Street talk/カール・ラッツアー
ジャケ買いこそレコードハンターの醍醐味です。ジャケットのデザインはもちろんですが、まったく知らないミュージシャンの名前やメンバー構成、録音日、曲目などからイメージしながら買うか買わないか最後の決断をするときの楽しさ。そして帰宅してからレコードの上に針を落とした瞬間、流れてくる音楽・・・・今回ネット検索して初めてカール・ラッツアーというギタリストのことを知りました。現在も出身地のオーストリアで活躍しているようです。
ジャケ買いこそレコードハンターの醍醐味です。ジャケットのデザインはもちろんですが、まったく知らないミュージシャンの名前やメンバー構成、録音日、曲目などからイメージしながら買うか買わないか最後の決断をするときの楽しさ。そして帰宅してからレコードの上に針を落とした瞬間、流れてくる音楽・・・・今回ネット検索して初めてカール・ラッツアーというギタリストのことを知りました。現在も出身地のオーストリアで活躍しているようです。
当時クロスオーバーというジャンル分けが流行り始めると、後からフージョンなどという言葉が追いかけて来て、どこが違うんだか今もわかりません。今じゃ何でもいいじゃんって感覚ですが、70年代は次から次へといろいろな新しい音楽が溢れ始めた面白い時代だったように思います。これは、10代後半に手に入れた中古盤ですが、久しぶりに聴きました。ブリージンの心地よさ、マスカレードのカッコよさは、今聴いてもいいですね。
今日1月22日はジャズの日だそうです。JAZZ=JANUARY(1月)のJAと22日はZZに似ているということからとのことです。なるほど。24枚目のアルバムはCTIレーベルからのトロンボーン奏者、アービーグリーンです。トロンボーン奏者のリーダーアルバムは珍しいし実際私の所有数も数枚あるかどうかかな。このレコードはアービーグリーンという今まで聴いたことのない人なので、はっきりいって興味本位の衝動買いでした。といってもポップでゴージャスなサウンドが売りのCTIレーベルだし、サイドメンたちも豪華なので期待十分です。初めてレコードに針を落とした時、1曲目からなるほど!となっとく。スティービーワンダーのアナザースターです。アレンジはドンセベスキーではなくてデビッドマシューズ。
輸入盤コーナー漁り?に夢中だった10代後半、このレコードはよく見かけた覚えがあります。でもジャケットからイメージされるサウンドがまったく浮かばず食指が動かなかったようです。当時国内版でも出ていたようですが、スイングジャーナルで紹介されていたんだろうか。ずっと後になってハンガリー出身のベーシスト、アラダーペゲのことに興味が出てきて、中古盤で手に入れました。もっと激しく難解なフリージャズかと想像していたら、東欧らしいクラシカルでスインギーなピアノとのデュオ作品でした。1983年ポリスのシンクロニシティが世界的大ヒットになりましたが、こちらの作品は1978年録音です。
次もキャノンボールアダレイが来ました。こちらは、10代の頃、キャノンボールアダレイのレコードで一番最初に再発盤の新譜で購入したもの。サンフランシスコのライブハウス、ジャズワークショップでの熱狂的なライブの雰囲気が伝わってきます。B-1のランディウエストン作曲ハイフライは、エリックドルフィーのインヨーロッパでも演奏されていて、実はこちらの演奏を先に知っていたので聴き比べが興味深かったです。ただしドルフィーの楽器はアルトではなくてフルートでベースとのデュオですが。録音はキャノンボールが1959年でドルフィーは1961年。ドルフィーはキャノンボールのレコードを聴いていたのだろうか・・・
