バックカントリー

白砂山BC偵察2020-4-11

いつの間にか5年前になってしまった2020年4月11日の白砂山BCです。大きな雪庇が発達しない年だったので、雪庇の崩壊やブロック雪崩などで稜線の雪はズタズタにならず綺麗なものです。 この時は中尾根の頭の左肩にアプローチできる通称タカンボウ尾根をルートにできました。登山道ルートのシラビソ尾根往復よりも快適にトレースできます。ただしタカンボウ尾根はハンノキ沢のスノーブリッジが頼りです。昨日の地蔵山までの偵察では、今年はもう時期が遅くてアプローチに使えませんでした。 正午過ぎ白砂山山頂到着。約4時間のコースタイムでした。白砂川の源頭斜面も綺麗な雪付きです。どこまでも滑って行きたい衝動にかられますが、3ターンで踏みとどまって下山。 群馬県側を上手にトラバースしながら堂岩山と中尾根の頭の鞍部を目指します。 こういう上り下りがあってエッジングも必要なトラバースルートこそ、ウロコ板の真骨頂です。 タカンボウ尾根も少し起伏のある尾根なので、こういった場面でもウロコ板は大活躍です。 2020年はスノーブリッジが最後の一つで残っていました。2025年の今年は、4月半ばになって暖かい日が続いたのであっという間に雪が融けてスノーブリッジも消えてしまったようです。 大雪の今年こそ、このようなスノーブリッジに期待していたのですが・・・

シークレットkuniBC偵察2025-4-25

4月23日に道路開通してまだ3日目ですが、どんどん雪融けが進んでいるのがわかります。野反湖の奥の大倉山や八十三山、堂岩山へのスキールートも雪が途切れるところが多くなり厳しそうです。ハンノキ沢の橋の雪は無くなりましたが、水量は雪代で多いです。 ハンノキ沢の右岸を少し遡って、上流のスノーブリッジの様子をダメもとで確認してみました。途中の雪も数か所途切れます。もっとも快適な中尾根の頭ルートを最後に登ったのは2020年4月11日が最後で、その時はハンノキ沢はもちろん、タカンボウ沢のスノーブリッジもかろうじて残っていて難なく取り付けました。 今回は、地蔵山へと続く尾根ルートを選んで登ることにしました。こちらもかつて良く登ったり滑ったりしたルートです。最初は笹薮の迷路でしたが、だんだん残雪が多くなってきて一安心です。 この辺りの森は、根上がりの木がいたるところにみられます。 ようやく小ピークを越えて、ふと顔を上げると、堂岩山が見えてきました。 午前11時半、地蔵山到着です。この時期の地蔵山は展望がなかなか良いです。 登山道のある堂岩山への尾根ルートにはしっかりとまだ雪があります。八十三山や大倉山も遠望できます。 ゆっくり山頂でお昼休憩した後、登山道ルートで下山しました。 途中細い雪庇の尾根なんかもありますが、北沢分岐辺りまで快適に滑り降りることが出来ました。 ただその後、ハンノキ沢までの急坂の区間はシートラで登山道を下りました。途中で家内が長年愛用していたキャノンのデジカメを気付かず落としてしまったようですが、もう後の祭りです。 この頃天気が急変。北風が強く吹き始めてみるみる白い霧の中に山の景色は包まれてしまいました。

シークレットkuniBC縦走ガイド2025-4-24

今年の冬季閉鎖解除されたばかりの志賀草津道路は、まだまだ残雪がたくさんありました。自転車利用で渋峠までアプローチして、厳冬期にツアーするいつものルートの逆移動で楽しく縦走することができました。 渋峠ホテルのウラヤマ、池ノ塔山からは北アルプスの山並みが一望でした。振り返れば岩菅連峰や苗場山、白砂山連峰までもこれまた一望です。 国道を横断する場所は高い雪の壁の場所が多いので要注意箇所です。上手く通過する場所を選定するのがコツです。また、これから日毎雪解けが進むので、雪が繋がらなくなります。ツアーが快適にできるのはGW前半までの短い期間でしょう。 お昼近くになってくると、気温がかなり上がってきて夏の暑さを感じました。日陰が恋しくなります。 雪の回廊で記念写真を撮ったりしている観光客はまばらでした。今日が平日だからというだけでなく、雪崩で通行できない箇所があって草津温泉ゲートの開通式が延期になったままだからでしょう。雪の回廊を上から覗きながら、すぐ下の好スロープを滑ります。 坊主山でゆっくりお昼休憩をとりました。残雪がまだら模様に美しいモザイクを作って、まさしく自然のアートです。 そして、お楽しみの最後の大斜面です。

