nakanojo(中之条)

白砂山の夏2025

朝霧に濡れる稜線は、露でお花畑がいっそう輝やきを増して、特別に美しいと感じる時間です。マルバダケブキやハクサンフウロ、ハコネギク、ホツツジ、ハクサンオミナエシ、リンドウ、エゾシオガマ、タテヤマウツボグサ、ホソバコゴメグサ、キオン、アキノキリンソウ、コメツツジ、コイチヨウラン、ミヤマコウゾリナ、イタドリ、オトギリソウ、ジョウシュウオニアザミなどが咲き誇っていました。 日が高くなり霧が晴れてくると、たくさんの蝶が舞い始めました。盛んに花の蜜を求める蝶たちのなぜか愛らしい姿は、稜線に花が咲き乱れるこの時期だからこその情景です。クジャクチョウやベニヒカゲ、キアゲハたちが競うように蜜のある花を選んでいるようでした。 そして野反湖のヨツバヒヨドリには昨年あたりからさっぱり飛んでこなくなったアサギマダラも、ここではいくつも気持ちよさそうに稜線の風の中で舞っていました。 日の当たらない特別な場所にひっそりと咲くコイチヨウランは、花好きであればきっと見つけられて幸せな気分にさせてくれることでしょう。 秋を感じさせてくれる熟し始めた実もありました。ゴゼンタチバナ、マイズルソウ、オオカメノキ、ツバメオモト、ミツバオウレン、スノキ、コケモモ、クロマメノキなどです。 山の日3連休は初日だけが登山日和で、最終日の山の日もあいにくの雨でした。これからお盆にかけて晴れの日が続きそうなので、今日は平日に関わらず白砂山山頂は登山者で賑わったようです。 そして、大きなザックを背覆った登山者はぐんま稜線トレイルの縦走登山者だと一目でわかります。今回は白砂山稜線上で、平標山から鳥居峠に向かう縦走登山者と志賀高原から三国峠に向かう縦走登山者の二人の方と出逢えました。 アキアカネが乱舞する白砂山山頂では、夏山らしいのどかな時間が流れていました・・・

サンビキ(三引山)1938,9m

サンビキ山は、野反湖の奥にどっしりと聳える三壁山とほぼ同じくらいの高さで、秋山郷へと続く北方稜線上にあります。池の峠駐車場付近から眺めることが出来ます。夏道がないので残雪期に歩くのが最も楽に山頂に立つ方法です。2万5千図で調べると、西側の千沢へと落ち込む尾根がいい感じで、BCスキーヤーにとってはぜひ一度は滑ってみたいと思える魅力的な等高線密度です。 2017年から2020年まで毎年3月か4月にサンビキ山を訪れて東面の様子を少し探りました。今回の記録は2019年4月13日です。 この時は絶好のBC日和に恵まれたので、サンビキ山北肩の標高1900m付近から思い切って標高1570mまで滑ってみました。 千沢が覗き込めるくらい下まで滑るつもりでしたが、下部はかなりのストップ雪だったので途中で引き返したことを思い出します。 滑り降りたところは、スキーで訪れない限りは簡単にはやって来られない人跡未踏に近い場所でしょう。ブナや岳樺、モミの疎林がなんとものどかな雰囲気でした。 帰りは三壁山に寄り道して下山しました。サンビキ山から三壁山へと続くスキーでの稜線漫歩も素晴らしいコースです。千沢を挟んで苗場山や奥野反三山の大倉山、八十三山、堂岩山の山容が圧巻です。 八十三山と堂岩山との間からは、白砂山も頭を覗かせています。地蔵山から堂岩山へと続くシラビソ尾根の稜線も手に取るようにわかります。 そして天空の野反湖の大雪原が眼下に広がります。サンビキ山に初めて訪れたのは1996年頃だったと思うので、まだハンディGPSのない時代でした。この辺りの地形は複雑なので、ルーファイも今より冒険的でワクワクドキドキ感も大きかったことでしょう。 三壁山山頂直下の笹原も積雪期はいい斜面です。野反湖に向かって滑る感じが最高です。

