マヤオニ沢(標高520m)PM0:27~沓形稜(標高520m)PM3:27距離約6.9km

マヤオニ沢の対岸の尾根に上がるルートは、見た目通り急斜面だったけど、何度か斜登行を繰り返してウロコだけで登り切った。ポン山さんが心配だったけど、後ろからしっかりついてきてくれたので大丈夫そう。でも、これからもまだまだ深そうな沢をいくつも越えていかなければならないので、安心は出来ない。

午後0時45分

ここでちょっと趣向を変えて斜滑降を長めにとって気分転換。下りが続くと気分的にも楽になる。結局はその分登り返しが待っているのだけれど・・・

PM1:27

谷を横断して尾根に上がるとそこには、新しい景色が必ず広がっている。ずっと平原を進むだけだったら楽ちんだけど、きっと景色の単調さにうんざりするかも。だから尾根の向こうに待っている景色に胸をときめかせて、一歩一歩前へ進むことが利尻スキー1周旅の醍醐味だ。苦あれば楽あり楽あれば苦あり、ではないが、1周スキー旅は人生そのものなのだ。

午後1時42分

振り返ると、少しずつ越えてきた景色が遠のいていく。今までずっと目印にしていた仙法志の街並みや仙法志ポン山も、さよならである。ちょっと名残惜しかったりもするけど、確実に前へ進んでいるという充実感が気持ち良くもある。気がつくと、いつの間にか今までの強い向かい風がなくなっていた。

午後1時43分

何度目か谷を越えて尾根に上がると、面白いものが待っていた。なんだあれ?て、つぶやいてみたら、ポン山さんが、アワビ岩だと教えてくれた。まさに岩にへばりついたアワビである。海岸沿いの道路からは見えないので、利尻に住んでいる人にもあまり知られていないかもしれない。この辺りもまさにスキー向きの斜面なので、ポン山さんにはアワビ尾根とかアワビ谷とか、わかりやすい名前を付けて欲しいところだ。

午後1時48分

雪がない時期もアワビに見える岩なのかポン山さんに尋ねると、ポン山さんが前に一度だけ見たときは雪のない時期だったそうで、雪があろうとなかろうとアワビに見える文句なしアワビ岩だそうである。アワビ谷で少し癒されてみんな元気が出てきて、ポン山さんにも笑顔の余裕が見られるようになってきた。

午後1時58分

大空沢は広くて明るい谷で、たくさんのモービルの跡が残っていた。この谷も標高1000m以上までスキーで登って行けそうなので、いつかどこまで行けるか詰めてみたいところ。地図を見ると、この大空沢の湧水が海岸沿いの道道脇にある麗峰湧水という名所。いつも通り過ぎるだけで、まだ口にしてみたことがない。

午後2時16分

大空沢から見える山頂への険しい稜線は、沓形稜に違いない。そう思うとはやく沓形の町並みが見えてこないかなと、心がはやる。時刻は午後2時過ぎなので、ペース的には遅くもなく速くもなくだ。

PM2:28

大空沢の急な斜面を登る。登り上がると、またそこには新しい景色が広がる・・・

午後2時32分

シサントマリ字界沢付近は、標高500mくらいを進む。マヤオニ沢と大空沢の区間は複雑な地形だったが、この辺りは快適な斜滑降と斜登行の連続で、効率的に前進している感じ。

午後2時47分

そしてついに、彼方に礼文島が突然見えたときは、みんなうれしそうだった。また海岸線には、利尻高校の建物らしきものも見えて、いよいよ沓形の町並みも見えてくるはず。ポン山さんがあれは神居ポン山と教えてくれる。

午後2時49分

いつしかお日様も西に傾きはじめ、海が黄金色に輝いていた。そして私達にとっては、神風が吹く。この頃風向きは追い風となり、ザラメが少し凍り始めてスキーが滑るようになって、何もしないでも疲れた体をどんどん前へ進んでくれるようになる。

午後3時27分

深い沢を横断するも、この神風のような追い風のおかげで苦にならないくらいだ。

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