トレッキング

トレッキングコース探査・岩櫃山2024-5-14

5月の透き通るような青空と新緑に彩られた岩櫃山を歩いてきました。2年前に登った時は、郷原側の古谷登山口から密岩通りで山頂に登り赤岩通りで下山しました。 今回は原町側の平沢登山口から尾根通りを歩いて赤岩通分岐から十二様通りでいったん赤岩登山口に下山。そこから密岩登山口に周り、密岩通りを登ってようやく岩櫃山山頂へ。下山は沢通りで平沢登山口へ戻りました。 岩櫃山は大まかに5つの登山コースがあって、初めての人はどのコースで登ったらいいかちょっと戸惑ってしまうでしょう。二つの登山口には登山案内所があって、岩櫃山の登山マップも無料で配布しているので安心です。 登山道も大変よく整備されていて、道迷いしないように案内板も親切すぎるほど設置されていて、とても歩きやすかったです。 新録の森の林床ではひっそりとササバギンランの小さな白い花が輝いていました。山頂近くの日当たりのいいい断崖で、ニッコウキスゲの黄色い花が一輪咲いているのには驚きました。 山頂からは360度の絶景です。今日は富士山はわかりませんでしたが、赤城、榛名、妙義の上毛三山が眺められました。 吾妻谷も眼下に一望です。戦国時代の武士たちがここから眺めた浅間山は、江戸時代の大噴火の前だから違った形をしていたかもですね。 今日は平日とあってか山頂付近で1グループだけしかすれ違わなくて、とても静かな山歩きが楽しめました。 山麓にはもう一つ平沢登山口と古谷登山口を結んでいる真田道という登山道コースがあって、こちらも登山者の中で利用する人がいるようです。険しい岩山ですが難易度的に分けられた登山道が選べるので、登山者の体力やその日の天候に応じて何通りにも登山コースがアレンジして登れる山です。

2024芳ヶ平湿地群グリーンシーズンスタート!2024-4-25

昨日志賀草津道路も雨の中開通式があったようです。一転今日は素晴らしい青空に恵まれました。今年の雪の回廊は例年並みでしょうか。 昨年が残雪少なかったので多いように錯覚しますが、多い年の雪の回廊はこんなもんじゃないです。 まずはラムサール条約地を歩く!芳ヶ平湿原&チヤツボミゴケ公園散策ツアーの下見です。標高2172mの日本国道最高地点でもある芳ヶ平湿地群展望台からの展望は、まだまだ雪景色の芳ヶ平湿原が素晴らしい眺めです。 もしもお散歩ツアーでゲストの皆さんと眼下の芳ヶ平湿原までスキーで一緒に滑っていけたらどんなに楽しいことでしょうか。 今日のような絶好のBC日和に恵まれたら、きっとそんな風に思ってしまうでしょうね。 ギリギリ芳ヶ平ヒュッテまで雪は繋がっていました。明日以降は、もう難しいでしょう。 オムスビ山から大平湿原まではスキーが使えましたが、雪が切れているところは登山道を歩いて下りました。大平湿原から下もまだ雪が残っている頃もありましたが、もう完全に歩きに切り替えました。 約2時間半でチャツボミゴケ公園に到着。3月のスノーシューツアー以来です。久しぶりのチャツボミゴケは春の雪融けと明るい陽射しを浴びて輝きを増したように感じました。 新しい看板も設置されていました。レンゲツツジの頃がお薦めとありますが、今もとてもいいです!

トレッキングコース探査・芦鞍山2024-4-4

吾妻の里山、芦鞍山に登ってきました。初めて歩きます。東吾妻町の道の駅あがつま峡をベースに手軽に登れそうな山です。 標高895,6mの地元では天狗山とも呼ばれている信仰の山です。諏訪神社の境内からスタートです。 まずは獣害除けの電柵をくぐって、薄暗い杉の植林地の中を歩いていきます。 植林された杉の中にホウノキやコナラ、クリ、サクラ、ハリギリ、クルミなどの広葉樹も混じっていて、生々しい熊の痕もいつかあってハッとさせられました。 西鳥屋(ニシトヤ)やコウモリ穴、山の神などという場所を過ぎると、やがて倒木などの崩壊地に出ます。鉄パイプで組んだ簡易橋があるのでここは安心して通過できました。 次に開けた沢地形の場所に出ますが、古いピンクテープの他に小さなケルンの目印が見つかるので、ここを踏み跡頼りに登っていきます。 やがて急な尾根に取りついてうすい踏み跡と小さな看板を目印に登ります。結構きつい上りですが、目指す山頂らしきところが近いことが感じられます。 登山口の神社から1時間ほどで登ってきました。今日はどんよりした雲がかかっていて、ぐんま県境稜線トレイルの山々や浅間山はわかりません。でも晴れていれば見晴らしは最高でしょう。一つ石ボウルや木戸山とスルスの頭らしき山などがわかりました。 山頂は5~6人でいっぱいになる小さな場所ですが、それに見合わない大きさの祠と三角点がありました。 里山は誰でも気軽に登れる山です。高山にはない里山だからこその魅力がいっぱいあります。でも油断すると侮れないいろいろな危険が潜んでいます。

