July 17, 2025

2005北海道・海旅・追分ソーランライン2

大成町貝取ま~乙部町元和(漕行距離約29km) 今回カヤックで漕ぐ函館までのルート、適度な距離に温泉マークがある。昨夜のあわび山荘は、貝取ま温泉といい、赤みがかった天然かけ流しで、とても良かった。もちろん、名前通りのあわびの刺身やら陶板焼きなどなど、たらふくのごちそうも大満足だった。さて、今日はどの辺りまでがんばってどこの温泉に入ろうか、などと朝食前に温泉にゆったりつかりながら、今日のカヤック旅に思いをはせる。 AM9時半出航。日も出て、昨日より天気良く、海も穏やか。でも奥尻島は見えない。どうも今夏は大気が不安定な天気になりやすいようで、すっきりと晴れ渡るとまではいかないようだ。約10kmほど先に、ひらたない温泉あわびの湯というのがある。今夜もあわび料理と温泉三昧というのに心惹かれるけど、先にも進まなければならないので、そういうわけにはいかない。約35km先にちょうど館浦温泉というのがあり、今日はそこまで漕ぐのだ。 親子熊岩など、しばらくは奇岩がいくつも続く海岸を進む。このような地形を生かしてだろうか、長磯という港ではあわびの養殖が行われているそうだ。昨夜のあわび山荘で夕食の賄いをしてくれたおばさんは、正月になると、都会に出た息子にあわびを送ってやると話していた。熊石町にはいると、海岸線は一転する。数kmに及ぶ鮎川海岸は、きれいな砂浜のビーチだ。沖合から眺めながら、ひたすら漕ぐ。昼をまわって、相沼というところでトイレ休憩のために上陸。でも、昼食をとるのは、元和というところまでがんばることにした。というのは、元和には海浜公園があって、きっと海の家では冷えた生ビールがあるにちがいないから・・・ PM3時過ぎ、元和台海浜公園「海のプール」の横の小さなビーチに船を着ける。この海のプールというのは、すごい施設だった。元和台という断崖絶壁の下に作られているのだが、駐車場やレストランのある崖上から、崖下の海のプールへ行くのに、専用の立派なコンクリートスロープが作られているのだ。この巨大な構築物は、カヤックで数kmも手前から認められた。初めは何なのかわからなかったけれど、近付いて海上から仰ぎ見るその姿に、唖然とした。この美しい海にわざわざプールを作る必要があるのか、という素朴な疑問など一瞬のうちに吹っ飛んだ。でも、とても良く運営されていて、たった100円の協力費でこの立派な施設が利用できる。たくさんの家族客などで賑わっていた。 私たちは、もちろん海の家へ直行。まずは生ビール!そして、おでんや焼きそば、ラーメン、ジャガイモ団子などなど、すっかり食べ過ぎてしまった。先へ進むつもりだったけど、急遽予定変更。今日は、ここまでだ。

令和7年度第1回登山道整備WG現地下見参加

谷川岳インフォメーションセンターは、雲が厚く小雨。今日の主催者や講師の方、参加者とともに谷川岳ヨッホ(ロープウェイ)乗り場まで徒歩。雨ということで他の登山客や観光客はほぼ皆無です。ロープーウェイに乗るのは、2015年以来だから10年ぶり? その時の登山道の様子はほとんど記憶にないです。ただ谷川岳山頂から一の倉岳へと続く稜線は、蛇紋岩質の岩稜で滑りやすかったことは覚えています。 午前9時半、濃い霧とときおり激しくなる風雨の中を熊穴沢避難小屋まで歩きました。そして、登山道の荒廃の様子を診断しながら、最適な補修方法の知見を講師から説明を受けました。 登山道整備は,、整備箇所の地形や植生などの様子をしっかり見定め、荒廃した原因を適切に診断することが最初の一歩です。雨水による浸食や登山者の踏圧による被害、その他にも積雪による木道の崩壊などです。またそれらに付随して起こる登山者の新たな踏み荒らしは貴重な植生の裸地化を広げます。そんな中で雨水の流れが登山道を荒廃させる一番大きな原因であることから、簡単にできる水抜き作業の実演は、参加者にとってとても参考になったのではないかと思います。 熊穴沢避難小屋に11時半到着。小屋内で昼食をとって12:00下山開始。次回9月に開催予定のワークショップでは、数ヵ所をピックアップして実際に登山道整備を体験する計画だそうです。 晴れていれば谷川岳の雄大な景色が楽しめたのでしょうが、今回は、雨の日だったからこそ登山道を流れる雨水を実地検分出来ました。とても有意義な現地下見になったと思います。

