April 2025

尾瀬・至仏山BCガイド2025-4-12

サクラが咲いて春爛漫な季節になり、すっかりザラメ雪が楽しいバックカントリーシーズンです。ただし何日か前には落雷事故のニュースがあったり、昨日も家の近くで突然雷鳴が聴こえてきたりで、春の天候判断にも注意が必要です。土曜日の今日は素晴らしいバックカントリー日和になりました。そして鳩待峠までやって来てびっくり。久しぶりの大雪だった今冬を実感した残雪量でした。 もう9時を過ぎていましたが、これからのんびりハイクアップして、12時半くらいに至仏山山頂に到着する予定です。気温もかなり上がっていて、雪も緩んでいます。ゲストさんはもちろんシール登行ですが、私はウロコで全然大丈夫そうなのでシールは貼らずにハイクです。 途中賑やかなグループを追い越して、オヤマ沢田代を過ぎると左の景色が開けて谷川連峰の山々が迫力です。ただ今回は残念ながら、春霞で白砂山の奥の方の山々は見通せませんでした。 小至仏山のトラバースも安定した雪質で不安感はなく、それでも念のためにスキーアイゼンを付けてもらって歩きました。ここからの尾瀬ヶ原の絶景は思わず息をのむ美しさです。 小至仏のトラバースを終えて、3度目の最後の休憩です。昨年の4月13日のここからの景色を想い出すと、やはり今春の残雪の多さを実感です。昨年はハイマツや岩塊がたくさん顔を出していて、かなり右下をトラバースしました。今回は稜線上をきっちりとトレースできます。 午後12時20分、至仏山山頂到着。山頂は日も暖かくて風も穏やかで、のんびり休憩することが出来ました。すでに登頂しているグループものんびりまどろんでいます。また既にムジナ沢を滑ったグループが登り返してきます。今日はたくさんのバックカントリースキーヤーたちが楽しんでいるようです。 いよいよダウンヒルです。ワル沢にはすでに何本ものシュプールが刻まれていましたが、まだまだ周りにはノートラックの面ツル斜面がたくさん残されていました。そして雪質に恵まれて、気持ちよくワル沢の大斜面に自由自在なシュプールを描くことが出来ました。 滑り降りたボトムの川上川は、まだまだ雪の中に埋もれていました。いつもなら渡渉地点を少し探さなければならないのですが、今年はそんな苦労はまったくなしです。一番楽なルートで鳩待峠に登り返すことが出来ました。 鳩待峠着午後1時45分。戸倉ゴール午後2時20分でした。

シークレットkuniBC偵察2025-4-8

ダート道をチャリでアプローチ。林道奥から登山道をしばらくシートラして小一時間、ようやく雪の上をシール登行。ここのところ晴天が続き、昨日より気温も上がる今日はザラメがいい感じ滑りやすいことを期待して偵察連ちゃんです。 急斜面が続く尾根をハイクアップすると、やがて昨日滑った八間山が向こう側に現れました。気持ちよくザラメ斜面を滑った感覚が思い出されます。 反対側には迫力のガラン沢渓谷の奥に横手山です。一つ石へと続く細尾根の最後の急登を前に、スキーアイゼンを装着しました。一つ石直下は雪庇が出来るので、今日みたいな日はスキーアイゼンがあるときっと安心です。 帰りに滑って降りようと予定していた一つ石ボウルですが、大きなクラックが入ってズタズタに切れていました。さらに山頂直下も。 強引に這い上がることも出来そうでしたが、滑降モードにチェンジしてウロコで雪の繋がっているところをうまくルーファイして一つ石山頂へ。午前10時25分通過です。 一つ石ボウルを滑るのはやめて奥の斜面へ。裏天狗と勝手に名付けているコースを滑って帰ることにしました。 一本滑ってウロコで登り返している途中で新しい熊の足跡を発見。子熊かな?先にこちらの気配に気付いて逃げた感じです。ところが裏天狗を滑っている途中でまたもやクマの足跡。今度は大きい。クマさんの縄張りに侵入しているのはこちらですから、逢わないように気を付けなければです。 一つ石ボウル下部を午前11時11分通過。なぎ倒されてぶった切りにされたダケカンバの悲惨な残骸がデブリに半分埋まっていました。大きな雪崩が起こった痕跡です。 気が付いたらザラメシーズン真っ只中です。

シークレットkuniBC偵察2025-4-7

今日はイカ岩沢(勝手に名前を付けました!)付近から、いつも滑って降りるルートの尾根に取りついてみました。まだアイスバーン気味で急斜面はシールがスリップしますが、時間がたてばだんだん緩むことでしょう。 ハイクアップしながら、かつて六合村だった30代前半の頃に、朝早く野反湖まで車で登ってきて、三壁山を一本滑ってから普通に出勤したのんびりした時代のことを思い出します。午前11時、八間山山頂。山名標柱は今だ厚い雪の下です。大雪の年だというのが実感できます。 新潟県側は天気悪そうでしたが、白砂山稜線は姿を見せてくれました。前回登頂した時のトレースもシュプールもすべてリセットされていて、今回も綺麗な雪原に自由自在のシュプールを描くことができました。 遠くから眺める白砂山稜線同様、八間山稜線も大雪だからといって大きな雪庇はできなかったようです、最後の山頂まで稜線通しにスキーで通過できました。大きな雪庇が出来る年はズタズタになって通行が困難だったりしますが、今年はまろやかな感じなのはどうしてでしょう? 毎年雪の積もり方が違っていて昔のようではないように感じますが、これも気候変動の表れということなんでしょうか。 ところで、4月23日午前9時半頃から今年も例年通り道路開通式が開催されます。町観光関係者によって安全祈願の神事が厳かに行われた後、午前10時に開門です。いよいよ一般車の車が野反湖までの国道405号線へと乗り入れることができます。 昨年も一昨年も残雪が少なくて寂しかったですが、今年こそかつてのように道路開通後もまだまだ残雪のバックカントリーやスノーシューツアー出来そうな残雪量でした。

