8月28日 晴れ時々曇り

中之条r53~大道峠~たくみの里R17~三国トンネル~JR石打駅~魚沼市小出R290~道の駅とちお 走行距離167km

三国トンネルを越えて新潟県に入ると、まだまだ残暑が厳しいと実感。群馬北部はぐずついた日が続いて、湿気が多いものの涼しい毎日だったので、もう夏も終わりかななんてチョッと寂しさを感じていたものの、いざこの蒸し暑さに直面すると前回の自転車旅が思い出されて、やっぱりうんざりである。しかし今回は北に向かって走るので、だんだん涼しくなっていくに違いないと勝手な希望を持つことにする。久しぶりの自転車旅で、車通りの少ない県道の田舎道を気持ちよく走る。県道から国道17号線に入って三国トンネルを抜けると、いよいよ新潟県に突入。

三国トンネルを抜けて群馬から脱出

ここからは一部上りもあるが湯沢まで長い下り。苗場スキー場では、バイクの大規模なイベントが行われていた。どうりで今日の国道17号線はイージーライダーに出てくるような改造バイクが多いわけだ。途中三俣付近のトンネルで突然ハンドルバーに装着していたGPSが落下するアクシデント。追い抜いていく車に踏まれなくて、かすり傷程度で済んでほんと良かった。トンネル内の路面の凸凹がひどすぎて、プラスチックのジョイント部分が欠けたらしい。GPSは高価なので、アクセサリー部品を無闇に信用してはいけないという今後のための教訓になった。

JR石打駅で昼食休憩

R17号線は関越高速道が昔から併走しているので、道の駅というものがない。お昼休憩するのにいいところはないかなと考えたら、そうだ!JR石打駅が頭に浮かんだ。駅内の畳敷の待合室は、時々風が通り抜けて気持ちいい。やっぱり上越新幹線が併走しているからだろうか、旅行者はもちろん地元の人の利用すらなく、おかげ様でずっと私達だけでのんびりさせてもらった。

走行データ

小出から旧入広瀬村方面への道に入る。途中玉川酒造の酒蔵ゆきくら館に寄って玉風味の特別本醸造2本購入。酒造の人は盛んに吟醸を勧めてくるが、冷蔵庫で保存できるわけでもないので醸造酒でなければ困るのだ。渋川という交差点で左折。まっすぐ進めば只見へ抜けて福島県に突入できるのだけど、7月下旬の新潟福島豪雨でR252は只見線共々今だに不通だった。そして、道の駅とちおで本日Finish。温泉は少し戻って寿和温泉ひめさゆりへ行ったが、やはりここも新潟福島豪雨の被害が大きかったのだろうか閉館していた。なので、守門温泉SLランドへ。車中泊は、道の駅いりひろせ。道の駅とちおのあぶらあげ300円が美味かった!

8月29日 晴れ

新潟県長岡市道の駅とちおR290~萩掘r331~東三条R403~新津R460~新発田R7~岩船港R345~勝木R7~山形県温海立岩海底温泉 走行距離173km

道の駅とちおを朝6時頃Start。やたらブヨが多く、自転車で走っていても吸い付こうとするのもいて、やはり昨夜は道の駅いりひろせで車中泊したのが正解。ブヨから逃れるように、田舎道の国道を飛ばす。東三条あたりからギラギラ太陽が肌を刺し蒸し暑くなってくる。昨日はススキの穂が残照に輝いているのを見て、秋の気配を感じたところだけどまだまだ暑い夏である。途中のセブンイレブンの駐車場で家内のサポートを受けて朝食。そして新津、新発田と平坦で景色も単調な国道をひたすら走る。広い阿賀野川の河川敷は、1ヶ月たった今でも洪水で流された残骸の片付け作業が行われていて、テレビで見たゲリラ豪雨の被害の甚大さを思い起こさせる。

阿賀野川河川敷の新潟豪雨の爪痕

灼熱の国道7号線を離れ、ようやく海沿いの岩船の港まで来ると、木陰に入れば風が涼しい。ムムム、やっぱり暑い夏は過ぎ去ろうとしているに違いないのだ。

岩船港でお昼休憩

今までの退屈な国道7号線の走りから一変、海岸沿いを走る国道345号線は景色が良くて楽しい。海上に浮かぶ粟島や笹川流れの変化に富んだ地形を眺めながら、ガンガン飛ばして一気に山形県へ突入。

越後の国から出羽の国へ

山形県に入るとすぐに鼠ヶ関。昔から重要な関所があったことを偲ばせる地名であるが、県境に大きな川があるとか、長いトンネルがあるとか地形的にはっきりした境を感じさせるものもなく、うっかり通り過ぎてしまうところだった。