2005北海道・海旅・追分ソーランライン3

乙部町元和~上ノ国町汐吹(漕行距離約35km) 3日目は、早起きをして6時前に出航。昨日のようなペースではとても函館には行き着けそうにない。今日はもうちょっとがんばらなくては。どうやら追い潮である。元和台のような岬をかわす時、はっきりわかるくらいに潮が流れている。よし、この勢いで江差の鴎島まで一気に漕ぐぞ!いきなり、魚の群れがカヤックのすぐ横でボイルする。結構大きな魚の群れで、30㎝くらいはある。ブリ系の魚の幼魚の群れが、さらに小さな鰯系の群れを追っているようだ。すると、今度はカモメの群れが空から集まってくる。ブリ系の魚に追われて海面を逃げまどう、鰯系の小魚をねらっているようだ。この小さな大自然のドラマが、いたるところで見られた。最初のうちは、あわてて釣りを試みてみた。しかし、仕掛けが良くないのか、まったく反応が無く、やがてあきらめた。8時過ぎに江差の鴎島に上陸。鴎島の高台は、芝生のキャンプ場だった。 松前同様、江差はかつてニシン漁や北前貿易で大いに賑わった港町。今は陸続きになってしまっている鴎島が、波風をさえぎり天然の良港を作り、廻船問屋が軒を連ねていたそうだ。現在、旧中村家住宅や復元された開陽丸などで、当時の面影をちょっぴり感じ取ることができる。 ところで、北前船の大きさは石で表すそうだ。長さ×巾×深さで求められるらしい。すると、私たちの船は何石くらいになるんだろう。6.6×0.8×0.4として、わずか2石あまり。タンデムカヤックで江差の海に浮かびながら、昔の港の様子を思い浮かべてみる・・・ さて今度は、鴎島から上ノ国町の道の駅「もんじゅ」を目指す。たしかここは海沿いにあるので、カヤックを岸に着けて、レストランで昼食ができるはずだ。穏やかな内海を一直線に漕ぎ進んだ。案の定道の駅「もんじゅ」は、海からも大変便利な施設であった。濡れたウエットパンツでも入れてくれる。そして、生ビールとウニ丼だ! 先を急がねば!!洲根子岬をかわすと、突然潮が変わった。一気にスピードが落ちる。大安在浜の単調な景色が余計にパドルを重くしてくれる。さらに追い打ちをかけるがごとく、前席の家内が居眠りである。こんな時は思い切って岸寄りすれすれにコース取りする。そうすれば、海の底も見えるし、少しは退屈を紛らわせてくれるのだ。 しかし、穏やかな海だからこんな悠長な事を言ってられるのだが、この辺りは遭難の名所である。開陽丸は、この先の木ノ子の海岸に強風で打ち上げられ難破したのだ。汐吹の老漁師は、かつて、荒れる海を命からがら帰ってくる漁船のために、盛んに浜に火をたいたんだと話してくれた。時には、自分たちの目の前で船が波にのまれてしまったこともあったそうな。向かい風と逆潮に苦しめられ、午後2時前、汐吹で今日の行動終了。いまいち距離を伸ばせなくて残念。