クワウンナイ川の想い出1999夏

九月のクワウンナイ川は、それは素晴らしいという。「紅葉に初雪のデコレーションを纏った景色に出会える沢登りができるのは他にないでしょう。」と、積丹の海でキャンプした夜、偶然出逢った札幌のシーカヤッカーが薦めてくれた。 1999年の夏の北海道は、記録的な猛暑だった。私は積丹半島をシーカヤックで旅していた。美国からスタートし、旅の初日は積丹岬の手前の無人の番屋がある玉石の海岸でキャンプを張っていた。夕暮れ間近、一人涼しくなった浜辺でのんびり読書してると、そこへ若いカップルがいつの間にかやってきて、私の隣にキャンプを張った。その日新しく進水式をしたばかりのダブルの新艇を試すために、札幌から手近な積丹へツーリングにやってきたそうである。お盆休みに知床へ出かけるのだそうだ。正直一人静かなキャンプの心地よさを奪われたようで興ざめたが、翌朝は打ち解けていろいろ話も弾んだ。もちろん、こちらからも知床の素晴らしさもいろいろ話してあげた。 さて、たまたま気になっていたクワウンナイ川はどうかとカップルに聞いてみた。なんとも奇遇な話だが、意気揚々とクワウンナイ川が知床と並んで大好きだという。私は大島亮吉を読んで、まだまだ原始の香りがプンプン残っているに違いないクワウンナイ川へぜひ行ってみたい思っていた。カップルの楽しい話を聞いて、これはもう絶対行かなければと思った。ガイドブックにはない面白い旅の情報を、なんと積丹の無人の海岸で得るということが、これまた旅の面白さか・・・ 積丹半島をカヤックでまわった後、旭川空港で家内と合流し、大雪山の麓にある天人峡温泉からクワウンナイ川に入渓した。わずか3日間だったが、大雪の自然の懐の深さを堪能できた。1日目に選んだキャンプ地は、札幌のカップルから教えてもらっていたとっておきの場所だ。原始のままの河畔林を背にして、まだまだ広々とした川を眺められる素敵なところだ。夏の日は長いので、のんびり今夜の夕食にするオショロコマの釣りと食事を楽しんだ。ヒグマの出没が多少不安ながらも、日が暮れたら疲れがどっと出て、ぐっすり眠り込んでしまった。 2日目の朝食にもオショロコマを食べた。そして、途中で何回か竿を出しながら夕食のオショロコマを確保した。2日目のキャンプ地は、源頭付近の予定だ。魚止めの滝を越えればもう魚はいなくなる。北海道の沢ならではのオショロコマの味を、できる限り楽しみたいではないか。 美しいナメが十三町も延々と続くという滝の瀬十三丁は、大自然の驚異である。しかし、途中で家内が小さな滑落事故を起こす。たまたま下流にいた私が止めることができて、大事にいたらなくて幸運だった。平水だったが、ナメは滑りやすいので、油断は禁物である。雨が降って増水したときは、流されたら止められないので結構シビアかもしれない。しかし、紅葉の頃の滝の瀬十三丁は、ほんとうに美しいだろうなと思う。いつかまたその頃をねらって訪れてみたいものだ。2日目の夜は、盛夏だというのにまだ雪渓が残っている源頭付近にキャンプを張る。ナキウサギの鳴き声が静寂に響き渡る。ここはほんとうに別天地だ。 積丹の海を漕いで渓を遡った大雪の山々を眺めながら格別な思いが湧き上がった。なんとなく後ろ髪を引かれながら、夏道を辿って出発地の天人峡温泉に下山した。