走行データ

今日は温海温泉の先の立岩海底温泉でFinish。源泉かけ流しの熱い湯がベリーグッド。

8月30日 晴れ

山形県温海立岩海底温泉R7~由良峠r336~R112加茂~酒田市~道の駅鳥海~秋田県にかほ市道の駅象潟~羽後本荘~秋田市r56~潟上氏道の駅てんのう

走行距離172km

目覚ましのコーヒーを飲んで6時前にStart。旅の3日目、ペダルを漕ぐ足がますます軽やかに感じられてきた。日が昇るにつれて刻々と表情を変える朝の海とともに走るのは、気分爽快である。カシミールの5000mの不毛の峠だろうが、キリマンジャロがそびえるサバンナの大地だろうと、どこへでも、どこまでも、漕いでいけそうである。

ところが・・・由良からさらに県道50号線で加茂へと続く海沿いのファンタスティックな庄内夕陽街道を楽しむつもりだったが、土砂崩れの復旧工事で通行止め。これまた新潟福島豪雨の仕業か?自転車だったら担いで通れるかと思って途中まで行ってみたが、なんと道路警備の人が立っていて厳重に進入を断られた。気分を変えて、かなりの回り道になってしまうけど一旦国道7号線に戻って由良峠まで走り、県道336号線から国道112号線に入って加茂に向かうことにする。快調に走っていよいよ加茂の手前の峠のトンネルで、今回の初めてのパンク!前回の長崎旅の時と同様、リアである。どうやらタイヤの方に原因があるかも。とりあえず使い古しのスペアチューブと交換する。そんなこんなで、家内が朝食を作って待っていてくれる秋田山形県境に近い道の駅鳥海には、かなり遅くなって9時到着。

国道7号線は、山形県吹浦からは立派なバイパスができているが、もちろん海沿いの旧道を走る。山形秋田県境もうっかりしていて知らない間に通り過ぎてしまい、気が付いたら秋田県を走っていた。6月初旬に吹浦から象潟までカヤックで漕いだ海を左に見ながら道の駅象潟へ。ここでサポートの家内と待ち合わせて、名物の岩ガキを食べる。300円、350円、400円、450円、500円と大きさによって50円ごとに値段が上がるキッチリさ。50円の差はどんなものなのか?素人じゃとても見分けられないので、300円のを注文。デリシャス。そして、最近のノンアルコールビールの味の良さにも感心する。

象潟道の駅と言えば、岩ガキなのだ!

陽が高くなり、国道7号が内陸部を走るようになると、灼熱に苦しめられる。次の道の駅西目でアイスクリームを食べて、その次の道の駅岩城で昼食休憩。秋田県は観光に力を入れているからだろうか、道の駅が充実していて快適である。

男鹿半島、入道先付近に沈む夕陽

大河雄物川を渡って、夕方渋滞が始まっている秋田市街地を通り抜け、男鹿半島へ向かう県道56号線に入る。今日は朝のアクシデントのおかげで夕陽を見ながらペダルを漕ぐことになってしまったが、これまた気分爽快である。まだまだ走って行けそう?だったけど、男鹿半島の付け根、潟上市道の駅てんのうでFinish。温泉は、道の駅にあるてんのう温泉400円はグッド。小笠原付近にある台風12号の進路が気になる・・・

3日目データ

8月31日 晴れ後曇り一時雨

秋田県潟上氏道の駅てんのうR101~男鹿市r55~入道崎~R101八竜R7~能代R101~青森県深浦町大間越

走行距離150km

なまはげのお出迎え

ぐずついてパッとしない関東地方とは裏腹に、ここまで3日間、天気に恵まれてきた。が、しかし今日あたりから東北地方北部も雲行きが怪しくなってきた。どんよりとした曇り空の朝、男鹿半島の入道崎を目指してペダルを漕ぐ。さっそく全然怖そうでないユーモラスななまはげがお出迎えである。男鹿市から国道101号線を離れ、県道55号線に入る。次第にダイナミックな海岸を縫うようになり、今までの単調な秋田の海岸線とは異なって、男鹿半島はまさに大海に突き出た山脈の如きである。江戸時代の偉大な旅行作家であり民俗学者の祖と云われる菅江真澄も、きっとこの男鹿半島の自然に圧倒されながらの旅だったにちがいない。

偉大な先人の足跡

戸賀の水族館で朝食休憩。今日の海は凪で透明度も高いようで、グラスボート屋さんは、こんなに良い日なのにお客さんがいなくて気の毒である。戸賀から男鹿半島の先端入道崎へ。相変わらず演歌がけたたましい音量で流れている。カヤックで海からこの岬に上陸したのは何年前の夏だったっけ?

