11月3日晴れ

11月の日本海だからよほど天気に恵まれないと快適なツアーはできないと覚悟していた。能登半島の内側の最奥になる七尾湾は、西高東低の季節風の影響を一番受けにくそうだと考えたので、能登島一周を計画した。いつもの相棒と二人で、和倉温泉の有名な老舗温泉旅館加賀屋さんの前から出艇する。七尾西湾を三ヶ口瀬戸に向けて漕ぎ進む。三ヶ口瀬戸は引き潮でカヤックを漕がなくてもゆっくり流された。五目釣りのボートがたくさん浮かんでいて、真似をしてカヤックから竿を出してみるが釣れなかった。相棒はカヤックの上から岸のテトラポットについている小さな牡蛎をいくつか採ってきた。まったく器用なもんだ。

 三ヶ口瀬戸から先は七尾北湾を北上する。穴水には温泉マークが地図に載っていたので、今夜のキャンプ地に決めた。穴水港は天然の良港という感じだ。今も漁師にとって重要な役割を担っているのか知らないが、ボラの群れが湾内に入ってくるのを見張るボラ見櫓と呼ばれる珍しいものがあった。

11月4日晴れ

相棒は体の不調を訴えて今日の旅の続きをリタイヤ。カヤックをたたんで和倉温泉で落ち合うことになった。単独で午前7時出発。今日も天気良し、波穏やか、順風の3拍子揃ったご機嫌さんツアーだ。能登島の多浦鼻を目指して七尾北湾を一直線に漕ぎ進む。多浦鼻を午前10時に交わして、泊の小さな漁港に上陸する。何か食料を補給したかったが商店が見つからずあきらめて先を急ぐ。ここらあたりは広大な富山湾に面していて天候の影響を受けやすそうなところだが、今日はシーカヤック日和だ。野崎を過ぎて小口瀬戸に入ると向かい風になった。これは覚悟していたことだが、相棒とは和倉温泉で午後2時に待ち合わせようと約束していたのでのんびりはしていられない。ほとんどパドリングの手を休めず七尾南湾を突っ切り能登大橋をくぐって、約束の時間までに能登島一周を完了した。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.