シークレットkuniBCガイド2025-4-20

初夏のような陽気が続いて山里では桜の花が咲き始めています。雪融けもどんどん進んでいて、一昨日の下見から比べると雪がどんどん少なくなっているのがわかりました。今日は三壁山からエビ山へとつなぐバックカントリーならではのコースを楽しみました。でもこの雪融けの早さを目の前にすると、スノーブリッジが目当てのルートはそろそろ心配になってきます。 壁のような急坂が3回あるから三壁山ですが、これがなかなかきつい登りです。スキーアイゼンを付けたほうが楽に登れたかもです。でも高度を上げるごとに、眼下に素晴らしい野反湖の山々の景色が広がっていきます。 薄曇りの天気がちょうど良かったです。遠くの山々の景色も苗場山や白砂山などが眺められて十分楽しめました。 腰を下ろしてゆっくりと三壁山頂でお昼の時間をとりました。23日の道路開通を前にキャンプ場の方で忙しく駐車場の除雪作業をしている音も聞こえていましたが、お昼休みに入ったようで静かになっていました。今日のような春スキーは風が気持ち良くて最高です。 三壁山からはエビ山との間の沢に向かってスキー向きの尾根を滑り下りました。すでにスノーブリッジの崩壊は進んでいて、沢に近付くほど賑やかな沢音が大きくなってきました。 ここからは慎重なルーファイが必要です。そんな時、今まで見たことが無かった幻想的な小さな池を発見しました。もちろん地図にも載っていないしびっくりです。 きわどいルートでスノーブリッジのある沢床に滑り降りて、今度はエビ山目指して登り返します。根上がりのコメツガの古木が目につく森は、ずっと手つかずの自然である証でしょうか。ほとんど人の入らない原生林には霊気が感じられます。 午後1時半、予定通りエビの見晴らし台とうちゃこ。一昨日に偵察した時よりもやはり雪融けが進んでいることを実感します。 午後を周ってからさらに雪が緩んでスキーの滑りが鈍くなりましたが、それでも湖面に向かって気持ちよくシュプールを描いて滑りを楽しみました。 八間山をバックに湖畔でシーハイル!

シークレットkuniBC偵察2025-4-18

対岸のエビ山を眺めながら、どこをどう登って滑るかイメージしてみました。やはりいつものように、第2キャンプ場からエビの見晴らし台まで登山道通りハイクして、シラカバ渕へ急で開けた斜面を縫うように滑り降りるルートが楽しそうです。 今日もウロコ日和でした。細板なので軽快にハイクアップできました。ノートラックの魅力的な斜面を見下ろしながら、帰りのコースを吟味するのは楽しいです。 小一時間でエビの見晴らし台到着。向こうにエビ山本峰が見えて、その向こうには草津白根山です。 向きを左に向けると、堂岩山の右肩に白砂山も頭を覗かせていました。 ちょっと休んで、いよいよお楽しみのダウンヒルです。残念ながら昨日の至仏山同様引っかかる雪でした。でもノートラックのツリーランは楽しかったです。あっという間に湖畔まで滑り降りてしまいました。 今日は初夏のような陽気になりましたが、帰路道路のアスファルトを横断中の蛇くんと出逢いました。冬眠していた生き物も動き出し始めています。野反湖は4月23日午前10時にいよいよ山開きです。役場関係職員の皆さんが来て水道やトイレ施設の準備に忙しく動かれていました。野反湖登山案内センターの開所は6月からですが、ブログなどでは登山道等の情報発信をしていきたいと思います。GWは久しぶりに残雪の多い野反湖なので、登山道はほぼ雪渓の下に埋もれていてわかりにくいと思います。雪山初心者にとっては、道迷いや踏み抜き、滑落など様々な危険が待ち受けています。白砂山や三壁山などに登りに来られる登山者の方には、当分の間は雪山登山の心構えや装備で楽しんでもらいたいです。