高間山の思い出話

今は林道で楽に高間峠までやって来れる。峠からさらに山頂まで整備された登山道があって15分くらいで山頂に立てることだろう。高間山というと、30年くらい前の林道吾嬬山線が建設中の頃の話が思い出される。高間山は、六合村と長野原町と吾妻町の3町村境界にある1341.7mの小さな山だが、この辺りでは1番標高が高く、1度登ってみたかった。 高間集落あたりから高間山への登山道があるらしいので、探しに来たことがあった。今ではもう藪の中からも昔の開拓農家の残骸は見つからなくなってしまったが、その時はまだいくつかあった。最終人家の倉庫の中で花インゲンの皮むきをしていたおじいさんに聞いてみることにした。ちょっと耳が遠くて説明するのに手間取ったが、話が理解できると親切に教えてくれた。高間山への登山道はこの下の左へ行く道だそうだ。な~んだそうだったのか。ついでに王城山への道もあるか聞いてみたら、さらに水平に行けばあるという。やっぱ土地の古老は何でも知ってる!丁寧に礼を言って出発しようとしたら、おじいさんはわざわざ道まで出てきて、さらに人なつこく同じことを説明してくれ、人情の深さに感激。しかし行かねばならない。何度も丁寧に礼を言って、出発した。 北風が汗ばんだ身体に気持ちよく、どんどん進んで行く登山道入り口らしきものはいつまでたってもない。林道がこのまま行くと長野原町の貝瀬へ下っていってしまうだろうという地点でストップ。登山道らしき獣道やら仕事道を探し回るが、どれも違う。おじいさんこれはどういうこと!そういえば、途中で畑仕事をしていた別のおじいさんがいたっけ。ようし、その人に聞いてみよう。てけてけ来た道を戻る。収穫の終わった花インゲン畑で、なにやら仕事中のおじいさんがいた。大きな声で「高間山の登山道はどこですか。」と聞いてみた。おじいさんは怪訝な顔をしている。どうも意味が通じないのかと思い、わかりやすくゆっくり、「高間山に登りたいのですが、高間山の登山道の入り口はどこですかあ。」と聞く。するとおじいさんはなんと「ここが高間山だ。ここら一帯すべて高間山と言うんだ。」と答えた。なかなかこちらの意味が通じないようなのでしつこく聞き返すと、最後にこの辺り一帯の山はすべて高間山と言うんだと煙に巻かれてしまった。 まだあきらめるわけにはいかないので、「じゃあ、登山道の入り口はどこですか。」と切り返してみた。すると、「登山道の入り口はこのずっと下の広池というところだ。みんなそこから登るんだ。」と、またもやあっと驚く言葉が返ってきた。なるほど国道292号線沿いの広池集落から山腹のここまで心細い村道が上がってきているのだが、考えようによってはその通りだ。珍名答に思わず納得しそうになって唸ってしまった。 最後の粘りでもう一度丁寧に聞いてみた。「高間山の山頂へ行く登山道なんですが、どこですか。」と。そしたらなんと「それはない!」という答えが返ってきた。高間山山頂へ行くには、ちゃんとした登山道はなく、沢か尾根を適当に登って行くしかないとのこと。「昔はあったが、そんな道はもうなくて、知ってるのは年寄りくれえだ。わしも年寄りだけど、もっと年寄りだ。」 そんな高間山頂には、その後雪の時期に気の合う相棒と初めて立った。

フカフカ落葉の里山ライド2023-11-22

天狗様が祀られた岩尾根の突端に向かいました。今日も風がなく穏やかな小春日和に恵まれました。ポカポカと暖かい陽射しが気持ちいいです。 谷川連峰から白砂山、さらに大高山、赤石山、横手山、草津白根山、四阿山、そして浅間山とぐるり県境稜線の山々が絶景です。 横手山の渋峠スキー場はオープンできそうなくらい真っ白に輝いていました。 さらに浅間山も見事に白化粧していました。 森の木々の葉っぱはすべて枯れ落ちてフカフカです。陽ざしを浴びた枯葉の香ばしい匂いに満ちていました。 ハンドルとペダルから大地の鼓動を感じながら、全身に冬の日の気持ちいい風を浴びて、落ち葉のフカフカライドを満喫しました。

初冬の静かな野反湖の風景2023-11-18,19

湖面のエメラルドの帯が幻想的です。新雪が薄く積もった池ノ峠展望台まで登ってみました。ここからの浅間山は、まるで富士山のように秀麗で威厳があります。 北風が吹き抜ける湖面に目を凝らせば、白兎が飛び交う時化の海と化していました。 小さな動物たちがすでに動き出しているようです。人間の足跡に驚いて慌てて立ち去ったのかもしれません。 稜線の高い山は厚い雲の中に隠れていました。グリーンシーズンのトレッキングの幕はこれでどうやら下りたようです。 この季節の針葉樹とダケカンバの森の美しさは格別です。新緑の頃ももちろんいいですが、落葉したダケカンバのクリーム色の幹が際立つのは今のような気がします。 日曜日の午後、中之条町のつむじで地元ロータリークラブ主催のジャズコンサートがありました。ジャズのライブは久しぶりです。しかも若い時から名前は知っているベーシストがリーダーということで、どんな素敵な演奏を聴かせてくれるか、この日が来るのをとても楽しみにしていました。 ピアノ、ベース、ドラムスのトリオの演奏は、演目はほぼベーシストの魅力的なオリジナルばかりで素晴らしかったです。その中で一曲アランフェスのテーマを弓で弾いてくれました。ド迫力のバーチュオーゾの音には思わず酔いしれちゃいました。白髪のバーチュオーゾと若いメンバーたちのエネルギッシュな演奏は、あっという間の楽しい時間でした。 中之条町でご機嫌なジャズが楽しめた昼下がりの午後でした。感謝。

