2012年3月22日 2万5千の地形図で岩木山の山容を観察すると、大小様々な沢の中に険しいものも多数ある。例えば西面の赤沢、北面の赤倉沢、南面の毒蛇沢と柴柄沢など。これらの沢を難なく通過するためには、二通りのルートが考えられた。その一つは岩木山の上部をつなぐルートで、距離は短いが気象条件が良くないと厳しい。実は昨日百沢スキー場の左の尾根を頂上目指して登ってみたが、1050m付近で強風のために敗退した。雪質も安定していないことがわかったし、今回はもう一つの下部ルートで1周することにした。上部ルートは気象も雪質も安定している厳冬期のワンチャンスを見計らって、いつかぜひやってみたい。 今日は、百沢スキー場の駐車場から時計回りで行けるところまでとする。朝のうちに湿っぽい雪は止んだが、風も強いしもう少し天候が良くなるのをしばし待つ。9時を過ぎても、いつになってもお客が来ないのは、ただ不景気で空いているだけかと思っていたが、リフトまでもがいつになっても動かないのはどうしたわけか。今日は強風で運休か?べつにリフトに乗る予定はないけど、謎を解き明かさなくては落ち着かない。スキー場の案内板を見てびっくり。百沢スキー場のリフト運転開始時刻は、毎日午前10時とある。土日祝日もかまわず10時。のんびりのどかなスキー場である。これは津軽人気質、じょっぱりの土地柄だからなんだろうか。朝早くからパウダーパウダーと騒いでいる関東近郊のスキー場では考えられない時間です・・・ 午前11時をかなり過ぎた時間になって、ようやくウロコスキーで歩き出す。昨日の百沢スキー場の左の尾根に残る登りトレースからすぐに外れ、斜めに高度を上げるようにして進む。ザラメな雪質は、ウロコがしっかり利いて有り難いが、この時間では少々雪が緩みすぎて重い。あまり高度を上げ過ぎても毒蛇沢が深くなって通過が困難になるので、ルートは標高500m付近だと見当を付ける。小さな沢をいくつか跨ぐが、毒蛇沢は沢の規模が大きいのでそれとわかる。 針葉樹の植林帯と、楢などの広葉樹林帯のちょうど境を縫うようにして進む。しかしさすがにこの時期は、麓から上がってくるスノーモービルの跡がいくつかあったりする以外、ウサギの足跡ばかりである。森林限界上部ではきっと強烈な風が吹いているにちがいないが、このあたりは風も弱く、日向ぼっこしたくなるような陽気になってきた。大きな沢をいくつも通過するが、急斜面の下りでは腐れ雪が小雪崩をおこしてまともな滑りにならない。そして、嶽温泉に流れる湯川がひょっとして流れが出ていて通過が困難かと気になっていたが、案の定そうだった。小さなスノーブリッジをなんとか見つけて横断。すると下からかんじきで登ってくる跡があったので、これは嶽温泉から登ってきているに違いないので、これを下って今日はここまでとした。 時刻は午後2時40分。小島旅館のちょうど裏側から正面のローターリーに滑り込む。そのまま、小島旅館の温泉へ直行できるのがうれしい!