クリントイーストウッドの映画でキャノンボールアダレイのバンドが演奏しているシーンが突然出てきてびっくりしたことがあります。ジョーザビヌルが参加している時期です。その時の演奏がかっこよくて、中古レコード屋さんでなるべく晩年のキャノンボールのレコードを漁っていたら、ゲットできたのがこれです。これは、ザビヌルからジョージデュークにメンバーチェンジしていますが、まさに遺作となった作品です。他の参加ミュージシャンも豪華です。今、ネットで調べたらクリントイーストウッド初監督作品、恐怖のメロディという映画で、実際にモントルージャズフェスティバル(1970年9月)に出演している演奏の中で撮影したそうです。余談ですが、同じように生のジャズライブが映画で出てくるのって結構他にもあるかもです。ひとつ思いついたのは、男はつらいよシーリーズで、第35作「男はつらいよ・寅次郎恋愛塾」で六本木ピットイン?で演奏する大野エリさんと井上淑彦さんがちらり出てきました。
アートペッパーとのデュエットでも素晴らしいピアノを弾いていたジョージケイブルスに魅かれて、しかもコンコードレーベルで地味ですが聴いたことのあるギタリストとのデュエットということで即買い。もちろん中古盤です。狙い通り、ピアノとギターの上品で美しいインタープレイが楽しめる一枚です。
10代の頃はもっぱらカセットテープに録音してジャズを愛聴することが多かったです。はじめの頃は、近所のジャズ好きのお兄さんのコレクターからだったり、FM放送をエアチェックしたりでした。やがて貸しレコード屋というのが流行るようになってからは、スライ&ザファミリーストーンとかシカゴとかジャズ以外のジャンルなどもチャレンジ的に借りて録音し、幅広く聴けるようになりました。でもまぁ、振り返ってみると、今みたいにネットで手軽に世界中の音楽が聴ける時代とは比べ物にならないくらい不便な時代でした。ところで、カセットテープの種類は単純なものではなく、「ノーマルポジション」(TYPEI)、「ハイポジション」(TYPEII)、「メタル」(TYPEIV)などの種類があって、お気に入りのレコードはちょっと値段が高いハイポジションのカセットに録音していました。この2枚組のレコードは、たしか少し高額なTDKの90分SAテープに録音してました。録音クレジットをインデックスカードに色分けで丁寧に書いて、他よりもちょっと格上の扱いというか聴き方でした。A面のピアノイントロダクションから処女航海へと感動的に演奏されていく演出は、今聴いてもやっぱり感動モノです。このレコードはずっと後になって、中古で手に入れたものです。
ビッグバンドはあまり聴かない中で、ギルエバンスとサドメルの中古盤はソロイストの演奏が気になるのでいくつか持ってます。サドメルのライブインジャパンもその中の一枚。若き日のビリーハーパーがメンバーに入っていますが、ソロはほんの少し聴けるだけです。でも最初の一音から彼らしいフレッシュなフレーズが飛び出してきて安心しました。サドメルのいいところは、サドジョーンズの斬新なオーケストレーションとメルルイスのかっこいいドラム、各セクションからの個性的なソロが三位一体で楽しめるところです。ライブイントーキョウは全演目から選りすぐりの5曲でしょうが、あまりの名演奏ばかりに他の曲も全部聴きたくなります。サドメル・オーケストラはその後サドジョーンズが離れてメルルイスジャズオーケストラとして、NYビレッジバンガードの月曜の夜に出演していました。21のNY滞在中に一度生で聴いているのですが、メルルイス以外のメンバーで誰が出ていたとか忘却の彼方です。
スティーブグロスマンとの最初の出逢いは、マイルスのジャックジョンソンです。近所のジャズ好きなお兄さんからレコードを借りて、カセットテープに録音して良く聴いていました。1970年録音のジャックジョンソンから14年、このレコード、ホールドザラインは1984年録音です。スティーブグロスマンの演奏はオーソドックスなスタイルに変貌して別人に近いくらいです。ソニーロリンズを彷彿するような、いやいやソニーロリンズと一瞬聞き違えるくらい貫禄の演奏です。でもちょこっとコルトレーンだったり、スティーブグロスマンらしいフレーズもあったりできるので安心します。ジャケットにサインらしき赤ペンが書かれていますが、よく見るととあります。吉田正弘とは、このアルバムでもドラムをたたいている吉田正広氏です。スティーブグロスマンのサインではなかったです。