモネの池でもまだ薄い氷が張っていました。 これでチャツボミゴケ公園は来年4月下旬頃まで冬季閉園です。長い冬の間は雪で閉ざされることになります。 ところで2025ホワイトシーズンも、中之条町観光協会主催のスノーシューハイキングツアーが開催です。開催要項のお問い合わせは中之条町観光協会までよろしくお願いします。

11月のレイクカヤック2024

今年は紅葉が遅れているおかげで11月に入ってもまだまだ各地で楽しめています。奥利根湖の見頃は先週だったようで、ブナの葉っぱはほとんど落ちていましたが、ツツジ類やカエデ類の葉っぱは散らずにたくさん残っていました。 10月から出艇時間が午前8時半で、ゲート前にはエンジン付きボートを牽引した車が10台くらい並びました。カヤックは私一人だけだったようで、エンジンボートがすべて出艇した後で最後に一人静かに漕ぎだしました。 釣りのハイシーズンではないので、風のない湖面は静寂です。紅葉が鮮やかな入江を目指して気の向くままにパドリングを楽しみました。 幽ノ沢のバックウオーターに上陸してみました。ほぼ満水なので綺麗な水が流れる沢の中にカヤックを付けることができました。 昔はキャンプなども自由だったので、釣り人や沢登の人などで人気のあった沢ですが、今はヤマハハコのドライフラワーがひっそりと迎えてくれました。 奥利根湖はこれから長い長い冬の季節を迎えることでしょう。来週は高い山が再び雪化粧する天気予報です。

E-MTBツアー紅葉の暮坂~八ッ場ダム湖周遊2024-11-11

標高1000mの暮坂高原は今まさに紅葉が見頃です。錦秋色に包まれた静かな林道をのんびり漕ぎながらまずは峠を目指します。 一台の車もすれ違うことなくまったくの無人の林道でした。 美人の湯で知られた古い温泉宿と一日一組限定の知る人ぞ知る秘湯の温泉宿の前を通り過ぎて、八ッ場ダムで新しく作られた国道バイパスに出ました。 吾妻川の橋を渡ります。芦倉山を正面に見ながら橋を渡って道の駅に寄ってみました。芦鞍山は春に地図調査した山です。葉っぱがすべて枯れ落ちる初冬の頃も楽しそうな山です。ただ急坂がある山頂直下は、落ち葉で滑りやすいかもしれません。 観光客でにぎわう道の駅のお土産屋さんを少し覗いてから、八ッ場ダム湖方面へ向かいます。長い長いトンネルを抜けると八ッ場ダム湖に出ました。それほど勾配はきつくなかったですが、トンネルの中は上りだったようです。 ちょうどお昼の時間でお腹も空いてきてました。小さな赤い煙突のあるレストランでゆっくりランチにしました。たまごチャーハンととんかつ定食です。 ここのとんかつ定食はレモン醤油がお薦めのようで、試してみましたが、さっぱりしていてソースよりも美味しくいただけました。 ダム湖は満水でした。湖面に映る紅葉の山々が綺麗でした。 八ッ場ダムにある道の駅にも寄り道して、長野原草津口駅の前を通って帰りました。 帰りはひたすら登りですが、紅葉をゆっくり楽しみながらペダルが漕げました。 帰りの林道沿いでサルの群れに遭いました。罠で仕掛けられた檻の中に一頭のサルがかかっていました。きっと群れのサルたちが仲間を助けようと集まっていたのかもしれません。 これから葉っぱがすべて枯れ落ちる初冬の季節まで、E-MTBやE-BIKEが楽しい季節です。

第17回ノゾリチャツお散歩ツアー2024-11-5

2024グリーンシーズンもたくさんの方々をガイドさせていただいたお散歩ツアーでした。振り返ってみると、ノゾリチャツお散歩ツアーは17回、ラムお散歩ツアーは6回の開催でした。大変ありがとうございました。 今日の野反湖の気温はたったの6度で、北風が一層冷たく感じさせてくれました。そんな中でも湖に立ちこんで一心にフライロッドを振っている釣り師の姿も見かけられました。こんな日はアツアツのお蕎麦が恋しくなります。お散歩ツアーの昼食は、どちらも地元で大人気店のお蕎麦ランチが魅力です。 チャツボミゴケ公園の紅葉は最後の輝きを見せてくれています。蛍光グリーンのチャツボミゴケと鮮やかな赤やオレンジ、黄色に色づいた木々の葉が見事にコラボレーションしています。 このところツアーが続いて、毎日のようにチャツボミゴケの様子を観察していますが、訪れるたびに新たな発見の驚きがあります。 ツアーの開催はそろそろ終了ですが、チャツボミゴケ公園は11月末くらいまで開園していますので、まだまだ楽しめます。