尾瀬・至仏山BC偵察2025-4-17

明日18日午前10時からいよいよ戸倉から鳩待峠まで冬季道路閉鎖解除になります。津奈木橋近くまで来ると笠品川にはまだスノーブリッジがかろうじて残っていますが、今冬の大雪を物語っています。 鳩待峠では明日の開通を前に急ピッチで除雪作業をしていました。邪魔にならないように裏から至仏山の登山コースに周りましたが、至仏山がでっかく眺められる場所がありました。 前回12日に歩いた時はまだなかった新しい赤布がコース上にわかりやすく付けられていました。気温が今日も高いので、ウロコでも十分に歩けます。 小山沢田代付近でシールを剥がしてウロコにチェンジ。 小至仏山のトラバース入り口付近で植生保護の看板も設置されていました。雪が少ない年はこの辺りでもうハイマツや蛇紋岩の地肌が顔を出していますが、今春はまだまだ大丈夫そうです。 トラバースルートから外れて小至仏山の山頂に久しぶりに立ち寄ってみました。 午後12時半至仏山山頂。ムジナ沢を偵察する予定でしたが、ワル沢に変更。少し風が強いのでお昼ご飯は風の弱いところまで滑って食べることにしました。 前回のガイドからまた新たに山頂付近では積雪があったようで、ノートラックの大斜面を楽しめましたが、引っかかる雪質でちょっと手こずります。でも気分は最高で、お昼ご飯も忘れてどこまでも滑ってしまいました。 ワル沢の大斜面を見上げながらゆっくりお昼休憩をして帰路につきました。 明日から鳩待峠や至仏山は、大勢の登山者やスキーヤーで賑わうことでしょう。

尾瀬・至仏山BCガイド2025-4-12

サクラが咲いて春爛漫な季節になり、すっかりザラメ雪が楽しいバックカントリーシーズンです。ただし何日か前には落雷事故のニュースがあったり、昨日も家の近くで突然雷鳴が聴こえてきたりで、春の天候判断にも注意が必要です。土曜日の今日は素晴らしいバックカントリー日和になりました。そして鳩待峠までやって来てびっくり。久しぶりの大雪だった今冬を実感した残雪量でした。 もう9時を過ぎていましたが、これからのんびりハイクアップして、12時半くらいに至仏山山頂に到着する予定です。気温もかなり上がっていて、雪も緩んでいます。ゲストさんはもちろんシール登行ですが、私はウロコで全然大丈夫そうなのでシールは貼らずにハイクです。 途中賑やかなグループを追い越して、オヤマ沢田代を過ぎると左の景色が開けて谷川連峰の山々が迫力です。ただ今回は残念ながら、春霞で白砂山の奥の方の山々は見通せませんでした。 小至仏山のトラバースも安定した雪質で不安感はなく、それでも念のためにスキーアイゼンを付けてもらって歩きました。ここからの尾瀬ヶ原の絶景は思わず息をのむ美しさです。 小至仏のトラバースを終えて、3度目の最後の休憩です。昨年の4月13日のここからの景色を想い出すと、やはり今春の残雪の多さを実感です。昨年はハイマツや岩塊がたくさん顔を出していて、かなり右下をトラバースしました。今回は稜線上をきっちりとトレースできます。 午後12時20分、至仏山山頂到着。山頂は日も暖かくて風も穏やかで、のんびり休憩することが出来ました。すでに登頂しているグループものんびりまどろんでいます。また既にムジナ沢を滑ったグループが登り返してきます。今日はたくさんのバックカントリースキーヤーたちが楽しんでいるようです。 いよいよダウンヒルです。ワル沢にはすでに何本ものシュプールが刻まれていましたが、まだまだ周りにはノートラックの面ツル斜面がたくさん残されていました。そして雪質に恵まれて、気持ちよくワル沢の大斜面に自由自在なシュプールを描くことが出来ました。 滑り降りたボトムの川上川は、まだまだ雪の中に埋もれていました。いつもなら渡渉地点を少し探さなければならないのですが、今年はそんな苦労はまったくなしです。一番楽なルートで鳩待峠に登り返すことが出来ました。 鳩待峠着午後1時45分。戸倉ゴール午後2時20分でした。