北緯40度から真北を望む

北緯40度線が横切る入道崎に立って、北極点の方向を眺め、地球のでかさを感じた。男鹿半島を廻り、今度は平らな八郎潟の干拓地に作られた単調な道を走る頃になって、雨がぽつぽつと来た。本降りにならないことを願いつつ能代の町までやって来ると、また晴れ間が出てきて一安心。

青森県に突入

道の駅みねはまで昼食休憩。しかしまたまたいつ降ってくるかも知れないような怪しい空模様で、なんとか青森県に突入してJR大間越の駅まで。温泉は秋田県に戻って八森いさりび温泉ハタハタ館。

9月1日 晴れ

青森県深浦町大間越R101~鰺ヶ沢r12~車力~R339小泊~竜飛崎

走行距離144km

どうも天気予報では北東北だけが台風の影響を免れているようで、今日1日は天気が持ちそうだ。余裕があれば下北半島の大間を北海道へ渡る本州の最北地点と考えていたが、今後の台風の北海道上陸への影響を考えて竜飛崎にした。今日はJR五能線大間越駅からスタート。駅前の小さな広場でガソゴソやってると、駅前に住んでいるおじいさんが出てきてトイレの場所を親切に教えてくれる。気持ちいい朝である。世界遺産に指定されたバブリーな頃の白神山地は、観光開発でかなり盛り上がっていた。今は閉鎖しているリゾート施設もあったりして廃れたような感じもするが、ひと段落して落ち着いてきているような気もする。

深浦で白神山地を眺めながら休憩

左に朝の海の風景を楽しみながら快走。道の駅深浦で朝食休憩して、さらに鰺ヶ沢までも左に海を見ながら走る。鰺ヶ沢は舞ノ海とか大相撲力士を何人も輩出してきた相撲の盛んな土地。しかし今の相撲界は大関以上に日本人力士が不在でチト寂しい。鰺ヶ沢がんばれ!

これから目指す津軽半島の海岸線

鰺ヶ沢から国道101号線は海から離れ内陸にある五所川原へと続く。気が付くと右に雄大な岩木山がどっしりとあった。途中で県道12号線に入り、岩木山を背中越しにして北の竜飛崎を目指す。十三湖までは平坦な道が続いて退屈。

シジミで有名な十三湖

もう昼はとうに過ぎていたけれど、小泊の先の道の駅まで頑張って昼食休憩することにする。途中カヤック旅で立ち寄ったことのある温泉旅館が閉鎖されていた。ひなびた感じが良かったのに残念。今日のお昼にはホヤが出た。海のパイナップルである。蒸し暑い今日のような日にはピッタリである。家内のサポートにはいつも感謝。

安くて良い食材を探す楽しみ・・・

いよいよ竜飛崎まで残すところ20kmほど。しかし海抜0mから標高差500mの峠道である。勾配がきついのかペダルの一漕ぎ一漕ぎが重い。滅多に車が通らないので、独り静かなのが心地よい。自動車道路が無惨に無垢な津軽半島の深い森を切り刻んでいるのは惜しいが、そこを通らせてもらっているのだから、これが人間が創り出す文明の矛盾である。ところで峠の頂上まで漕ぎ上がると、眺瞰台という展望台になっていて、360度最高のパノラマ。北海道や小島の島影までも眺められた。先にここで待っていた家内の話では、私が自転車で走りすぎる直前に野生のサルの群れが道路をあわただしく横断している姿が見られたそう。車が激しく通ろうが逃げない群馬のサルと違って、このあたりのサルはまだ人間慣れしていなくて品がいい。しかし、下北半島に次ぐ日本の北限ザルも、やがては人間の文明社会に色濃く染まっていくのは時間の問題だろう。

竜飛崎の手前で大きな山越え

10月になれば、このあたりの海山の景色は紅葉で彩られてきっと素晴らしいに違いない。眺瞰台からは、今度は標高差500mを一気にダウンヒル。登りで汗にまみれたジャージは、深い森の冷気を浴びて体が冷やされ寒いほど。ゴール地点の竜飛崎灯台の下の海抜0mの漁港にたつと、また残暑厳しい夏があった。まず向かったのは思い出の食堂、ミッキー食堂。津軽海峡で獲れたブリやウニの味が懐かしい。

閉鎖・・・寂しいね。

かわりに、太宰治の小説津軽に出てくる奥谷旅館が資料館として無料で開設されていた。当時のおかみさんの孫娘さんが館長さんらしく、おばあちゃんから聞いた当時のことや、自分の子供の頃のことを話してくれたりする。手こぎの船が主要な交通手段だった三厩に、いくつもの手彫りのトンネルが開けられようやく道が開通したそうだが、それらはアワビという豊かな漁業資源があったから。当時のモノクロの古い写真からアワビ漁の賑やかさが想像できる。今はもうそのアワビ街道も廃道となり、新しいトンネルや広い道にとって代えられているのが何だかもの悲しい。そして太宰治の文学記念碑も、ミッキー食堂の隣から奥谷旅館前に移設されていた。小説津軽が戦争末期の昭和19年に執筆されたというのがとても興味深い。北海道へ渡るフェリー便は、昼に電話で手配済み。温泉は、蓬田村にある玉松台スポーツガーデンよもぎ。青森フェリーターミナルで車中泊。明日の早朝の青函フェリーで函館へ。

明日は青函フェリーで函館へ。

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