サンビキ(三引山)1938,9m
サンビキ山は、野反湖の奥にどっしりと聳える三壁山とほぼ同じくらいの高さで、秋山郷へと続く北方稜線上にあります。池の峠駐車場付近から眺めることが出来ます。夏道がないので残雪期に歩くのが最も楽に山頂に立つ方法です。2万5千図で調べると、西側の千沢へと落ち込む尾根がいい感じで、BCスキーヤーにとってはぜひ一度は滑ってみたいと思える魅力的な等高線密度です。 2017年から2020年まで毎年3月か4月にサンビキ山を訪れて東面の様子を少し探りました。今回の記録は2019年4月13日です。 この時は絶好のBC日和に恵まれたので、サンビキ山北肩の標高1900m付近から思い切って標高1570mまで滑ってみました。 千沢が覗き込めるくらい下まで滑るつもりでしたが、下部はかなりのストップ雪だったので途中で引き返したことを思い出します。 滑り降りたところは、スキーで訪れない限りは簡単にはやって来られない人跡未踏に近い場所でしょう。ブナや岳樺、モミの疎林がなんとものどかな雰囲気でした。 帰りは三壁山に寄り道して下山しました。サンビキ山から三壁山へと続くスキーでの稜線漫歩も素晴らしいコースです。千沢を挟んで苗場山や奥野反三山の大倉山、八十三山、堂岩山の山容が圧巻です。 八十三山と堂岩山との間からは、白砂山も頭を覗かせています。地蔵山から堂岩山へと続くシラビソ尾根の稜線も手に取るようにわかります。 そして天空の野反湖の大雪原が眼下に広がります。サンビキ山に初めて訪れたのは1996年頃だったと思うので、まだハンディGPSのない時代でした。この辺りの地形は複雑なので、ルーファイも今より冒険的でワクワクドキドキ感も大きかったことでしょう。 三壁山山頂直下の笹原も積雪期はいい斜面です。野反湖に向かって滑る感じが最高です。