芳ヶ平湿地群自然観察会2024-10-23

地元である町主催の自然観察会があいにくの霧雨模様の中で決行されました。来年10周年を迎えるラムサール条約芳ヶ平湿地群のプレイベントです。 霧のベールに包まれた紅葉の森の雰囲気はとても幻想的でした。ゲストの皆さんは、しっとりと森のたたずまいや、どこからともなく漂ってくる森のいい匂いを敏感に感じられているようでした。 今回のコースのテーマは、およそ1万6千年前に噴火して大量に噴出された平兵衛池溶岩の痕跡を探してみることにしました。穴地獄から八石山までのコースは、途中に水池と大池、平兵衛池の三つの池があります。これらは、長い年月の中で自然が偶然に作り出した造形美です。 大池では深い霧がいつもとまったく違う表情で私たちを迎えてくれました。ほとんどのゲストの皆さんは大池に初めて訪れましたが、向こう岸が見えないほどの霧のベールに様々な想像を働かせて眺めました。向こう岸の距離を感じるためにみんなでヤッホッとやまびこが返ってくるのを聴いてみたりもしました。 ミズナラの森からコメツガの森へと移り変わっていくと、ひんやりとした空気が感じられる沢沿いの道になります。そこでは溶岩台地の上に残された原生林の痕跡が見られます。この場所は一番遅くまで雪渓も残っている場所であり、とても神秘的で荘厳な雰囲気を感じることができます。 今日の天気では八石山での素晴らしい展望が楽しめるようではないので、急遽予定を変更して昼食場所を四つ角にしました。1か月前に藪蚊の大群に襲われた場所ですが、さすがにもう涼しくて安心してお昼をたべられました。 最後にもう一度チャツボミゴケを観察してから下山。元気もらって無事ゴールでした。

第4回群馬県境稜線トレイルCエリア探査2024-10-22

昨日のDエリア探査に続いて今日はCエリアを探査です。夜明け前の野反湖は霧が湖面に発生して幻想的でした。日曜日の大風で登山道上には落ち葉が降り積もっていました。 ドライでクールな気候だから足も軽く感じます。快適に白砂山稜線まで登ってきました。 今日は南風が吹くのでガスが湧きやすいのかなと心配していましたが、結果的には一日とてもクリアに遠くの景色まで楽しめました。 Cエリアの白砂山から三坂峠までの約9㎞の区間は、2018年に新規登山道として整備され藪漕ぎなしに歩けるようになりました。まずは白砂山から上ノ間山まで、笹原が気持ちよさそうに風で波打つ稜線の小ピークをいくつも越えていきます。 Cエリアで一番大好きな場所からの風景です。上ノ間山2,033mから赤沢山を越えて忠次郎山へと続く稜線トレイルです。 次に好きな風景は白砂川源流域の複雑な地形の様子を俯瞰できる場所です。 それは、忠次郎山からムジナ平避難小屋手前までの区間です。 まさに白砂川最源流域のそのダイナミックな光景を眼下に独り占めです。 今日は昼寝でもしたくなるようなうららかなお天気です。それと対称的に、点検に入ったムジナ平避難小屋の室内は、一昨日の土日の悪天候でビバークした登山者が、寒さをしのいで大変だったような気配と匂いがまだぷんぷん残っているように感じました。 セバトノ頭は知る人ぞ知るジャンクションピークです。平らな湿地なので地図上でもとても詠み辛いです。いつの間にか目の前に四万川源流域が広がります。ここが笹平です。 。四万川水系と白砂川水系の分水嶺の向こうに、さっきまで歩いて来た上の間山からの稜線の山々が振り返られました。 もうヤマビルに悩まされることもない季節です。三坂峠からのエスケープルートで下山せずに、稲包山を越えて四万温泉まで足を延ばすこともおすすめです。三坂峠から奥四万湖の登山口まで約3時間くらいでしょう。