7月3日 曇り後雨

7月になって、草津から志賀高原へと越える峠道を走ってみた。1976年製のBSユーラシアスポルティフ。リヤ4段、フロント2段の8段変速Wレバー。クロモリフレームは乗り味がしなやかに感じる。思いがけないところにまだ雪渓が残っていたり、湿原でワタスゲの綿毛が可憐に風に揺れているのに出会えた。

天気が良ければ群馬の山々が一望できるのだが、あいにくの梅雨空。それでも2172mの高みまで簡単に漕いで来れるから、お気に入りの峠道である。今日はこれで引き返して、明日からチョッと長い旅に出てみたい・・・

7月4日 曇り後雨

群馬・長野県境・渋峠R292~飯山市~新潟県上越市 走行距離約90km

昨日漕いで来た芳ヶ平を望む展望台から、いよいよ日本海沿岸の南下ルート目指してスタート!家内が運転するサポートカーには、旅の荷物が満載。毎日自転車を漕いで進む距離間隔ってどんなもんなのか興味がある。中学生の頃、キャンピング用の自転車の片倉シルク号に憧れたことを思い出す。でも今回は道の駅で車中泊しながら、地産地消の美味しいものを見つけて力を蓄え、効能ある温泉に浸かって汗を流し、ローカルなその土地の歴史、風土、人間などに触れて、軽快なロードレーサーでガンガン進むつもり。しかし、最初から距離が伸ばせず。志賀高原を下りきったところで、雨がぱらついてきた。その後、ロードレーサーのスリックタイヤではツルツル路面のスリップに冷や冷やしながら、何とかキリのいい上越市立水族館で初日の自転車旅はfinish。チョッと遠いけど、柵口温泉で汗を流し能生の道の駅で車中泊。

7月5日 雨後晴れ

新潟県上越市R8~富山県魚津市r2~富山市r1~新湊市R415~氷見市R160

全走行距離167km

夜半大雨。おかげで少しは涼しく寝ることが出来たが、車中泊は蒸し暑くて大変である。早朝、怪しい空模様だが思い切って自転車に乗る。道の駅能生直前でゲリラ豪雨になり、運良くずぶぬれにならずに済んだ。しばらくサポートカーで雨宿りしていると天気も良くなり再び出発。みるみる天気が良くなってくるので、この空の様子だといよいよかな?なんて思っていたら、まさに梅雨末期の梅雨明け間近ということを後で知る。向かい風、ギラギラの夏の太陽の下、砺波平野や富山平野をガンガン走る。北アルプスから流れ下るいくつもの川を渡りながら、それらの自然の恩恵に恵まれた富山県は、なるほど住み心地日本一だなと実感。湧水が豊富なのと、りっぱな家がたくさん目に付くのが印象的。

新湊市で知り合いから携帯に電話が入り、サツマイモたくさん出来たからもらいに来てと有り難い話があったけど、旅の空の下では無理な話でとても残念。七尾まで走れたらと思っていたけど、暑さと向かい風にバテて氷見市でフィニッシュ。この日だけで腕も膝も顔面も真っ黒日焼け。氷見市の岩井戸温泉は、ダイナミックな露天風呂オンリーの温泉だけど、源泉かけ流しでグッド。そして、初日からお肌ヒリヒリ。

7月6日 晴れ

富山県氷見市R160~石川県七尾市R249~能登島~能登町狼煙崎~木ノ浦

全走行距離150km

その土地土地の雰囲気というのがある。氷見市民は元気である。夜遅くまで、そして朝早くから、ウオーキングやジョギング好きの人が多いような・・・特に女性の楽しそうな話し声が賑やか。さすが氷見ブリのブランドで知られている町である。こちらもそんな氷見の活気に刺激を受けて自転車でGo!

どうやら今日も暑い1日になりそう。能登の道路は狭いけれど、追い抜いていくトラックがわりと好意的な感じなので走りやすい。遠回りになるけど、能登島にかかる二つの橋を自転車で走ったら気持ちよさそうなのでちょっと寄り道。ボラ待ち櫓や軍艦島など内能登の観光名所にも寄り道。夕方、能登半島の先端の狼煙崎に。以前来た時とは様変わりして、日本3大パワースポットとして有名らしいのにびっくり。そして、もう少し頑張って木ノ浦海岸まで。ここは以前営業していた国民宿舎が変わり果てて廃業していた。温泉は珠洲ビーチホテルのお風呂へ。温泉じゃなくても十分快適。