シークレットkuniBC偵察2025-4-8

ダート道をチャリでアプローチ。林道奥から登山道をしばらくシートラして小一時間、ようやく雪の上をシール登行。ここのところ晴天が続き、昨日より気温も上がる今日はザラメがいい感じ滑りやすいことを期待して偵察連ちゃんです。 急斜面が続く尾根をハイクアップすると、やがて昨日滑った八間山が向こう側に現れました。気持ちよくザラメ斜面を滑った感覚が思い出されます。 反対側には迫力のガラン沢渓谷の奥に横手山です。一つ石へと続く細尾根の最後の急登を前に、スキーアイゼンを装着しました。一つ石直下は雪庇が出来るので、今日みたいな日はスキーアイゼンがあるときっと安心です。 帰りに滑って降りようと予定していた一つ石ボウルですが、大きなクラックが入ってズタズタに切れていました。さらに山頂直下も。 強引に這い上がることも出来そうでしたが、滑降モードにチェンジしてウロコで雪の繋がっているところをうまくルーファイして一つ石山頂へ。午前10時25分通過です。 一つ石ボウルを滑るのはやめて奥の斜面へ。裏天狗と勝手に名付けているコースを滑って帰ることにしました。 一本滑ってウロコで登り返している途中で新しい熊の足跡を発見。子熊かな?先にこちらの気配に気付いて逃げた感じです。ところが裏天狗を滑っている途中でまたもやクマの足跡。今度は大きい。クマさんの縄張りに侵入しているのはこちらですから、逢わないように気を付けなければです。 一つ石ボウル下部を午前11時11分通過。なぎ倒されてぶった切りにされたダケカンバの悲惨な残骸がデブリに半分埋まっていました。大きな雪崩が起こった痕跡です。 気が付いたらザラメシーズン真っ只中です。

シークレットkuniBC偵察2025-4-7

今日はイカ岩沢(勝手に名前を付けました!)付近から、いつも滑って降りるルートの尾根に取りついてみました。まだアイスバーン気味で急斜面はシールがスリップしますが、時間がたてばだんだん緩むことでしょう。 ハイクアップしながら、かつて六合村だった30代前半の頃に、朝早く野反湖まで車で登ってきて、三壁山を一本滑ってから普通に出勤したのんびりした時代のことを思い出します。午前11時、八間山山頂。山名標柱は今だ厚い雪の下です。大雪の年だというのが実感できます。 新潟県側は天気悪そうでしたが、白砂山稜線は姿を見せてくれました。前回登頂した時のトレースもシュプールもすべてリセットされていて、今回も綺麗な雪原に自由自在のシュプールを描くことができました。 遠くから眺める白砂山稜線同様、八間山稜線も大雪だからといって大きな雪庇はできなかったようです、最後の山頂まで稜線通しにスキーで通過できました。大きな雪庇が出来る年はズタズタになって通行が困難だったりしますが、今年はまろやかな感じなのはどうしてでしょう? 毎年雪の積もり方が違っていて昔のようではないように感じますが、これも気候変動の表れということなんでしょうか。 ところで、4月23日午前9時半頃から今年も例年通り道路開通式が開催されます。町観光関係者によって安全祈願の神事が厳かに行われた後、午前10時に開門です。いよいよ一般車の車が野反湖までの国道405号線へと乗り入れることができます。 昨年も一昨年も残雪が少なくて寂しかったですが、今年こそかつてのように道路開通後もまだまだ残雪のバックカントリーやスノーシューツアー出来そうな残雪量でした。

シークレットagatsumaBC偵察2025-4-5

バックカントリーでスピーディに縦走ツアーをするために理想的な雪質と天気に恵まれた一日でした。念のために携行したブーツアイゼンもせっかくだから今シーズン初使用して、雪稜漫歩を楽しみました。 山頂が標高2354mの四阿山は、吾妻エリアの山の中でモンスターが見られる確率が高い山です。もう4月に入ったというのに期待を裏切らず、樹氷の綺麗な景色に癒されながらのハイクアップでした。 そして今日の先行者はウサギさんだけ。最高の稜線漫歩を楽しみました。 ロープーウエイ山頂駅を歩きだしたのが午前9時くらいだったので約2時間ほどで山頂です。無風ですがやはり手袋は途中で厚手に変えました。菅平方面からの登山者はまだそれほど多く登って来ない時間だったので、山頂は静かでした。 今回は縦走で群馬県境稜線トレイルのルートで鳥居峠へ滑って下ります。お昼を回ると気温も上がって雪もちょうど良い感じに緩みました。BCでは始めてトレースするルートなので、いくつかの痩せ尾根の通過が不安です。でもどこも大きな問題もなく通過。 古永井分岐手前のガレ場は、少しの区間スキーを担いでツボ足で歩きました。古永井分岐からは、的岩寄りにミズナラの森の斜面が少し滑りを楽しめました。 いい気になって滑り過ぎると的岩を通り過ぎてしまうので、途中からトラバースしました。勘が当たってちょうどいい具合に的岩に出ました。無雪期なら藪漕ぎでしょうが、今日はスキーで快適に的岩に沿って滑って下ります。 ずっと鳥居峠まで滑って行く予定でしたが、さすがにこの時期になると下部は笹が顔を出し始めていてちょっと早めに林道へショートカット。少し板を担ぎましたが、午後2時、予定より1時間早く無事スキーで迎えの車が待つ鳥居峠にゴールイン。