大成町貝取ま~乙部町元和(漕行距離約29km)

今回カヤックで漕ぐ函館までのルート、適度な距離に温泉マークがある。昨夜のあわび山荘は、貝取ま温泉といい、赤みがかった天然かけ流しで、とても良かった。もちろん、名前通りのあわびの刺身やら陶板焼きなどなど、たらふくのごちそうも大満足だった。さて、今日はどの辺りまでがんばってどこの温泉に入ろうか、などと朝食前に温泉にゆったりつかりながら、今日のカヤック旅に思いをはせる。

AM9時半出航。日も出て、昨日より天気良く、海も穏やか。でも奥尻島は見えない。どうも今夏は大気が不安定な天気になりやすいようで、すっきりと晴れ渡るとまではいかないようだ。約10kmほど先に、ひらたない温泉あわびの湯というのがある。今夜もあわび料理と温泉三昧というのに心惹かれるけど、先にも進まなければならないので、そういうわけにはいかない。約35km先にちょうど館浦温泉というのがあり、今日はそこまで漕ぐのだ。

親子熊岩など、しばらくは奇岩がいくつも続く海岸を進む。このような地形を生かしてだろうか、長磯という港ではあわびの養殖が行われているそうだ。昨夜のあわび山荘で夕食の賄いをしてくれたおばさんは、正月になると、都会に出た息子にあわびを送ってやると話していた。熊石町にはいると、海岸線は一転する。数kmに及ぶ鮎川海岸は、きれいな砂浜のビーチだ。沖合から眺めながら、ひたすら漕ぐ。昼をまわって、相沼というところでトイレ休憩のために上陸。でも、昼食をとるのは、元和というところまでがんばることにした。というのは、元和には海浜公園があって、きっと海の家では冷えた生ビールがあるにちがいないから・・・

PM3時過ぎ、元和台海浜公園「海のプール」の横の小さなビーチに船を着ける。この海のプールというのは、すごい施設だった。元和台という断崖絶壁の下に作られているのだが、駐車場やレストランのある崖上から、崖下の海のプールへ行くのに、専用の立派なコンクリートスロープが作られているのだ。この巨大な構築物は、カヤックで数kmも手前から認められた。初めは何なのかわからなかったけれど、近付いて海上から仰ぎ見るその姿に、唖然とした。この美しい海にわざわざプールを作る必要があるのか、という素朴な疑問など一瞬のうちに吹っ飛んだ。でも、とても良く運営されていて、たった100円の協力費でこの立派な施設が利用できる。たくさんの家族客などで賑わっていた。

私たちは、もちろん海の家へ直行。まずは生ビール!そして、おでんや焼きそば、ラーメン、ジャガイモ団子などなど、すっかり食べ過ぎてしまった。先へ進むつもりだったけど、急遽予定変更。今日は、ここまでだ。