樹氷の白砂山2023-11-16

野反湖の朝の気温はマイナス2度。湖面から霧がモクモクと湧いて雲海が見られました。 2時間後、水場入り口の広場に着くころには、すっかり霧が晴れて湖面が眺められました。 雪の上には様々な動物たちの足跡が残っていました。登山道の上にはこんなにいろいろな動物たちが歩いているんだとびっくりです。リスやウサギ、ニホンジカ、カモシカ、キツネ、オコジョ、そしてクマです。 堂岩山山頂からいよいよ白砂山稜線が目の前に現れます。湿った南風の影響で、猟師の沢の頭から先は雲で隠れています。晴れてくれるか心配ですが、進みます。 白砂山稜線は素晴らしい樹氷の景色が広がっていました。堂岩分岐から昨日の足跡かな?登山者一人の足跡を見つけたのですが、すぐに引き返していました。どうやらクマと出逢ったのでしょうか、その先には大きなクマの足跡だけがありました。この時期、このあたりにクマの足跡はよく見られますが、冬眠する穴が近くにあるのかも。 渋沢の大きな谷間をはさんでそそり立つ八十三山は迫力があります。 秋山郷の名峰鳥甲山が綺麗に眺められます。2038mで標高的には同じくらいの山です。 少しずつ雲がとれてきたように感じます。最後の登りを頑張れば山頂までもう少し。 山頂直下の登りはきついので、一息つくときは後ろを振り返って雄大な景色に癒されます。そうするとまた次の一歩が元気よく出せます。岩菅連峰です。 午前11時、約4時間かかって白砂山山頂に辿り着きました。雪があるとやはり思ったように歩けないので時間がかかるようです。 ところで、山頂ではすっかり雲がとれて360度素晴らしい景色が楽しめました。谷川岳絵と続く稜線トレイルも一本のホワイトウエイのように果てしなく続いていくようです。苗場山と神楽峰はそろそろスキー場がオープン間近でしょう。 目を凝らせば北アルプスも。これから前線が通過した後本格的な冬型になるようなので、週末の立山はパウダー三昧のバックカントリーが出来そうなくらい積もるかな。 当初は八間山周りで下山するつもりでしたが、ピストンに予定変更しました。11月のこの時期、お昼を周るともうなんだか夕方の気配を感じて心細くなりますね。

今日から志賀草津道路は冬季閉鎖2023-11-15

今朝の芳ヶ平湿地群の山々。池ノ塔山や横手山の樹氷が朝日に照らされてきっと綺麗でしょうね。今日13時からいよいよ国道292号線の志賀草津高原ルートが来年4月24日10時まで長い冬季通行止め期間に入ります。 今年は4月26日に冬季通行止めが解除になりました。翌日は晴天に恵まれて残雪の芳ヶ平湿地群を渋峠からチャツボミゴケ公園まで歩きました。 今年は残雪がとても少なくて、例年なら芳ヶ平湿原までスキーで滑って降りるところですが、スキーはあきらめて歩いて下りました。ダマシ平くらいまでは残雪をどこでも歩けてコースどりできましたが、ダマシ平から下は登山道を探しながら歩くので苦労しました。 しかも登山道の階段などでは踏み抜きしたら大けがしそうな区間が待ち受けていて、大変危険でした。 ホシガラスが久しぶりに訪れた人間に興味をもって近付いてきました。なんだかちょっかいでも出したそうな様子でこちらを観察していて可愛かったです。 7月初めの綿毛の頃のワタスゲは大人気ですが、雪解けとともに地味な黄色い小さな花のワタスゲは誰にも知られずに咲いています。 山に三度白く雪が積もれば、里にも初雪が降ると、昔から六合の山里の人に語り継がれています。最近の気候変動でそんな言い伝えも怪しくなってしまうのかもしれませんが、また本格的な冬がすぐそこまでやってきたようです。