雨の日のノゾリチャツお散歩ツアー2025-8-10

せっかくの山の日3連休だったのに、中日10日は本降りの雨という生憎の日となりました。でもそんな日でも傘をさして、楽しく野反湖やチャツボミゴケ公園をガイドさせていただきました。初めて訪れるゲストさんたちにとって、霧のベールの向こう側はきっと想像力を掻き立てる景色に違いないです。 夏なのに満水状態が続いていた湖水が、今日はかなり減水して岸辺を広げていました。発電用にダムから放水が盛んに始まっているとのことです。この雨は天からの恵みです。 午後も雨降りの中、傘をさしながらチャツボミゴケ公園を散策しました。猛暑と日照りが続いていた天気も、チャツボミゴケにとってはようやく待ち焦がれた天からの恵みの雨かもしれません。 先入見なしにチャツボミゴケ公園に訪れる方が楽しくチャツボミゴケを鑑賞できます。今日のゲストさんたちがまさにそうでした。 ゲストさんは10年も前からチャツボミゴケに一度見てみたいと思い続けて、最近たまたまノゾリチャツツアーのことをネットで知り参加されたそうです。お二人で一期一会のチャツボミゴケとの時間を、しみじみと大切にされていました。

第16回ノゾリチャツお散歩ツアー2025-8-7

ラムお散歩ツアーで涼しい志賀高原ルートを楽しみにしていたゲストさん達でしたが、草津白根山の噴火警戒レベルが2に上がったことでツアーを変更されてノゾリチャツツアーになりました。(注意:ラムお散歩ツアーは催行不可というわけではなく、殺生ゲートまでなら通行できるので武具脱池の散策や風さんのお蕎麦ランチなどを楽しむことはできます。噴火警戒レベルが1に戻れば、芳ヶ平湿地群展望台や渋峠までの通常コースです。) 猛暑続きの毎日でしたが、今日は珍しく朝から本降りの雨です。野反峠に着く頃少し弱くなってきたので、傘をさして湖畔まで降りてみました。雨の雫に濡れた岳樺の森の景色や色とりどりの花々の美しさにゲストさん達は感動されていました。 道の駅六合の食堂しらすなでお昼休憩をして午後はチャツボミゴケ公園へ。このところの猛暑続きはチャツボミゴケの生態にも大きな変化をもたらしていることがわかりとても興味深いです。昨年の8月の今頃もたしか同じように茶色になっているチャツボミゴケが多かったことを思い出します。 上の写真は今回の様子ですが、下の写真は1年前の2024年8月14日の様子です。数年以上前の8月は真逆の年もあったので、8月は毎年このように同じ状態になるとは言えませんが、今年は昨年と同じ感じです。 というのも下の写真は2017年8月2日のチャツボミゴケの生態の様子です。鮮やかなチャツボミゴケの蛍光グリーンに感動した思い出があります。 下の写真も同じ2017年8月2日の穴地獄です。8月でもこのような年もあったのです。これまで毎年チャツボミゴケの生態を観察していると、8月の暑い時期だから茶色になるというような、短絡的だったり断言的な説明はできないと感じます。 今年のチャツボミゴケはこれからどうなっていくのでしょう?下の写真は2024年9月2日の穴地獄です。変化している様子がはっきりわかります。 さらに10月10日の穴地獄です。ますます緑色が増えているのがはっきりと確認できます。 さらに11月8日の穴地獄です。紅葉とのコントラストも鮮やかで素晴らしい季節になります。葉っぱが落ちて岳樺の幹の色やススキの穂も映えます。 チャツボミゴケ公園は11月30日まで開園していますが、最後の日はどうだったでしょう。雪が少し降って周りが雪化粧しました。下の写真は、2024年11月30日の穴地獄ですが、最後は見事なチャツボミゴケグリーンで締めくくってくれました。今年もこれから11月30日のシーズン最後の日まで、興味深いチャツボミゴケの神秘的な生態を観察していきたいです。 まだまだこれからたくさんチャツボミゴケ公園のガイドが予定されていますが、ゲストの皆さんにはそんなチャツボミゴケのリアルな生態を前にしながら、バイオミネラリゼーションのことや群馬鉄山の歴史、ラムサール条約にまつわる話など、いろいろな興味深いことをガイドしながらツアーを楽しんでもらいます。 どんな時でも、ゲストさん一人ひとりにとって、チャツボミゴケとの最高の出逢いを作ることができれば、ガイドとしてこれ以上の喜びはありません。最後の1枚は、2017年10月18日の穴地獄です。黄色い紅葉の葉っぱは、ウリハダカエデです。素敵でしょ。

