毎年必ず一度は野反湖から秋山郷へ抜ける山旅を楽しんできたのですが、コースの一部が立ち入り禁止になってもう3年も過ぎてしまいました。すっかり登山道の整備が入らなくなったので、どんなふうに荒れているのかわかりませんが、藪のひどさに困り果てて引き返してきた登山者もいます。
今回は無理せず左京横手の入り口くらいまで笹の伸び具合などを偵察するために歩いてみました。北沢までは6月のある雨上がりの日にサンカヨウの花を見に歩いています。その時よりもだいぶ笹が伸びた印象を受けました。
北沢から左京横手へと続く九十九折れの道からは3年ぶりです。ブナも混じる美しい森の面影を想い出しながら歩き始めましたが、少し歩くと深い笹薮が始まりました。
樹林の中の日が当たらないところになると登山道がはっきりわかって安心できますが、日当たりのいい南斜面は初めて歩く人は様子がわからないくらいの藪です。だいたい把握できたので、荒砥沢まで歩いて引き返しました。もう何十回と歩いた道だから、切明温泉まで個人的に迷うということはないでしょうが、この先イタドリ沢からに大倉峠まで相当笹薮の濃いところがあるに違いないです。
帰路クマの痕跡を見つけながら歩きました。最初サルかなとも思いましたが、糞の落ちていた場所から頭上の木を観察すると熊棚らしき痕を発見しました。細い木ですがウワミズザクラでまだ赤い実を残していました。
それからというもの、登りの時はまったく気が付かなかったのに、下りでは熊棚があちこちに目に入ってきます。毎日白砂山に登る人もみんな熊棚の痕に気が付かないのだなぁと納得です。
白砂山登山口まであと50mくらいのところで、クマ棚から落ちたウワミズザクラの大きな枝が落ちていました。登山者から熊はいますか?と良く尋ねられますが、もちろんいますよと答えているのは正解ですね。