地元である町主催の自然観察会があいにくの霧雨模様の中で決行されました。来年10周年を迎えるラムサール条約芳ヶ平湿地群のプレイベントです。
霧のベールに包まれた紅葉の森の雰囲気はとても幻想的でした。ゲストの皆さんは、しっとりと森のたたずまいや、どこからともなく漂ってくる森のいい匂いを敏感に感じられているようでした。
今回のコースのテーマは、およそ1万6千年前に噴火して大量に噴出された平兵衛池溶岩の痕跡を探してみることにしました。穴地獄から八石山までのコースは、途中に水池と大池、平兵衛池の三つの池があります。これらは、長い年月の中で自然が偶然に作り出した造形美です。
大池では深い霧がいつもとまったく違う表情で私たちを迎えてくれました。ほとんどのゲストの皆さんは大池に初めて訪れましたが、向こう岸が見えないほどの霧のベールに様々な想像を働かせて眺めました。向こう岸の距離を感じるためにみんなでヤッホッとやまびこが返ってくるのを聴いてみたりもしました。
ミズナラの森からコメツガの森へと移り変わっていくと、ひんやりとした空気が感じられる沢沿いの道になります。そこでは溶岩台地の上に残された原生林の痕跡が見られます。この場所は一番遅くまで雪渓も残っている場所であり、とても神秘的で荘厳な雰囲気を感じることができます。
今日の天気では八石山での素晴らしい展望が楽しめるようではないので、急遽予定を変更して昼食場所を四つ角にしました。1か月前に藪蚊の大群に襲われた場所ですが、さすがにもう涼しくて安心してお昼をたべられました。
最後にもう一度チャツボミゴケを観察してから下山。元気もらって無事ゴールでした。