噴火警戒情報レベルアップ前日の芳ヶ平湿原

8月3日に町主催の芳ヶ平湿地群自然観察会が開催され、盛夏の芳ヶ平湿原を訪れることが出来ました。心配していた天気ですが、この時期としてはまずまずの夏空の下で雷雨の心配もなくラムサール湿地の大自然を満喫しました。前回訪れたのは7月11日だったので、湿原の景色もずいぶん変わっていました。 花や木々の自然が移ろいゆく姿を見ながら、季節の進み具合をしみじみと実感しながら歩くことができました。 標高2152mの塔の池ではモリアオガエルのオタマジャクシが浅瀬で日向ぼっこしている姿を観察しました。秋がやってくるのはもうすぐです。いったいどれだけのオタマジャクシがカエルになれるのでしょう?越冬して来年カエルになる個体もいるかもしれません。 渋峠からダマシ平を経て湿原が見下ろせる場所を歩くころから、不気味な轟音が聴こえてきました。風向きの影響でいつもより大きな音で聞こえるなと思っていましたが、それが翌日の噴火警戒情報1から2へのレベルアップと関係しているとは夢にも思わなかったです。 芳ヶ平湿原はまさに夏色に輝いていました。ワタスゲはまだ少し綿毛を残しているものもあって、7月の頃の面影も感じられました。 木道沿いに繁茂するヨシは、7月7日の時には目立たなかったのに、今はもう中学生くらいに成長していました。ヨシが朝露に濡れていると全身びっしょりになってしまうのですが、今日はカラッとした夏空のおかげで乾いていて快適に歩けました。 新しい噴火情報を知ったのは翌日8月4日の朝ですが、午前5時に正式に発令されたようです。しばらくの間火山活動が静穏な状態が続いていましたが、これでまた志賀草津道路が通行止めになります。気軽に渋峠まで行けないので困ったものです。 ただし、渋峠から芳ヶ平湿原の往復やチャツボミゴケ公園から芳ヶ平湿原を往復するコースの登山道は規制の範囲外なので、これから秋色に染まる芳ヶ平湿原に訪れることはできます。芳ヶ平湿原は湯釜火口に近いので、訪れた際には突然の小噴火に注意が必要です。

野反湖・八間山トレッキングガイド偵察2025-7-28

猛暑続きの7月、8月は早朝登山がお薦めです。ふだん見せてくれない美しい風景との出逢いに恵まれることが多いです。2年前は、野反湖のエビ湾に移流霧が観察できました。 湖面から発生した霧が、まるで山から流れ落ちてくるようなファンタジックな光景で驚かせてくれました。 たっぷりと朝露を纏った高山植物の花々も、日中厳しい陽射しを浴びている時の姿とは違う表情です。 今日もまたたくさんの陽光を浴びて、もっともっときれいに花を咲かせるんだというエネルギーが伝わってくるようです。 イカ岩の頭から山頂へと続く笹原の中の登山道が、綺麗に刈られて整備されていました。登りも楽しそうです。冬は絶好のスキーゲレンデになる斜面です。 ハチたちも花の蜜を吸いに活動が始まっていました。今日は午後になっても雷雨の予報はないので、安心して白砂山へ登って来られるでしょう。 八間山頂はまだ誰もいない静けさに包まれていました。そして山頂の先に目を移すと、朝日を浴びた白砂山稜線が綺麗に眺められました。 黒渋の頭へと続く登山道の笹も綺麗に刈りはらわれて、山並みに気持ちよさそうな線を描いていました・・・