7月7日 晴れ後雨

石川県珠洲市木ノ浦R249~輪島

全走行距離42km

能登空港が開港し、北陸新幹線の開業も目前に控えて、以前訪れた時の能登の印象とはずいぶんギャップを感じることが多かった。午後から雷雨の予報だったので、輪島でFinish。温泉は、わざわざ門前町のじんのびの湯へ。

7月8日 曇り後晴れ

石川県輪島市r38~上大沢町r266~皆月海岸~猿山娑婆捨峠~門前町R249~富来町~羽咋市R159~内灘r8

全走行距離146km

早朝、輪島の町の中を自転車で散歩してみる。ぎっしりと詰まった古い町並みは、生活の臭いがプンプン。輪島の朝一はずいぶん観光化されているかも知れないけど、そこかしこの家の軒下などに魚を売り歩くリアカーがあったり、荷物満載のリアカーを自転車で引いて商売に出かけるたくましそうな女性達とすれ違ったりすると、郊外に大きなスーパーがいくつも出来たりしても、輪島の町には昔からの生活もしっかり息づいていると感じられた。以前能登半島をカヤックで漕いで回った時、沖で潜っている海女さん達と海上で言葉を交わしたことや、海が時化てきて小さな漁港に避難した時、親切にしてくれた港のおばさんのことが懐かしい。

県道266号線の迫力ある断崖の道には強い風がもろに吹き当たる。向かい風はきついけれど、その分涼しくて気持ち良い。ゾウゾウ鼻の展望台からの眺めは素晴らしかった。そして七ッ島もちゃんと七つ数えられた。男女滝の急坂は、たまらず自転車から降りて滝を見物しながら歩く。県道をこのまま進んで国道249号線に出れば門前町まで早いけれど、皆月湾に寄り道することにする。以前カヤックで外浦海岸を漕いだ時に素通りしてしまって、皆月湾がチョッと気になっていた。

いつものように家内が先回りして、朝食を作って待っていてくれた。皆月湾には小さな漁村の家並みがあったが、うら寂しい感じがした。通りがかりのおじいさんに道を聞いて、猿山岬からの細い道を通って門前町へ出ることにした。なかなかわかりにくい道だったけれど、おじいさんが詳しく教えてくれたので何とか大きな道迷いをせずに抜けることが出来た。

時化で漁に出られず港で海藻干しをしている老夫婦と言葉を交わす。猿山岬は3月~4月に雪割草が咲いて一番いいよと話していた。娑婆捨峠は寂れたところだったけれど、きっとその頃だけは賑わうのかも知れない。

門前町で国道249号線に入り、金沢向けてガンガン飛ばす頃になると、夏のギラギラ太陽が容赦なく照りつけてきた。道の駅とぎ海街道の建物の冷房にあたって暑さから一時避難。自分の感覚では一昨日が梅雨明けにふさわしく感じたけど、どうやら今日が梅雨明け宣言だったらしい。午後も暑さに負けそうになりながらもガンガン漕ぐ。志賀町の志賀原発の前を通過。何となく緊迫した雰囲気を感じるのは気のせいでしょうか。原発施設のパトロールカー1台とすれ違う。羽咋で道を間違えてタイムロスしながらも、日が暮れた頃、金沢市の内灘に達してFinish。温泉は風と砂の館。安くてベリーグッド。

7月9日 晴れ

石川県金沢市内灘r8~徳光PAr25~小松r20~加賀市R305~福井県三国町サンセットビーチ~越前町厨

全走行距離127km

日焼け止めクリームは性に合わなくて敬遠がちだったけれど、こう毎日ギラギラ太陽にさらされると使わなければとんでもないことになる。こまめに日焼け止めクリームを塗って自転車漕ぐのが習慣になってしまった。今日こそ石川県から福井県に突入だ。氷見から羽咋に抜けてしまえば石川県も2日で通過できたかもしれないが、今回はなるべく海岸線沿いにこだわっているので能登半島を回ったのだけれど、石川県の海岸線の長いこと。結局4日越しとなってしまった。

福井市の道の駅みくにで、あまりの暑さに今日も冷房にあたりながらお昼休憩。まだまだギラギラ太陽が弱まる気配すら感じられない午後3時、越前海岸に向け走り出す。今まで海水浴している人は見なかったけれど、土曜日の今日からちらほらと海水浴場が賑わい始めたようだ。自転車を乗り捨ててサイクルウエアのまま海に飛び込みたい衝動に駆られながら、海岸沿いの道をガンガン飛ばす。交通量が少なければトンネルが涼しくて気持ちいい。越前海岸は、所々に温泉があるのでどこでFinishにするか迷ったが、結局厨(と書いてくりやと読む)までとした。温泉は露天風呂漁火。日本海に沈む夕陽が綺麗だった。

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