3月半ばになるとさすがにフカフカのパウダースノーはもうどこにも残っていません。いつの間にか季節が巡っていることに気付きます。ただ先週半ばの南岸低気圧による積雪のおかげで、前回の第8回の時のトレースはすっかりリセットされていてフレッシュな気分になれます。建物の屋根の雪はだいたいが落ち切ってますが、時々どこかでザザー、ドカッと落ちる音が響いてきます。お昼近くになって気温が上がってくると、早朝クラストしていた雪が緩んで深く潜って重たくなりました。でも、雲一つないスッキリとした青空を雪原で大の字になって見上げる気分は、爽快の一言でした。

動物たちの足跡は夜間や早朝歩き回っているものが多いようで、クラストした固い雪面には新しい足跡がなかなか付きにくいようで見当たりません。古い足跡で融けずにまだ形が崩れていないものを探しながらゲストさんたちと楽しくおしゃべりをしながら森をハイキング。

途中2ヵ所、小鳥たちの群れが私たちをいつも待ち受けている林があります。耳を澄ますと静かな雪の森の中で小鳥たちのさえずりが少し騒がしように聴こえてきます。「また来たぞ!」とか会話しているようです。

冬の寒い時期に何度もガイドで訪れると、雪に埋もれることのない温泉沢の流れの中で育まれるチャツボミゴケの様子にいつも新たな気付きや発見がありますくわかります。 特に温泉大滝と湯滝との間が観察しやすい場所でした。

例えば、温泉大滝の壁では冬の間にびっしりとチャツボミゴケが成長していました。これから始まる雪融け水の流入によって大きな水圧を受ければ、いつか剥がれ落ちるかもしれません。淀みでは温泉沢の流路が変わっていく様子や、流れの中で藻のように揺れるチャツボミゴケの著しい成長の様子を確認したりすることが出来ました。

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