2025ラムお散歩ツアー&ノゾリチャツツアー

ラムお散歩ツアーの記念すべき第1回は、確か2016年5月12日でした。地元中之条町の若者男女グループ5人組に楽しんでもらいました。この年、チャツボミゴケ公園スノーシューハイキングも2月11日からスタートしています。どちらも気が付いたら今年9年目です。 そしてノゾリチャツツアーは、2018年から活発化し始めた草津白根山の火山活動の影響でラムお散歩ツアーが催行できないことがあり、2018年からスタートした姉妹版ツアーです。とはいえその前身は、2017年に10回ほど開催した厳選いい宿ツアーからの流れもあります。道の駅六合にある宿花豆にお泊りのお客さんを早朝の野反湖へ案内するツアーでした。懐かしい。 ラムお散歩ツアーのお蕎麦ランチは、草津温泉 「そば処風」さんです。生わさびとともにいただく蕎麦の香ばしい味が絶妙です。 ノゾリチャツツアーのお蕎麦ランチは、中之条町入山のそば処「六合 野のや」さんです。マイタケを中心にした季節のキノコとともにいただけるオリジナルメニューが他では決して味わえない絶品です。 お蕎麦ランチでお腹いっぱい大満足の午後は、どちらもチャツボミゴケ公園でツアーに向かいます。ガイドは毎日のように穴地獄のチャツボミゴケを観察することがありますが、毎回違った表情を見せて楽しませてくれます。ちょっとした変化もあれば、びっくりするような大変化もあって、その年の気候の影響やその日までの天候の様子、そしてその日の天気によって、チャツボミゴケの印象は変幻自在に変わります。 初めてチャツボミゴケを楽しむ秘訣は、偏った先入観をもたないでチャツボミゴケに出会うこと。毎回小さな気付きや発見の驚きがあります。お客さんには違う季節にもまた来てみたいと思ってもらえるようにガイドしています。 隣の池では、モリアオガエルのオタマジャクシもすくすくと育っているようです。これから一体どれだけの数がカエルになって森の中へと旅立っていけるのでしょうか。 標高1250mしかない穴地獄で見られる高山植物のアカモノとシロモノの熟した実。穴地獄特有の環境だからでしょう。これも草津白根山の火山の影響を受けた貴重な生態ともいえるでしょう。 いよいよ明日から8月です。2025シーズンのラム&ノゾリチャツツアーは、それぞれ10月と11月初め頃までの開催です。盛夏から紅葉の秋へと移ろいゆく中之条町・六合の大自然の魅力を楽しんでもらえます。また秋になると、新蕎麦も味わうことが出来ます。

芳ヶ平ネイチャーラーニング2025

山田峠からいよいよ芳ヶ平湿地群のパノラマを右の車窓から見渡せるスカイラインコースです。中之条町の中央分水嶺碑と日本国道最高地点にある芳ヶ平湿地群展望台を通り過ぎて、標高2152mの渋峠まで窓からの眺めを楽しみます。あいにくところどころ雲が湧いていてスッキリとはいきませんでしたが、非日常の大自然の景色からきっと感じるものがあるはずです。いよいよ出発地点の渋峠に到着。7月なのに気温13度、連日猛暑の中で過ごしているので、バスを降りるなり中学生たちは高原の涼しさを肌で実感していました。 出発前にガイドの一人が水芭蕉の葉っぱで羽化しているトンボを発見してくれました。大自然のドラマをみんなで観察することが出来ました。この池ではモリアオガエルやクロサンショウウオなどの両生類が目当てでしたが、想定外な出逢いからネイチャーラーニングは始まりました。 昨日は激しい雷雨もあったようです。今日の芳ヶ平湿原は深い霧の中に包まれてしまいましたが、雷雨の心配がない天気予報になったので安心です。(写真は研修会の時のもので実際は何も見えませんでした。)登山道は6月の研修会の時に比べればずっと歩きやすいコンデョションでした。水溜りや小さな沢の流れのようなところもありましたが、男の子たちはむしろそんな登山道を遊園地のアトラクションで遊んでいるかのように喜んで歩いていました。 子供たちには目的意識をもってもらうことを事前学習でお話ししておきました。現地学習では、様々な自然を五感で感じながらなにかに気付いたり発見してもらったりできるように声掛けを工夫しました。火山が織りなす草津白根山と芳ヶ平湿原の絶景は深い霧のベールに包まれていましたが、目の前に現れるいろいろな高山植物の花や森の樹々の様子、鳥の鳴き声や火山ガスの噴き出す轟音など、芳ヶ平湿地群の大自然を子供らしい目線から鋭敏に感じながら歩いているようでした。 野営場でお弁当の時間にする頃、霧雨っぽい天気になりました。子供たちの元気な様子からコース変更や短縮するほどでもなく、昨年から始まったニホンジカの食害を防止する獣害ネットを見学するコースに予定通り立ち寄りました。これからニホンジカの食害から芳ヶ平湿地群の生態系を守りながらどう共生していくのか考える端緒としてガイドしました。途中オムスビ山のきょうだい松で記念写真を撮りました。オオシラビソの成長の早さに驚きます。 大平湿原の壊れかけた危険な橋は、前日に町の関係職員の方が補修をしてくださいました。おかげさまで安心して渡ることが出来ました。ありがとうございます。すべてにおいて実際に現地に訪れて感じてもらうことがネイチャーラーニングです。 7月の中学校の前に小学校のネイチャーラーニングが6月にありました。こちらはチャツボミゴケ公園から水池や大池を巡るコースを歩きました。池ではちょうどモリアオガエルが繁殖活動する時期だったので、たくさんの卵塊を観察することが出来ました。 6月のチャツボミゴケ公園にも様々なネイチャーラーニングの素材がたくさんあって、低学年から高学年までネイチャーラーニングのガイドがとても楽しい一日でした。 今年2025年は、ラムサール条約登録10周年の芳ヶ平湿地群ですが、記念行事として町主催の自然観察会が8月にあります。どんな自然や景色との出逢いをガイドできるかこれまた楽しみです。