シークレットagatsumaBC偵察2025-4-5

バックカントリーでスピーディに縦走ツアーをするために理想的な雪質と天気に恵まれた一日でした。念のために携行したブーツアイゼンもせっかくだから今シーズン初使用して、雪稜漫歩を楽しみました。 山頂が標高2354mの四阿山は、吾妻エリアの山の中でモンスターが見られる確率が高い山です。もう4月に入ったというのに期待を裏切らず、樹氷の綺麗な景色に癒されながらのハイクアップでした。 そして今日の先行者はウサギさんだけ。最高の稜線漫歩を楽しみました。 ロープーウエイ山頂駅を歩きだしたのが午前9時くらいだったので約2時間ほどで山頂です。無風ですがやはり手袋は途中で厚手に変えました。菅平方面からの登山者はまだそれほど多く登って来ない時間だったので、山頂は静かでした。 今回は縦走で群馬県境稜線トレイルのルートで鳥居峠へ滑って下ります。お昼を回ると気温も上がって雪もちょうど良い感じに緩みました。BCでは始めてトレースするルートなので、いくつかの痩せ尾根の通過が不安です。でもどこも大きな問題もなく通過。 古永井分岐手前のガレ場は、少しの区間スキーを担いでツボ足で歩きました。古永井分岐からは、的岩寄りにミズナラの森の斜面が少し滑りを楽しめました。 いい気になって滑り過ぎると的岩を通り過ぎてしまうので、途中からトラバースしました。勘が当たってちょうどいい具合に的岩に出ました。無雪期なら藪漕ぎでしょうが、今日はスキーで快適に的岩に沿って滑って下ります。 ずっと鳥居峠まで滑って行く予定でしたが、さすがにこの時期になると下部は笹が顔を出し始めていてちょっと早めに林道へショートカット。少し板を担ぎましたが、午後2時、予定より1時間早く無事スキーで迎えの車が待つ鳥居峠にゴールイン。

南八甲田BC2025

いよいよ今日から酸ヶ湯温泉~谷地温泉間の道路が冬季閉鎖解除で、JRバスも一日3本運行が始まります。これを利用して旅気分で南八甲田のバックカントリーをのんびり楽しみました。バスは10分以上遅れてやってきましたが、無事に乗車出来て見事な雪の回廊を車窓から鑑賞です。睡蓮沼には路上駐車の観光客や登山者の車で大混雑。午前10時、雪の壁に付けられた通路を登って南八甲田の一端に立つと南と北の両八甲田の山々が一望でちょっと感動です。振り返ると昨日パウダーを楽しんだ大岳を始め高田大岳、小岳、硫黄岳が迫力で聳えています。ここからは、まずはなだらかに横たわっている猿倉岳を目指します。 同じく猿倉岳を目指すバックカントリーのガイドツアーやグループがいくつもすでに出発し始めていました。道路開通日だからでしょうか、天気に恵まれたからでしょうか、静かなバックカントリーを期待してやってきましたがとんでもなかったようです。猿倉岳はなだらかなので、結局森の中を縫うようにシールは貼らずにウロコだけで山頂まで歩けてしまいました。稜線に上がると右手奥に駒ヶ嶺と櫛ヶ峰がこれまた優美な姿で私たちを手招きしています。2回櫛ヶ峯にはスキーで訪れた思い出があります。 そして稜線奥の猿倉岳山頂には今回初めて立つことが出来ました。小さな山頂には先着のツアー集団が出発の準備をしていました。矢櫃萢方面への急斜面が魅力的です。 私たちは稜線をいったん戻り、乗鞍岳を正面に見据えて矢櫃沢源頭のなだらかな大斜面を下ります。こちらにも楽しそうにツアー集団が下ってきました。 矢櫃沢源頭でちょうどお昼休憩にした後、乗鞍岳の途中まで往復してきます。山頂まで足を延ばせば猿倉温泉へ降りるルートがなかなか楽しそうです。今日は偵察のつもりで来たので、帰りのバスの時間も考えてのんびり往路を戻ります。 午後を周るとツアー集団もどこかへ過ぎ去り静かな時間が南八甲田の森に漂い始めました。固いアイスバーンは今日の陽ざしで少し柔らかくなり始めてスキー向きの快適なザラメに変化していました。帰りの猿倉岳の下りは期待していなかっただけに、ノートラックの素晴らしい斜面がたくさんあって大いに楽しめました。 午後2時55分のバスには余裕で間に合って、また旅気分で酸ヶ湯温泉へ戻ります。