群馬県境稜線トレイルCエリア野反湖~三坂峠縦走2025-7-7

まもなく関東地方の梅雨明けが宣言されるとの予報でしたが、台風の影響なのか先延ばしされました。台風による湿った風の影響で午後から雷雨予報ですが、そんな空模様を心配しつつ群馬県境稜線トレイルのCエリアを歩いてきました。 堂岩山から楽しみにしていた白砂山へと続く稜線は視界不良。いよいよ濡れ覚悟で高山植物の宝庫である貴重な植生の這松帯に入ります。朝露に濡れた葉の陰にひっそりと咲くクロマメノキの花に癒されます。 ミヤマシグレはまだかわいい蕾です。 コメツツジの花は見頃の時期が短いので出逢えない年もありますが、今年はなんとか間に合いました。 コバイケイソウが当たり年のようです。堂岩分岐からセバトノ頭の先の笹平まで、笹原の斜面にはずっと咲き誇っていました。 上の間山までずっとガスの中でしたが、赤沢山付近で急にガスが切れだして青空も見えだしました。忠次郎山へのきつい登りでは、汗が噴き出て喘ぎ喘ぎなんとか山頂へ。ここからもまだまだ上り下りはありますが、視界が開けると気分も上がります。 上の倉山から大黒の頭、ムジナ平避難小屋まで白砂川源流の大パノラマに感動しながらの稜線漫歩でした。 オガラバナの花もずっといろいろなところで目を楽しませてくれました。薄緑の透き通るような葉と塔花が初夏の風に吹かれている様子がなんとも美しい木です。 ムジナ平避難小屋で一休みして水場の点検。どちらも異常なしです。登山道上の笹薮の伸び具合ですが、笹平のように笹が特別早く伸び始める場所は例外として、まだそれほどでもなかったです。 クマの新しい痕跡や気配も今回はまったくなし。心配していた三坂峠から旧三国スキー場までの下山道も、最近草刈整備が行われていました。稲包山方面も綺麗に整備されていて歩きやすそうでした。

野反湖畔一周トレッキングガイド2025-6-30

6月最後の日は野反湖一周トレッキングガイドでした。晴天に恵まれ、ちょうどノゾリキスゲも咲き始めて、ゲストの皆さんにもゆっくりと楽しんでもらいました。 午前中は野反峠から野反湖キャンプ場のビジターセンターまで西岸遊歩道を歩きました。どじょう小屋沢辺りまでは岳樺のメルヘンチックな森を歩きます。森を抜けると湖の風景が広がります。そして押出しの岬を周りエビ平へ。ここにはベンチがあるので大休止。今年はコバイケイソウが当たり年のようで、エビ平では華やかな姿で私たちを迎えてくれました。 今日は少し乾き気味のさわやかな北風が吹いてくれるので、快適に歩けました。蛇帝ヶ原から白樺渕を過ぎてテンバのお花畑まで来れば野反湖キャンプ場のビジターセンターまでもう一息です。ここでゆっくりお弁当休憩としました。午後はここからロックフィルの野反ダム堰堤を歩いて白砂山登山口からバス移動で大空堀駐車場へ。野反湖は近年にない満水状態で、ダム湖ではない天然湖のような風景で楽しませてくれました。 大空堀の駐車場から東岸遊歩道を歩いて池平へ。先週のレンゲツツジが満開の見頃だったことがまるで夢だったように、すっかりノゾリキスゲと入れ替わっていることにびっくりでした。富士見下で湖畔に降りてみました。水辺の片隅にモウセンゴケの一群が見られました。 一周ゴール後、コマクサのガレ場にもプチガイド。ここからの野反湖の景色も素晴らしいです。